迷惑愛誤の尻拭い

2012/08/02 17:03 登録: えっちな名無しさん

先週木曜日、実家の裏の人が近所の人(民生委員だそうだ)を連れて、「お宅の物置に子猫が入り込んだので助けてやって欲しい」と訪ねてきた。

2週間ほど前から、数匹の子猫が彷徨いていたことは知っていた。そして、その子猫を生んだのは、裏の家で可愛がっている猫だということは知っていた。

早速、物置を調べると軒下の僅かな隙間から入り込んだらしい。物置の中が荒らされ、猫の臭いが充満している。これは酷い…。

しかし、開口一番「子猫を助けて欲しい」とはどういうことか。

被害を受けたのは我が家であって、子猫は加害者、そして訪問者は親猫を飼っている人だ。まずは、飼い主として、他人にかけた迷惑を詫びるべきだろう。その辺りの指摘をすると、「家の猫ではない。野良猫だから、そう言われても…」といきなりトーンダウンする。

裏の家は猫好きで、縁側に猫が来て鳴くと戸を開けて招き入れている姿は何度も目撃している。当初は、同家の飼い猫だろうと思っていたし、敢えて近隣トラブルを起こしたくなかったので、諦めていたのだが、野良猫への餌付けという、さらに無責任な行動をしていることが判った以上、生ぬるい対応をしたのでは、今後も被害が続くことは間違いない。

「飼い猫でないのなら、なぜ構う?他人様の物置に住み着いたところで、あなたには関係のないことだ。報告してくれたことには感謝するが、あとは我が家の問題だ。私は猫の放し飼いは迷惑だと感じていたが、野良猫であるなら遠慮はいらない。捕獲して駆除します」と伝えると、「それは可哀相だ」と…。

かといって、自分自身で責任を持って飼うつもりはないらしい。彼女らは「以前から避妊させたいと思って網で捕まえようとはしていたけれど、すばしこくて…」と言い訳を始める。

そんなもので捕まるほどドジな猫など見たことがない。そもそも、わざわざ避妊手術をしようなどという気持ちなど持っていないのだ。本気でそれをするつもりなら、自宅に招き入れた際に捕獲して連れて行けば済むことだったのだから。餌を与える程度のお金しか使わずに愛猫家気取りでいたいだけのことだろう。

「私としては、被害を放置できないので、早速駆除のために捕まえます。子猫が可哀相だと思うなら、私より先に捕まえて保護し、(他人に迷惑をかけないよう)キチンと飼ってください。」と伝えると、「全部は飼えない」と言い出した。いずれにしてもまともに保護するつもりはないようなので、本気の姿勢を見せることにした。

しかし、いきなり過激な手段に転じるのは得策ではない。動物愛護法という厄介な法律があるからだ。この法律によれば、「何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめる ことのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」とある。つまり、野良猫であっても無闇に捕獲してはいけないし、もちろん積極的に殺戮したり虐待することもいけないのだ。

ちなみに違反すると、1年以下の懲役か100万円以下の罰金という刑事罰を受ける可能性があるので、面倒だが手順を踏んで正当な駆除を行う必要があるというわけだ。それに、手順を踏むことで、愛猫家(?)に対しても、有無を言わせない駆除が行えることになる。

そこで、まず、彼女らには「私はこれから駆除のための道具を購入に出掛けるが、あなた達は保護のための道具を購入しなさい。一緒に買い物に行きましょう」と促し、ホームセンターへ連れて行った。

この時点で私が購入したのは猫の忌避剤とガムテープのみ。彼女らにはおびき寄せるためのマタタビや猫餌を 購入させた。まずは、我が家敷地内からの排除と彼女らによる保護を優先したという姿勢を見せるためである。物置の侵入経路となった軒下の隙間はガムテープで塞ぎ、その周りに大量の忌避剤を撒いておいた。

この日の具体的な活動はこれだけ。その後、役所に赴き、猫の駆除についての相談をしたが、「熊谷に動物愛護センターがあるので、そこに持ち込めば(有料で)引き取って貰える」という情報のみ。もちろん、そんな無駄金を使うつもりはないし、自治体が対応してくれないなら自分自身で駆除するしかない。念のために動物愛護法と条例などの禁止事項も調べ、「安全に捕獲し、(河川敷など)第三者に迷惑をかけない安全な場所に放す」のであれば、動物愛護法には触れないことは確認できた。

翌朝、物置を確認すると、忌避剤やガムテープ程度の対策はやはり効果がなかった。もちろん、それは最初から想定済みだ。近隣トラブルをなるべく少なくするためにも、最初は排除だけで済ませようとしているとする姿勢を見せるためでもある。

ここで、私の作戦は第二弾に移る。再びホームセンターを訪れ、ネコイラズと猫餌を購入。ただし、これは直ぐに返品して粘着シートを購入したのだ。これらのレシートを残しておくことで、最初から殺処分を目指したのではなく、排除を断念して捕獲という選択をしたという証明になるからだ。

ちなみに、粘着シートで捕獲することは何ら問題はない。捕獲した時点では動けないだけだからだ。そのまま放置して衰弱させることは虐待行為に当たり、違法とされる可能性もあるが、捕獲を確認した時点で速やかに救出し、保護すればいいのだ。

