小野正利さんのボイス・トレーニング

2012/11/26 18:06 登録: えっちな名無しさん

編集元:高い声を出せない人が頑張るスレ Part25


レポートを書いてくれた人(249氏)と2ちゃんねる住人に感謝。

追記:見やすくするため、改行などを追加してみました。

110524追記:中級者向けカラオケ上達の5つのヒント:呼吸法、音程、フレーズ、リズム、そして選曲! - かっこいいタイトル考え中。

を書いてみました。参考になれば幸いです。



256 名前:249[sage] 投稿日:2009/09/08(火) 21:03:40 ID: ZVWMIGCV

ボイトレ行ってきたよー




まず順番としては

1簡単な質疑応答

2.一曲歌を聞いてもらい、それに対する評価

3.短所を修正するための具体的なトレーニング

だった




1.は10分くらいだったかな

まずボイトレを受けた理由を聞かれた。

俺は「高い声で歌いたい」「声を枯らさずに長時間歌っていきたい」くらいしか考えてなかったけど、

それを伝えたら「それは良い目標ですが、まだ漠然としていますので、これから私の質問に答えていってください」と言って、最も尊敬する歌手(T.M.Revolution)、歌いたい曲の中で一番高いと思う曲(飛べない鳥)、最低でもボイトレを受けたいと思う期間(6ヶ月)などいろいろ質問された。

()内は俺の回答




2.は、予め好きな曲のCDを用意しておくように言われてたので、

それを流しながら一曲歌った(ちなみに俺が選んだ曲はコブクロの桜)




これは先生の前で直接歌ったせいでめちゃくちゃ緊張したよ

その後歌の長所と短所を言ってくれたけど、さすがプロの耳と言うべきか、

終わりが来るのかと思うほど多種多様なことを言われたw




257 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/08(火) 21:08:58 ID: ZVWMIGCV

3.でいよいよボイストレーニング




まず俺は裏声の出し方が分からなかったから、小野さんに言われた通りに口の形、舌の形、喉の状態を調整




そのまま蚊の飛ぶような声で「あ〜」と言ってたら、突然あごを持ち上げられ、お腹を手で圧迫されて、その瞬間ビックリするほど強い裏声が出た。マジパネェっす




最初にこれをやった後は、理論の説明と実践を交互にやり、腹式呼吸のやり方、喉に負担をかけない発声、自然に地声と裏声を行き来する練習をやらされた




まだまだ初歩的なことだけど、ビックリするほど次々と新しい発声が出来るようになって、数十分のボイトレでコイキングからギャラドスに進化した気分になった




ちなみに、高い声を出す方法について、「チェストボイスの音域を上げるか、ミドルボイスとヘッドボイスを習得してチェストボイスと繋げるかのどちらかが必要になってくると言う見解が一般的だが、最終的にはどっちもやることになる」と言ってた




ミドルボイスについては、「これはコツさえ掴めば誰でもすぐに出来るようになる。

コツが掴めないとどんなに歌が上手くても一生出来ない」と断言された




「閉鎖筋と輪状甲状筋を鍛えてから両者をバランス良く働かせるって言う発想が主流だけど、普通に考えてバランス良く働かせるだけなのに筋肉の強弱が問われるわけはない」と言っていて、俺も正しい発声が身に着いたらすぐミドルボイスの練習に移ることになるらしい




「もちろん閉鎖筋と輪状甲状筋が弱いままでのミドルはとても頼りないものだけど、一人で歌う分にはその辺り思い切っちゃえるでしょう?声が使い物になるかならないかより、高い声を出せるようになったと言う喜びの方がずっと大きいはずなんです。特に高い声が出なくて長年悩み続けてきた人は」とのこと




258 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/08(火) 21:19:17 ID:2nXeWZho

>普通に考えてバランス良く働かせるだけなのに筋肉の強弱が問われるわけはない

俺弓場信者だけどここは確かに常々疑問に思ってた。筋肉鍛えるトレーニングじゃなくて、神経系を働かせる練習こそ

重要ってことだよね。




レポありがとう!




