彼の最後・・・
2005/11/06 22:30 登録: えっちな名無しさん
888 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 20:26 ID:INXA9Gab
あんまりえっちじゃないけど、
私の高校時代の思い出を語らせて下さい。
889 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 20:30 ID:INXA9Gab
私が高校の頃初めてつきあった彼氏は、
重い病気を持った人でした。
病名は『白血病』でした。
彼の命は、長くてあと半年と言われていました。
だけど私は彼を愛してたし、彼も私を愛してくれていて、
戸惑いも多かったけど、私は最期まで彼の側にいることにしたんです。
891 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 20:37 ID:INXA9Gab
でも私の親は反対しました。
『辛いのはあんただから』
って言って、なかなか会いに行かせてもらえなかった。
(あ、書くの忘れたけど彼はずっと入院してました)
たまに病院からかかってくる彼からの電話も、取り次いでもらえませんでした。
それでも当時は、学校帰りに、電車で30分かかる病院まで行ったものです。
私には彼がすべてだった。
彼と会ってる時間は他の何よりも大切でした。
893 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 20:44 ID:INXA9Gab
その反面、彼を失うことへの怖さもどんどん大きくなっていきました。
余命あと1ヶ月ほどになったころには、
薬の副作用で髪も殆ど抜け落ちてしまっていたので、
私は彼にニット帽をプレゼントしました。
彼はその帽子を片時も離さず身につけていてくれました。
でも私はそんな彼を見てるのは辛かった。
彼の前ではなるべく笑顔でいようと心がけてたんだけど、
ある日、どうしても我慢できなくて
一度だけ彼の前で泣いてしまったことがあったんです。
894 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 20:55 ID:INXA9Gab
私の涙を見て、彼はもう体力もすっかり落ちてしまってるのに、
強く私を抱きしめてくれました。
今までもそんな事は何度もあったし、キスも何度もしてるのに、
なぜか初めてキスする時より緊張しました。
温かくて、優しい彼の体温に、私は涙が止まらなくなって、
今までずっと、こんなこと言っちゃいけないと無意識に自覚してた言葉を、
とうとう口に出してしまったのです。
『抱いて・・・』
その夜、(と言っても夜中ではないけど)
人気の無くなった病室で、最初で最後のHをしました。
895 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 21:01 ID:INXA9Gab
その日、帰りが遅くなった私は両親にこっぴどく叱られ、
もう病院には行かない、と約束させられました。
それでも私は毎日通いました。
不良娘と呼ばれてもいい、ただ、刻々と迫ってくる“その日”まで、
少しでも彼と一緒にいたかったから。
それから1ヶ月後でした。彼の容態が急変したことを知らせる
電話のベルが鳴ったのは。
898 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 21:23 ID:INXA9Gab
電話に出たのは彼のお母さん。
すぐ病院に来て、とのことでした。
でもそれは午後9時過ぎのことで、両親が許すはずもなく、
私はただ電話を握り締めて泣くことしかできなかった。
手足は震えて、頭の中は真っ白でした。
そんな時突然、そんな私を見かねてか、母が私を車で病院に送っていく、と言ってくれたのです。
私は動転していたので訳がわからず、でも考えてる余裕も無いのでとりあえず頷きました。
あの時は言えなかったけど、お母さんどうもありがとう。
901 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 21:29 ID:INXA9Gab
そして病院に着くと、彼の病室はバタバタとドクター達が出入りしていて、
私はすぐに部屋へ迎え入れられました。
その、数秒後・・・10秒もたたないうちに、
心臓停止を伝える音が、部屋に響きました。
ドクターの話によると、
まるで私を待っていたかのようだったそうです。
913 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 22:10 ID:INXA9Gab
えっちは、、人にばれないようにだったから、大変でした。
明かり付けるわけにも声出すわけにもいかなくて。
でも私も彼も初めての相手ではなかったんですけど、
“えっちってこんなに神聖なものだったんだ”ってすごい思わされました。
声とかすごい我慢してたんですけど、たまにどうしても出ちゃう時とかあって、
でもそういうのも全然やらしくなくて。
あの時はもう“生きてる証明”って言うのかな、
そんな感じで。快楽なんて求めてなかったですし。
917 名前: 亜季 投稿日: 02/06/14 22:27 ID:INXA9Gab
彼が亡くなってから数日後、彼のお母さんから一通の手紙を貰ったんです。
それは彼が入院中に書いた、私宛のものでした。
びっくりして中を見ると、彼の字で、
彼が好きだったSOPHIAというバンドの『君と揺れていたい』という歌の歌詞の
一部が書かれていました。
〜ねぇ 君に言っておきたいことがあるんだ
もしも 生まれ変わったとしても
君を探しに行こう〜
あれから、3年。
私は、彼のことは一生忘れないと思います。
でも彼と出会えたことは決して後悔していません。

(・∀・): 221 | (・A・): 79
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