普通のラーメンが食いたい!
2012/08/02 13:01 登録: もうじいさん
もうじいさん(ひろし)です。
こんなことばかり書いてると叉
『いい年してお前は何を学んできたんだ…』
とお叱りを受けちゃうけど、面白い体験(ジャンル違いかも)
が多いのでめげずにw…。
では…。
これは私が学生時代の話です。
私はラーメンが好きでよく食べていましたが、
今みたいなラーメンブームでもなく、
あるのはラーメン屋というよりも中華料理屋でした。
当時は店の数も少なく、
その店のウマイマズイがハッキリしていましたが
私の家の近くに比較的美味しいラーメン屋があり、
たまに出かけては食べていました。
その日も開店(確か11時か11時半)の少し前にその店に行きました。
既に2人ほど並んでいます。
開店の時には私を含め6人になっていました。
お店はカウンターと小さなテーブル1つだけで、
従業員は料理を作る店主と食べ終わった器を片付けたり、
会計をする女の人(たぶん奥さんだと思う)だけです。
開店して皆カウンターに座りました。
『ラーメン!』
『俺も!』
『俺も!』
『ラーメン!』
『俺も!』
『俺もラーメン!』
といった感じで声がかかりラーメン6丁、全員ラーメンですw
私(おやじ、ラーメン人気あっていいな!)
注文が終わると、私以外の5人は、
カウンターの下に置いてある漫画やスポーツ新聞の世界に入りました。
私は大好きなエロ漫画も無かったので、オヤジの仕事ぶりを眺めていました。
丼6丁をステンレスの台の上に置きました。
オヤジ元気よく手際がいいです。
次にオヤジは何となく背中で隠すようにしながら麺の玉が入ってる箱から玉を取り出すと寸胴(ってよぶのかな?)の煮立ってる湯の中に、
麺の玉をポン、ポン、ポン、ポン、ポンと投げ込みました!
今思うと手でほぐしてもいません!
(オヤジ、威勢がいいね!)
ん?ポン、ポン、ポン、ポン、ポン …玉が5つ!
オヤジ注文6つじゃねえか?
見間違いがいでは絶対にありません。
オヤジは素早く菜箸を鍋に入れてかき混ぜています。
麺が茹で上がると金網の付いた金魚すくいの親分みたいな奴で麺をすくいあげだしました。
私(オヤジ、まさか、やるのか?やるのか?今ならまだ間に合うぞ!)
器用にすくい上げた麺をスープの入った丼に入れていきます。
1、2、3、4、5、6…オヤジ見事!
プロです!
見事に5つの麺を6つに分けました。
だから背中で隠したのか!
チャーシューを入れ、シナチクを入れ、ネギ、ナルトと入れて完成です。
そして何事も無かったかのようにカウンターの上に置いていきました。
他の5人は漫画やスポーツ新聞から一時的に顔を上げ、
ラーメンを自分の前に下ろし食べ始めました。
今オヤジが起こした奇跡も知らずに再び漫画や新聞の世界に戻りながら。
私は何も読まずに『小盛ラーメン』をあっさりと食べ終わりました。
でもウルトラマンに憧れた男です。
悪は許せなません!
私は伝票をつかむと入り口の小さなレジに向かいオバサンを呼びました!
オバサンは何も知らないのか正規のラーメンの料金を言ってきます。
チキンな私はそれを確認し金を払い、釣り銭を貰いながら大声で言いました。
釣りを貰う前に言って喧嘩になるのが怖かったからですw
『6つのラーメンを作るのに、5つの麺の玉しか使わないで正規の料金取るのかよ?』
オバサンは何も知らないのかキョトンとしています。
もしかすると知っているのかもしれませんがw
オヤジの方を振り返ると、オヤジは視線を合わさず逃げるように厨房の奥に消
えてしまいました。
スペシウム光線が怖かったのでしょうw
カウンターの皆は箸を止めて顔を上げ僕を見ています。
その後の結果を見たかったのですが、オヤジの逆襲が怖くて小盛ラーメン屋を後にしましました。
もう二度と行きませんでしたが、数ヶ月後に店の名が変わっていました。
バルタン星に帰ったのかもしれません。
今の時代であれば麺の玉1個をケチるなんて考えられませんが、物価の安かった当時はラーメン屋のオヤジには貴重だったのかなぁW
『くそー、シュナッチク!』
出典:オリジナル
リンク:オリジナル

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