259 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/08(火) 21:21:06 ID: ZVWMIGCV

時間終了後に少し空き時間があったので、軽く雑談をしてくれた




ここで小野さん自身がYou're the Only…とStruggle for The Freedom Flagのサビだけを歌ってくれたけど、どう考えても40代とは思えない歌声だった。声の迫力がCDやライブとは桁違い




つーか、喉の筋肉が人間のものとは思えない。プロレスラーの腕みたいにごつくて、音程が大きく変わる度にゴモゴモと動いてた




補足として、「常に自分に自信を持っていることは、歌の実力を大いに引き上げてくれる」と言ってた

自分の容姿への劣等感は良くない

過去に眼鏡をかけている人が、コンタクトに変えただけで声が明るくなった事例があるらしい

髪型、服装、立ち振る舞いなんかも、ちょっと意識するだけでだいぶ変わるんだと




あとは気分も浮いてた方が良く、カラオケ以外に不安なことや気にかけてることが多いとそれだけ声が暗く、刺々しくなる

もちろん「この歌のあそこの部分難しいんだよな…」「うわ、音程ミスった。やべぇ」なんて考えも排除した方が良い




そしてそういう不安材料を出来るだけ排除するために、「歌は自分のために歌え」と言うことをかなり強調してた

プロでもアマチュアでも「有名な曲を」「原曲のキーで歌える曲を」と言った感じで好きでもない曲を無理に覚えると、歌った時にそれが分かるんだそうだ




俺が2.の時に歌った「桜」についても、「好きな曲であることは確かだけれど、『どんな曲でも構いません』って言う注釈があったら違う曲選んでたでしょう?」

とあっさり見破られたw




ことさら「聴かせる技術」なんてものは、テクニックや表現によって得るものが3割、

好きで好きで溜まらない曲を夢中で歌うことで、自然と湧き出てくるものが7割




カラオケでも、そこまで歌が上手くないのに、聴き手を感動させようとナルシストぶると、返って引かれる事が往々にしてあると言ってた(ここはちょっと思い当たる節ありw)




260 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/08(火) 21:26:33 ID: WSbEJrAe

レポ乙です。こんなの見ちゃうとボイトレ行きたくなるじゃないかw




261 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/08(火) 21:30:10 ID: +dVVRY65

文面だけでなんだかやる気が出てくるぜ。ありがとう。




262 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/08(火) 21:35:52 ID: ZVWMIGCV

最後に小野さんの意見も一つ聞かせてくれた↓




トレーニングを受けに来る人のほとんどは高い声を出したい一心で自分の元に来る

高い声を出せることが第一で、上手くなることは二の次って言うのが本音の人もわりと多い




でも、実はあなたが高い声を出せるようになったからと言って、それが必ずしもあなたにとって魅力的な声になるとは限らない

人によって得意な音域は生まれつき決まっていて、歌手の多くはその音域をメインにして曲を作っている

自分も声域としては4オクターブ以上出せるが、それらを目一杯使うようなことはない




あなたがあくまでも「カラオケで上手に歌いたい」のであればこれは深く考えることではないけど、プロを志している人達にはこのことを強く言って、「音域拡張は魅力的な音域を探すための作業」と言い切るようにしている




ちなみにこのことについて、低音歌手は寺尾聰、高音歌手はマイク・マティアビッチを絶賛してた

特にマイクについては「あの人こそ才能の塊ですよね。他のどんな才能に恵まれた人でも彼は超えられなかったわけですし、多分これからも(マイクを超えるハイトーン歌手は)出てこないんじゃないかなぁ」とまで言ってた

やっぱりマイクは凄すぎるよね




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レポは以上です。

来週も行く予定なので、何か代理で質問して欲しいこと書いてくれれば次回質問してくるけど、何かある?




303 :選曲してください[sage]:2009/09/14(月) 21:14:08 ID:9KPr7QFG

レポ遅れてごめん

書き上げるのに時間かかっちまった




今日は一番最初にフライ音(桶板で言うエッジボイス)の練習をやらされた

どうも、これは喉の調子を見るのに一番適したトレーニングらしい




小野さん曰く

「あなたはすでにエッジボイスと言う名でこのフライ音のトレーニングをしているようですが、

たまにフライ音を出そうとしても、上手く出ないことがあったりしませんか?