この日は、物置への出入り口や通り道に粘着シートを仕掛けるとともに、近隣他家への事情説明に回った。我が家が被害を受けていること、野良猫には絶対に餌をあげないで欲しい、飼い猫がいるなら、他家への侵入をさせないで欲しい、私と同様に猫に不快感を持っているなら、捕獲に協力して欲しいという点を伝えること。

そして、一番重要なのが、これから本気で駆除を行うことを伝えることだが、その際「動物愛護法があるので、いきなり殺すことはできないので捕獲するが、野良猫ごときに大金を使う訳にはいかないし、緊急性があるから、安価で確実、さらに手早い手段として粘着シートを使用することを伝えたのだ。

これは、野良猫を捕獲する時には重要な点である。下手なやり方をして、似非愛猫家に動物愛護法違反で訴えられたのではつまらない。

私の目的は、子猫はもちろん、親猫も駆除することであり、そのためにも確実に全数確保しなければならないのだ。

一番問題のない捕獲方法は捕獲器を使うことだが、「物置に侵入し、中を荒らし、糞尿被害が続いている」現状を考えれば、早急に捕獲する必要があるので、悠長な捕獲手段を講じることはできない。

そもそもこの法律では「みだりに危害を加えてはいけない」のであって、猫害から家財を守るためのやむを得ない事態にまで適用されるわけではない。

さすがに、粘着シートの威力は強力だった。翌朝確認した時点で5匹の子猫が捕獲できた。もちろん、まだ元気だ。この時点では子猫は5匹だと思っていたのだが、実はさらに1匹いたことが判ったのは、最初に訴えてきた二人を連れてきて、確認させた時点だった。

裏の家の奥さんは、粘着シートに貼り付いた子猫たちを見て絶句している。可哀相だと思うなら、この子猫たちを引き取り、責任を持って飼うか、里親探しを始めてくれれば一番いいのだ。

と、そこに最後の1匹が現れ、目の前で粘着シートの餌食になった…。

その直後、奥さんはいきなり泣き出した。「せめて、この子だけでも助けて欲しい」といいながら、粘着シートから剥がした子猫を抱きかかえたのだ。

私は静かに「この子だけでもなどと言わずに、ほかの子たちも引き取っていただけませんか?そうでなければ、私はこの子たちを処分することになりますので…」と伝えたが、「無理です」と繰り返すだけ。

仕方がないので、他の子猫たちは粘着シートから剥がし、段ボール箱に移し、捨てに行くことにした。幸いなことに田舎町なので、町はずれの河川敷周辺に藪がある。そこに放せば、とりあえず生命の危険はないし、近くに人家もないので第三者に迷惑をかける心配は少ないだろう。

私自身、積極的な殺処分をしたいとは思わないが、まだ生まれたばかりの子猫だからどれだけ生命力があるかは判らない。今ならまだ元気なので、運が良ければ自分自身で生きていくことはできるだろう。

これで一件落着かと思っていたら、翌日に物置をチェックすると再び荒らされている。塞いだはずのガムテープも突破されていたのだ。どうやらいなくなった子猫を探して親猫が物置に侵入したらしい。

これからが最後の戦いだ。親猫も駆除しなければ半年後には再び子猫を生むことになる。裏の家が保護し、避妊手術することなどは期待できないのだから、完全駆除を目指すことにした。

翌朝、再び物置に侵入していることを確認し、出入り口前にさらに大量の粘着シートを敷いておくと、早速引っかかった。しかし、さすがに体力のある親猫は粘着シートを身体に付けたまま、隣家の床下に逃げ込む…。

こうなると捕獲は難しいだろうと考えていたら、民生委員だという方が保護したと言ってきた。どうやら、この人自身は裏の家の人と違い、迷惑していたらしい。ケージに餌を入れておいたら簡単に捕まえられたが、処分は私に委ねるという。

早速、ケージごと預かり、子猫たちを放した藪に連れて行き、扉を開けると脱兎のごとく逃げ出した。これで、ようやく一件落着だ。

それにしても、猫の放し飼いや野良猫への餌付けは本当に迷惑だ。

今回の一件で、裏の家は子猫のうちの1匹を正式に飼ったことになる。もちろん、今後放し飼いをすることは許さない。あらためて念を押した上で、今後迷惑を受けた時は、今回の費用も含め、請求することをきっちり伝え、我が家の猫騒動はとりあえず終わりを告げた。

子猫たちは我が家にとっては加害者だったが、ある意味、不幸な被害者でもある。

猫を飼うことが悪いのではない。放し飼いにしたり、野良猫に餌付けするだけの無責任な愛猫家が不幸な子猫たちを作り上げたのだ。

なお、私自身は猫が嫌いなわけではない。自分自身で飼うことはないが、友人が屋内で飼っている猫は可愛いし、餌をあげることもある。嫌いなのは、無責任な飼い方をする似非愛猫家たちなのだ。

野良猫に餌を与えること、飼い猫を放し飼いすることは褒められない。誰もが猫好きでもないし、嫌いでなくても迷惑を受けない権利はあるのだから・・・。
迷惑な猫は駆除されても仕方がない。可愛い、可哀相だという気持ちがあるのなら、室内飼いするか、屋外に出す時はリードを付け、自宅敷地外に出で他人に迷惑をかけることのないようにすべきなのだ。


出典:猫に罪はないのに
リンク:バカ愛誤のせいで大変な目に遭って可愛そう…

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