生きていてくれて、ありがとう

2012/08/20 18:58 登録: 痛(。・_・。)風

私はじいちゃんが世界で一番好きです

じいちゃんは炭を作る職人でスゴくてなんで知ってて色々できる自慢のじいちゃんでした

小さい頃から共働きで忙しい親の代わりに、いつもじいちゃんとばあちゃんが面倒を見てくれてました。

私はいつもコタツに入ったじいちゃんの足の間にスッポリ入ってテレビを見てました。
自転車を教えてもらったのもじいちゃんだし竹馬とか竹トンボ作って遊んでくれたのもじいちゃん、名前の書き方を教えてくれたのもじいちゃん。

学校に行くときとか遊びに行くときとも送り迎えはいつもじいちゃんでした。

何を言っても怒らないしワガママすべて聞いてくれた
欲しいものも全部買ってくれた

じいちゃんに怒られたことは一度もありませんでした。



小学校5年の時
じいちゃんは心臓を悪くして入院しました。

私は軽い病気と聞いてましたが
手術の成功率は30%しかなく
医者にはお葬式の準備をしとけと言われたらしいです

手術室に入るとき私が心配そうに見てたら
笑いながら
「大丈夫だよ」
と言いました。


6時間にわたる手術が終わり、病室に行くとじいちゃんは元気そうにしてました。

起き上がって笑いながら話し掛けてくれました。

ホントは絶対安静で起き上がっちゃダメなのに…

管とかいっぱい通されて痛いだろうに…

心配かけたくなかったんだね


しばらくしてじいちゃんは無事退院しました。

それからはじいちゃんを大切にしようと思いました。




中学校にはいるころ
私は反抗期に入りました

親とうまくいかなくて
学校でも色々あり毎日が辛かったです

じいちゃんにも冷たい態度をとるようになりました。


送り迎えしたり笑って話し掛けてくれたり心配してくれてるのに
うるさいと言ってあしらったりしてました。

すべてが思うように行かず、ダメだと思いながらも反抗的になってしまい
自分で言ってるのにじいちゃんの悲しそうな顔を見ると涙がでそうになりました。


じいちゃんには親以上に手を掛けてもらってました。

じいちゃんが一番自分を見ててくれてる自覚もありました。


またしばらく経ち
中学2年生になった時
私は課題で出た作文でじいちゃんに向けて
「生きていてくれて、ありがとう」

という作文を書きました。

いつも冷たい態度ばかりで感謝の気持ちを一つも伝えてなかったから。

今までの感謝の気持ちをその作文にすべてのせました。

その作文はクラスで選ばれ
文化祭で読むことになりました。


だから絶対聞いてほしくてじいちゃんを文化祭に呼びました。

作文を読んでる時、泣きながら聞いてる人もたくさんいました。

その作文は最優秀賞にも選ばれました。

だけどじいちゃんはその日、具合が悪くなり文化祭に来てくれませんでした。

とても悲しかったのを覚えています。

病院も休みだったらしく家で寝てました。
仕方ないから明日聞かせようと思い私も寝ました。


朝、騒がしくて起きると救急車が来てました。

私はびっくりしました


じいちゃんの傍に行って、大丈夫?と聞くと、じいちゃんはやっぱり笑ってました。

心配ながらも別に大丈夫だろうと思い私は母と出かけました。

だけどお昼くらいになり病院から電話がきて、じいちゃんの具合がよくならないとのことで 病院に向かいました。

病院に行くと親戚が皆集まってました

集中治療室では看護士さん達に囲まれて心臓マッサージを受けるじいちゃんの姿がありました。

ピクリとも動かない姿をみて私は怖くなりました。

あのあと救急車の中で心臓が止まり、ずっと意識が戻らないとのことでした。

4時間以上心臓マッサージを続けていたため胸の辺りはへこんでました。



仕事の父が病院へついたときに
心臓マッサージが終わりました。

生きていても植物人間ならもういかせてあげようと思ったのでしょう。


10月19日 12時30分

文化祭の次の日
私がやっと気持ちを伝えようと思った日



じいちゃんは静かに眠りました




まだ何も伝えてないのに



ありがとう

それだけでいいから伝えたかった



作文はお葬式の日に読んで、棺桶と一緒に燃やしました。






私は今
高校生になりました。

でもじいちゃんを想うたび涙が出ます。
じいちゃん
と呼ぶだけで涙がでる

自分がどれだけじいちゃんにお世話になってたか…

なぜ変な意地をはり
感謝をしなかったのか

悔しくてなりません

色々曲がってしまい、学校にもいかなかったりしたけど
これからはじいちゃんが言ってたように
前見て立派に生きようと思います。

私も自慢の孫になるから

だから見ていて下さい






長文失礼しましたm(__)m

最後まで見てくださりありがとうございました。

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