いつもより鋭く鳴らなかったり、水が混ざってべちゃべちゃしたような感じになったり…

もしそうなったら、その日はボイストレーニングを休んでください




と言うのも、声帯や喉の筋肉はとても小さく繊細なものなので、

正しいトレーニングを行ったとしても少しずつ疲労が蓄積していってしまうものなんです

その疲労が最も反映されやすいのがフライ音とされており、

これが上手くならないままトレーニングをしても良い効果は得られません




出来れば、トレーニングをする前には必ずフライ音を出して、もし上手く出せなかったらその日は喉を休めることをお勧めします

ただし、筋肉が眠っているだけと言う可能性もあるので、寝起き3〜4時間ほど経過してから、10秒間くらいは試してみてください」




俺はボイトレに行く前日は喉を休めるように言われてたけど、

要は万全の状態でボイトレを受けるためだったのね




304 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/14(月) 21:15:54 ID: 9KPr7QFG

フライ音が終わったら軽いウォーミングアップを行い、次に高音発声のトレーニングに入った

これは音域を拡張して高い声を出すことではなく、今のままで少しでも高い声を出すことを目的としたトレーニングだそうだ




それには横隔膜を活性化させる訓練が必要で、一番理想的なのは腹筋に思いっきり力を入れて声を出した状態

ただ、それではすぐに腹筋に疲れが出て、長時間の歌には向かない

だから腹筋に力をあまり入れなくても、最大限力を入れたときと同じくらいの効率で横隔膜を動かせるようにする必要がある




そのトレーニングがこれ↓




1.腹筋に思いっきり力を入れて息を吐ききる。体がブルブル言ってもう無理な状態になるほど全力で吐く

2.次にお腹を元に戻して肺に空気を入れる。この時、息を吸うと言う感覚は一切持たない。お腹を戻すと言う意識だけ

3.今度は地面に寝そべり、1.をやりながら足を0度から90度まで上げる

4.そのまま2.をやりながら足を戻す

5.一番下の肋骨のすぐ下をタオルで縛り、最低限の腹筋の力で深い腹式呼吸をする




これを繰り返すことで横隔膜(正確に言えばそれを動かす筋肉)が活性化する

ストレッチみたいなものなので、すぐに効果が出るし、続ければその効果はどんどん上がっていく

理想的な時間は、筋肉がほぐれている風呂上りに5分ほど




305 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/14(月) 21:16:46 ID: 9KPr7QFG

また、高音を上手く出すには声を当てる感覚も大事で、




超低音→口から出さず胸だけで響いている

低音→口から出て斜め下の方に声が下がっていく

中音→まっすぐ前へ伸びていく

高音→喉の奥から鼻の方へ響いていく

超高音→喉の後ろの方を通ってまっすぐ上昇し、そのまま頭から抜けていく




この感覚を保つとそれぞれの音を出しやすく、響きも付けやすい

ただ、この感覚については

「感覚を頼りにしたトレーニングは人によって効果が違います。

同じ様な声を出していても、体の感覚と言うのは人それぞれです

が、もしも私の感覚とあなたの感覚が一致すれば、この感覚論によるトレーニングはとても効果があります

しかし私の言っているイメージが分からない、実際声を出してもそんな感覚は沸かないと言うのであれば、

すぐに言ってください。この方法は中止しましょう」と言ってた




306 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/14(月) 21:18:08 ID: 9KPr7QFG

次に鼻声修正のトレーニング↓




1.鼻を摘まんで「あー」と出す

2.ハミングで「んー」と言い、そのまま口を開く

3.天井を真っ直ぐ見つめて「あー」と出す

4.地面を真っ直ぐ(ry

5.壁を(ry




この5種類を試すと自然に適切な鼻腔共鳴が得られる

ただし感覚を忘れてしまうと駄目なので、これも出来れば毎日5分間でも良いので継続してやり続けることが望ましい




主なトレーニングはこの3つだったな。

後は俺が決めた課題曲(桜)を今までのトレーニングを思い出しながら歌って、発声を仕上げた




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最後10分ほど時間が余り、そこで質疑応答やこれからのトレーニングの予定などを話してくれた




次回のボイトレで本格的に上半身の力み癖を取り、成功したらいよいよミドルの練習に移るようだ

ただしミドルの発見は運要素が大きくて、小野さんの手を借りてもいつ目覚めるかは分からないらしい

早ければ一瞬、遅ければ一生。でも今までで一番時間がかかった人でも4ヶ月で見つけられたとのこと




ちなみに先生はミドルの重要性を車のギアに例えていた↓

「1、2足か4、5足でしか走れない車に3足で走る機能を付け加える。

これだけで走るのがとても楽になりませんか?

