国王は女子供に魔王討伐を命じるそうです・小話
2012/10/11 00:20 登録: えっちな名無しさん
ゾーマ戦を前に、一度自身を鍛えなおす必要がある
勇者の援護に回るようになってから本当にそう感じた
一人で何処まで強くなれるのだろうか、という漠然とした不安もあるが、
今のままLvを上げてもあまり成果もないだろうとキメラの翼でダーマ神殿に向かった
何故か盗賊がいた
いくら出番がないからって俺の前に出てくるのは正直どうかとも思うが
一人でLv上げするよりかはいいだろう、とPTを組んだ
酒場非公認だが大丈夫だろうか……
盗賊「武道家ですか」
力と体力を鍛えなおす必要があるからな
そもそも装備差があるにしても、あいつより攻撃力が低いのは不味い
盗賊「男の方って変な所で拘るんですね……」
それもあるが、俺が回復に回っても素早さの関係上、デメリットでしかないからな
しばらくはパワーベルトでの生活になるな
ほどよくLvも上がり、塔に移っての鍛練となった
メタルスライムが倒せれば大喜びだ
が、現実はそう甘くないし、中々出現もしない
どうでもいい魔物ばかり出現する
どうせならスカイドラゴンとの連戦で、命の木の実を集めたい所だ
Lvが20になったのはいいが、このまま転職するのは不安が残る
盗賊に申し訳ないが、しばらくは武道家のままLv上げを手伝ってもらう事にした
だいぶ金も貯まってきたので、一旦アリアハンに戻る事に
正直、だいたいの装備が揃っている今、あまり使い道がないだろうが
酒場にある銀行で金を預けている時、珍しい人物が目についた
武道家PTの一員だった賢者だ
……
どう考えても、自分の姿は皮肉にしかならないだろうな
賢者「……俺への当てつけか?」
いや、ただの偶然だ
というか生きていたんだな
賢者「仲間が死んだからといって後を追いかける訳にはいかないだろう」
賢者「お前はお前で何があったんだ?」
ついに嫌気が差したか?と聞かれた
失礼にも程がある奴だ
賢者「なるほど。だが、それならそれでもっと早い段階で性格を変えれば良かったろうに」
……
ああ、俺もそう思う
盗賊「なんですか、今の間は」
俺の事はいいとして、あんたはどうしているんだ
というか、できる事なら一緒にPTを組まないか?
賢者「何の為にだ?」
全体攻撃力が乏しいから
賢者「もう少し本音を隠す意思はないのか……?」
何だかんだ言って、賢者がPTに入る事になった
PTリーダー不在により、実質完全な解散状態らしく酒場公認のPTが組めた
よって、今現在女勇者のPTの冒険者リストに賢者の名前が載っている
賢者「それでこれから何処でLv上げをするんだ?」
賢者がいるんだったら、もっと強い敵を倒すのもありだが
報酬も無しに手伝ってもらうのも悪いし、しばらくレイムアイランドに篭るか
盗賊「すっかりこの気候になれちゃいましたね」
連日、ここで過ごしているのだからいい加減慣れもするだろう
が、十何日と篭るのも流石に飽きてくるものだ
賢者「そもそも、何でこんな所で戦い続けるんだ?」
不思議な帽子について知らないらしい
サプライズの為にも黙っておくか
賢者「緩く戦うつもりなら抜けるぞ」
さよならサプライズ
キメラの翼を使いアレフガルドへと飛んだ
全力でスクルトとバイキルトをかけて貰い
周辺には大魔神だった岩の塊を量産していった
そろそろ締めるか
これで四万か
盗賊「痛恨の一撃さえなければ、もっと落ち着いて戦えるんですけどね……」
本当にそうだ
だが、生物の魔物じゃないだけよしとしよう
賢者「……恐らく町にも入れない姿になっているだろうな」
全員装備がどす黒い赤か……
大魔神と戯れるのも飽きてきたので、ゾーマ城に篭る事にした
久々に盗賊の盗賊らしい出番となった
まさか、ダメージ床にメダルが落ちているとは思いもしなかった
盗賊「勇者さんから聞いたんですけど、武道家さんは落ちているアイテムを一人で見つけ出すんじゃ……」
賢者「お前、元は盗賊だったのか?」
いや、戦士と武道家しか経験が無い
盗賊「で、でも、祠に落ちているメダルや花壇に埋まっているメダルも見つけるって……」
賢者「お前、何者なんだ?」
何だその疑いの眼差しは
Lvを上げている最中の事
何時の間にか、盗賊がバルログから不思議な帽子を盗んでいた
当の盗賊も盗んでいた事に気づいていなかったらしく、休憩中に道具を整理していたら見つけた
シーフというよりローグのようだ
羨ましいな、攻撃しながら盗める奴は
本当についでで手に入ってしまったが、賢者に感謝の気持ちを込めて不思議な帽子を渡した
素っ気ない一言で受け取ったが気に入ったらしく、早々とヘルムから帽子に装備していた
賢者がドラゴンゾンビに殴り殺された
だいぶ倒したな
戦闘をメインにLv上げをしていない分、盗賊がいっぱいいっぱいの様子
少し休むか
盗賊「す、すみません……」
気にするな……というか、冒険者として登録したとは言え、勇者よりも年が下なんだよな
きつかったら遠慮なく言うんだぞ
盗賊「ありがとうございます……。何か、武道家さんってお兄ちゃんみたいですね」
それ、勇者にも言われたな
賢者「弟か妹でもいたのか?」
いた
盗賊「え、過去形……あ、すみません……」
気にするな
もう、昔の事だ
生まれがテドンだったんだ……仕方が無い事なんだ
賢者「生き残りがいたとは……だが、どうやって?」
生き残りとは言い辛いな
キャラバンに紛れて旅に出ただけだ
しばらくして、故郷が滅んだ知らせを聞いた時は何とも言えなかったがな
だいぶ強くなったな
賢者「何だ?そろそろ、あの女のPTに戻るのか?」
……こいつ、勇者のPTに登録し直されているのに気づいていないのか
しばらくは黙っておくか
いや、戦士に戻る
盗賊「……そこに固着するんですか」
殴るより、斬る方が性に合っているからな
転職前と比較すると……
力 178→237
素早さ 61→182
体力 179→241
賢さ 46→ 53
運 71→109
HP 361→452
まあまあか?
後は転職後の伸び次第だな
……しばらくぶりに勇者の顔を見た
別れる前のステータスと見比べているのか、口を開けたまま眼を見開いている
そんなに凄いだろうか?
見比べているステータス表を覗き見る
だいたいのステータスが1.5倍になっている
俺も開いた口が塞がらなかった
戦士が仲間になった!!
出典: 国王は女子供に魔王討伐を命じるそうです・小話
リンク:http://page.freett.com/deserted/vip_dq3_2.html

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