2足で走ろうとすれば車に大きな負担を与えてしまうし、4足で走ろうとすればとても頼りない、弱々しい走りになってしまいますよね

3足で走る時間は短いけれど、それがあるだけで低速から高速までをスムーズに走ることが出来るんです」




307 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/14(月) 21:27:29 ID: 9KPr7QFG

以下は質疑応答。2ちゃん見て疑問に思ってたことをいろいろ聴いてみた




Q.発声の筋肉の「超回復」って言うの見たんですけどあれって可能なんですか?




A.理論上は可能ですよ。

ただ、超回復と言う方法が一つのボイストレーニングとして成立するほど、

歌に使う筋肉、言い換えれば発声法の研究は進んでいないので、現実的にはまだまだ無理ですね

それこそ昔の人が何人もの命を犠牲にしてフグの食べて良い部分、悪い部分を探したように、

何人もの喉を犠牲にして喉に掛けて良い負荷、悪い負荷を探さなければなりません(笑)

それでも喉の耐久性はかなり個人差があるので、安定した結果を出すのは難しいでしょう




Q.一度付いた癖を直すのって凄く長い時間がかかるって聴きました

特に力み癖はとても直しづらいようなのですが、次回のボイトレだけで直せたりするんでしょうか?




A.大丈夫です。今までの生徒さんもあなたと同じくらい力み癖が付いてましたが、

私の場合はまず「力みようのない発声」をさせるんです

それを長く続けることで、いずれ体が力み方を忘れていて、二度と声を枯らすことがなくなると言うのが理想です

そこにミドルボイスが加われば、その理想はますます現実の方へ近づいてきます




Q.歌手の中でも歌い方に癖があって、時には「これって喉に悪いんじゃないかな」と思うことがあるんですが、

プロでも悪い癖を身に着けていることはあるんでしょうか?




A.「ある」どころか「全員そう」ですね

でも私の考えとして、良い癖、悪い癖と言うのは自力で調節出来るものではなく、

歌を上手く歌おうとする心から自然と生まれてくるものだと思うんです

なのでどんな歌手を見てても、粗探しのつもりで聴いてれば少なからず悪い癖は見つかるものなんですよ

要はその悪い癖をいかに良い声に変換するか、それを探すことの方が大事だと思います

プロはきちんとその辺りを考慮している方が多いのです。

それを踏まえても「この発声はちょっとなぁ」と思うことはあるんですが…




308 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/14(月) 21:32:15 ID: 9KPr7QFG

Q.歌に才能はなくて、練習すればオペラのような歌い方も、ヘヴィメタルのような歌い方も出来ると聞きましたが、

これは本当なんですか?




A.いや、出来ない人には出来ませんよ

歌はスポーツの一種とよく言われますが、全てのスポーツに生まれながらの才能が関わってくるように、歌でもそれは大きな要素になります




日本のボイストレーニングでは恐ろしいほど「個人差」と言う点が軽視されていて、安易に「誰でも好きな歌を歌えるようになる」なんて宣伝する人がいるけど、あくまでも先入観を取り払った上で話をすると、これだけ声帯の長さ、声道の長さ、体格、骨格、声質、容姿、性格などの生まれつきの要素が歌に絡んでくると言うのに、その中で個人差が出ないわけがないでしょう

練習では決して埋められない溝と言うのは必ず見えてくるものなんです




ただ、その人にとって「世界一」と呼べるものがあるとすれば、それはその人の声を出すと言うことです

プロがあなたの声質を羨ましがることだって十分考えられるわけです

もしそれを効果的に伸ばすことが出来れば、世界一歌の上手いプロでも、あなたの声をあなた以上のクオリティで出すことは出来なくなりますよね




本当のボイストレーニングと言うのは、才能の差を埋めることではなく、自分しか持っていない才能を伸ばすことで、自分に自信を持てる地盤を作ることだと思っています




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今回のレポートは以上です。次回はシルバーウィーク明けになります。ミドル練習が待ち遠しい




359 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/25(金) 21:45:03 ID: TY+r1IAq

荒れ気味だけど空気読まずレポ投下




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今日は力み癖の修正に時間を費やしたのでいつもより短め




力み癖を修正するために、まずチェストの最高音を知らないといけない

その調べ方として、まず高い裏声を出して徐々に下降させていく

それが換声点を過ぎてチェストに切り替わった瞬間の高さ、これが力まず出せるチェストの限界音らしい

これより高いとどんなに発声が良くても、次第に力みが生じてくるし、これ以下の高さで力みが生じるようなら発声に難ありと言うことになる




そんなわけで、まずはチェストのロングトーンの練習を繰り返し行った

超低音からギリギリの範囲まで音を上げていくトレーニングや、息漏れを生じさせた軽いチェストボイス、めちゃくちゃエッジをかけたチェストボイスなども取り入れた




あと発声する時の姿勢は、壁を背にして立ち、かかと→尻→肩→頭の順で壁に付けていくと理想的なものになる

それに加えて目線はちょっと上、膝を軽く曲げて胸を張る体勢にすると腹式呼吸の手助けになる




20分ほどかけてついに力まずmid2Fまで発声することに成功




「基本的にこれより高い音はミドルボイスで出すことになります

練習次第でミドルの最低音を伸ばすことも出来るので、そちらも視野に入れていきましょう」とのこと




360 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/25(金) 21:47:45 ID: TY+r1IAq

そして後半30分、ついにミドルの練習に入る…と思ったらまだ下準備の段階だった




まずミドルボイスを手に入れる前にヘッドボイスを使えるようになると凄く有利らしく、最初にその練習をやらされた

「ヘッドはミドルより遥かに簡単で、コツを掴むまでもなくちょっとした方法ですぐ習得出来ます

ボイトレを日常的にやっている人だと無意識の内にヘッドを身に着けていることも多いです

ただそれがあまりに弱いヘッドであるため、ほとんどの人は「ファルセットから息漏れをなくしたもの」くらいにしか認識していません」とのこと




ヘッドの見つけ方は、




1.非常にゆっくりした息吐きトレーニングを行い、出来れば30秒以上は伸ばせるようにする(俺の記録は46秒)

2.チェストのロングトーンを、息吐きトレーニングの7〜8割ほど伸ばせるようにする(俺の記録は35秒)

3.高い裏声を低くしていき、換声点を過ぎてチェストになった瞬間すぐまた音を上げて裏声に切り替える




ここの3.が上手く行くと、換声点を通り過ぎて裏声に切り替わった瞬間にヘッドボイスになるらしい




なお、高い裏声→地声→すぐ裏声と言う流れが重要らしく、

めんどくさがって換声点付近を行き来するだけのトレーニングにしたりすると効果は出ないと言われた




でも3.をやったからと言って一発でヘッドになるわけじゃなく、

「もう1回トライしてみましょう」

「裏声もあくまでしっかりした閉鎖、つまりチェストボイスの感覚のまま出してください」

「換声点で『軽く明るい声』を意識するのは良くありません。逆に力を入れるくらいの気持ちでやってください」

と言われながら何度か再チャレンジさせられた




7〜8回目で今までの裏声と明らかに質の違う声が出て、

「OK、それがあなたのヘッドボイスです」と言われ、晴れてヘッドボイスデビュー




まだ裏声出せて2週間なんだけどな…たったこれだけでヘッドに行き着いてしまった

でも確かにこれだと「上手く息漏れのない裏声が出た!」くらいにしか思わないかもしれないな




361 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/25(金) 21:56:46 ID: TY+r1IAq

これで本日のボイトレ終了

次回からミドルの練習に入り、手順としては

1.チェストとヘッドを行き来してミドルを発見

2.チェスト→ミドル→ヘッドをある程度自然に繋げる練習

3.チェストによる閉鎖筋、ヘッドによる輪状甲状筋の強化でそれぞれの声を鍛え、低音から高音までを一体化させる

と言った感じで声を鍛えていき、3.を終えた時点でようやくしっかりしたハイトーンボイスが身に着くそうで

しかもそこに行き着いたらさらにその上があるらしく、まだまだ道のりは長そうだ




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あと、金と手間と時間を惜しまない人への助言をもらった




「まず、ライブだとあまり歌が上手くないと言われている歌手のライブ映像を見ます

次に、それをCDと聴き比べてください

そうなるとやはりCDの方がずっと上手いわけですが、それを逆に見ると、

『どういう点に気を付ければ上手に歌えるのか』がよく見えてきます




わりとボイストレーニング歴の長い人でも、これをやるといろいろ新しい発見があったりするのです

もちろんCDですと録り直しや編集・加工が利くのでその点でも差は出てくるわけですが、

それを差し引いても発見出来ることは多いと思います。出来れば口の動きや表情なども参考にしてみましょう」




Q.なるほど、何かお勧めの歌手などありますか?

A.陰口を言うようであまり教えたくないのですが(笑)

 そうですね、(´・ω・`)ショボーンや(゚д゚)マズーや(`ェ´)ピャーなどは特に参考になると思います




362 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/09/25(金) 21:58:09 ID: TY+r1IAq

最後に、小野さんがYUBAメソッドのこと知ってるみたいだったので一つ質問してきた




Q.息漏れのある裏声がファルセットだとすると、息漏れのない裏声はヘッドになるんでしょうか?

A.いいえ、どれとも言えません

そもそもあれは「混ざり声」と言う一つの声で低音から高音まで全てを担当すると言う理論であって、高さに応じてチェスト→ミドル→ヘッドと声区を変えていく三声区論とは根本的に考え方が異なるものです




従って表声、裏声と言うのも決してチェスト、ファルセットへと単純に置き換えられるものではありません

あのメソッドにより、ミドルを扱うための下地は身に着けられるにしても、それにおける「混ざり声」は決してミドルボイスとイコールで結び付けられるわけではないのです

「息漏れのない裏声」も同様で、三声区におけるどの声にも置き換えられないものですね




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本日のレポは以上です

次回はいよいよミドルの習得になるっぽいので今からwktk







496 名前:いい加減レコーダー買おうかな[sage] 投稿日:2009/10/12(月) 11:02:26 ID: /GbGOkUu

ようやくレポ完成




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今回は軽い発声練習の後、いよいよミドルボイスの練習に入った。




その内容だけど、まずチェストが裏返った時にファルセットではなくヘッドに移るように練習をした

感覚としては強いエッジをかけたチェストを出して、裏返る時にそのエッジが解けないように少し力を入れたまま裏返らせると、ヘッドになりやすかった




その後以下の音階練習




・チェストで「ギ」の音をスタッカートで出す

・徐々に高い音に移っていき、換声点でヘッドに切り替える瞬間に「ヒ」の音に切り替える

・そして再び低い音に移っていき、つまりチェストに戻る瞬間に「ギ」の音に戻す




「ギ」は閉鎖筋がとても強く働く音なので、これをチェストで発声すると強い閉鎖が生まれる

そして「ヒ」は輪状甲状筋が活性化する代わり、閉鎖筋は働きにくくなる

ミドル時はヘッド時より弱い閉鎖が必要になるので、閉鎖が緩みやすい「ヒ」を用いる




スタッカートで練習するのは、音と音の間で一瞬息を止めることで、完全な声帯閉鎖が作られるから(つまりミドル発見の手助けになる)




スタッカートでミドルを見つけたら(俺はまだだけど)、今度はロングトーン状で同じ練習をし、チェスト、ミドル、ヘッドを滑らかに繋げる練習をする




その段階になったら、いよいよ3つの声を強化する段階に入り、チェストで閉鎖筋、ヘッドで輪状甲状筋を鍛えるらしい




暇があったら普段から練習してて良いと言われたので、明日から頑張ります。




497 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/10/12(月) 11:04:03 ID: /GbGOkUu

ミドルの練習に15分を費やし、「今日はこれくらいにしましょう」と言って終了

ここからチェスト音域を伸ばす練習に入るけど、

会話そのまま抜粋して行った方が分かりやすそうなのでそうする




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小野さん(以下敬称略)「現在あなたはチェストとヘッドを使えるようになりましたが、

運が悪いとミドルを見つけるまでに時間がかかってしまい、その間高い曲を全く歌えないと言うことになってしまいます。

それを少しでも避けるため、今あるチェストボイスで少しでも高い声を出す練習をしましょう。




重要になってくるのは横隔膜です。前々回に横隔膜の活性化トレーニングをしましたね。

あれを毎日やると自然と高い声が出やすくなってきますが、あれは『高音時に横隔膜を活性化させる』と言う信号を脳に送り、それを記憶させる作業なので、効果が出るにはなかなか時間が掛かります。

ですので今日は即効性のある活性化トレーニングをしようと思います。




慣性の法則と言うのは知っていますか?

物体がその場所に留まろうとする現象のことですね。

車が前に進むと後ろに引っ張られるような感じになるのは慣性の法則によるものです。




しかし横隔膜と言うのは不思議なもので、原理は未だ解明されてないんですが、

この慣性の法則とは全く逆の動きをするんですよ。




つまり体が上に行くと上に、下に行くと下に下がるんですね。

横隔膜を上に上げるには、体全体を上に上げれば良いんです。今日はこの法則を使います。」




498 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/10/12(月) 11:06:27 ID: /GbGOkUu

俺「つまり体を浮かせて横隔膜を上に押し上げてやるんですか?」




小野「そう、その通りです。ところで○○さんは格ゲーと言うのはやったことありますか?」




俺「あー、ストリートファイターなんか大好きでしたね」




小野「なるほど、好きなキャラクターはいますか?」




俺「?ではリュウ、3rdではまこと使ってましたね。」




小野「なるほど。私は年代的に初代と?をメインにやっていて、3rdはちょっと齧った程度だったんですが、

?に詳しいなら話が早いです

先ほど言った横隔膜の活性化、つまり体を浮かせる練習ですが、これには昇龍拳を使います」




俺(ちょwww)




小野「実はあのキャラクター達のポーズは高音発声の姿勢としてとても参考になるんです。

まず膝を軽く曲げ、利き足を少し前に出し、リズムを取るように体を揺らします。

そして腰周りでしっかりと体を支えましょう。




これでほどよく脹脛から腰にかけて支えが出来ます。この状態から昇龍拳を打ちますが、

打つ直前に体を落とします。今より膝を曲げ、腰を落とし、そこから一気に回転しながら大アッパーですね

あと掛け声も付けてください」




499 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/10/12(月) 11:10:03 ID: /GbGOkUu

俺「それで横隔膜が上がるんですか?」




小野「そうです、ジャンプしてアッパーした瞬間に、ですね

ではちょっとやってみましょう。

まずピアノで○○さんのロングトーンの最高音、E4(mid2E)を出しますので、それに合わせてロングトーン発声をしてください」




俺「あー(やっぱこの辺り限界だな)」




小野「今度はF4(mid2F)ですが、ちょっとぶれると思います。やってみましょう」




俺「あ゛ー」




小野「やはり○○さんの場合ですとこの辺りで限界になりますね。

ではここで昇龍拳を取り入れてみてください。昇龍拳の「昇」の部分をF4に合わせます。

まずは先ほどのファイティングポーズを取ります。では行きましょう」




俺「昇(←F4)龍拳!!」




小野「はい、今のはすんなり出ましたね。先ほどより楽に、綺麗に出たのが分かるでしょうか?

もう少し行けそうなので、半音上げてF#4(mid2F#)に挑戦します」




〜中略〜




小野「この辺りまでにしておきましょう。あまり高くしすぎるとただのシャウトになってしまいます

ところで今G4(mid2G)まで綺麗に出ましたが、最初E4ですでに限界でしたね。

実にキーが3つも上昇しました」




俺「歌ってる時もこれやんなきゃ駄目ですか?w」




小野「いえ、ここでは感覚だけ覚えましょう。みんなの前で昇龍拳は出来ませんからね(笑)」




500 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/10/12(月) 11:12:03 ID: /GbGOkUu

小野「これから通常の歌に戻りますが、以前より驚くほど高音が出しやすくなってるはずです。

イメージとしてはあくまで上に突き抜ける間隔を保ちます。腹筋にも若干の力を入れてください

○○さんの課題曲にはF4が主に使用され、後半でG4が出てきます。

が、先ほどより横隔膜は動きやすくなっていますので、F4はバイソンのアッパーで済ませましょう(笑)

G4は昇龍拳で行きます。では、始めます」




〜中略〜




小野「これまでよりずっと綺麗に高音が歌えましたね

モーション付ですと遊んでるように見えますが、実はこれは

・ジャンプすることによる横隔膜の活性化

・宙に浮くことによる体全体のリラックス効果

・目線が上に向くことによる首周りの脱力効果

・大きな声を出すことによる濃厚な空気の形成

が一度に齎される理想的な状態なのです。




後は初回で詳しくお話した通り、メンタル面でも効果も大きいです。

威力の高い必殺技の感覚で高い声を出すんだ、と言うイメージも大きく貢献してくれたのです」




俺「ところでこれってみんなやってるんですか?w」




小野「男性はほとんどやっていますね。天性のミドルを持っている人にはやらせてませんが。

あと女性にはやらせたことがないんですよ。

若い方ですとね、ちょっとスカート短い人がいて、あらぬ誤解を招くと後が大変ですので(笑)」




【まとめ】

・バイソンのアッパーは高音発声に役立つ

・リュウの昇龍拳さらなる高音発声に役立つ

・ファイティングポーズは高音発声(脱力)に役立つ

・ジャンプすることは体の脱力、リラックスに向いている

・目線を上に向けると首周りが脱力する

・小野さんはストファイ好き




501 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/10/12(月) 11:20:08 ID: R4Obx03r

最後は、肩周りの脱力について

肩は喉の次に力が入りやすい部分で、しかも力んでいることに気付くのはかなり難しい

「最初の内は一曲ごと、一節ごとに肩を落としてみて、力みがないか確認して欲しい」と言われた




また、肩こりも力みを伴う大きな原因になってしまうため、それを矯正するのも大事

マッサージをしてもらって直すのも良いけど、もっと簡単な方法として




・体全体の力を抜く(それこそ立つために必要な最低限の力を入れる程度)

・鳥が空を飛ぶ時のように腕を上下に振る(振り回すくらいの勢い)

・これを1セット25回とし、1日1〜4回やる




というのをお勧めされた

即効性があるので、カラオケでふと思い出した時にトイレに行く振りしてやっても十分らしい




それに加え、歌を妨害する最も大きい要素として「体の疲労」を挙げていて、

これがあると歌の実力が大きく違ってくる。特に音域に分かりやすく影響してくる

そのため、小野さんはライブやレコーディングをする前は1〜2時間風呂に入るんだそうだ




カラオケの日、朝起きて体がダルいようなら追加睡眠を取ったり、栄養剤を飲んだりして体調を整えるのが良い

出来れば数日前からカラオケに備えていろいろな対策をしておくのが理想なんだとか…厳しいね




睡眠時間に関しては「一般的に睡眠時間は少なくても長くても疲れが残るって言われてるけど、

私の場合は少し長めにするくらいが一番体調が良くなるんですよ。

体質によってはきっちり7〜8時間に留めた方が良いかも知れません」と補足があった




どうやっても喉に力が入って腹式が上手く行かないことがたまにあるけど、疲労のせいだったのね




502 名前:選曲してください[sage] 投稿日:2009/10/12(月) 11:23:24 ID: R4Obx03r

あとは余談。

ハイトーン歌手にもいろんなタイプがいて、キンキンして高い人や、

聴いてる方が圧倒されるような力強い声を出す人なんかがいるけど、

その違いはなんでしょうかと聞いてみたところ、こんな答えが




「歌手として「ハイトーン」を売りにするには、方法が二つ

一つは「鋭く高い」で押していくこと。もう一つは「強く太い」で押していくこと




前者にはB'zの稲葉さん、X JAPANのTOSHIさんなどが該当します

後者にはクリスタルキングの田中さんや私が該当します




特に優劣を付けるつもりはないのですが、練習によって高音を身に付けた人のほとんどは前者になります

後者になるには、それこそ才能、要するに生まれつきミドルやヘッドが使えることが必要となってきます

生まれつきそれらの技術が使えると、長年かけて体全体がそれらの発声に適した作りになってくるのです




その生まれつきミドル、ヘッドが使える人ですが、歌手ですと私や田中さんの他に、

ゆずの岩沢さん、スピッツの草野さん、L'Arc〜en〜Cielのhydeさんなどがこれに該当します

それと確認はしてないのですが、GReeeeNの方なども恐らく天性のものを持っているんじゃないでしょうか




ハイトーンの鍵として「力まない」と言うことがよく挙げられますが、力を抜けば良いなんて言う単純な話ではないんですよ

喉にとことん力を入れるのも、喉をとことん脱力させるのも、一言で言えば極端なのです

単純に前者よりは後者の方が良いので、初心者に対してはその方法を薦めると言うだけであって、

ある程度発声が出来てきたら「良い声を出すための力み方」を身に付ける必要があります

その過程でもちろん腹筋や喉に力を入れる必要は出てきます

そうでなければ力強いハイトーンは出せなくなりますからね」




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今週のレポは以上です。途中サルさん食らったけど何とか全部投下できた



出典:高い声を出せない人が頑張るスレ Part25
リンク:http://d.hatena.ne.jp/eclair_twinkle/20091227/1261901436

(・∀・): 31 | (・A・): 11

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