男専門ひったくり達人が出した意外な結論

2013/06/03 09:43 登録: えっちな名無しさん

男ばかり狙うプロひったくり犯「もうついていけん」と“引退”に追い込んだ「街」と

2013.6.1 12:00 (1/3ページ)[衝撃事件の核心 west]

今年2月、男性がひったくり被害にあった現場。銀行や郵便局から出てきたビジネスマンが狙われやすかったという=大阪市中央区農人橋
 被害者の約9割が女性といわれる「ひったくり」。力の弱い高齢女性を狙った卑劣な犯行も目立つ中、あえて男性ばかりを狙ってひったくりを繰り返した男が3月、大阪府警に窃盗容疑で逮捕された。男は過去10年で3回以上実刑判決を受けた常習犯で、今回も昨夏に出所後、すぐにひったくりに手を染めていた。「転んでけがでもさせれば強盗になってしまい量刑が重くなる」。逮捕後の取り調べでは、“プロ”ならではの理由を明かした上で、防犯カメラを使った現代のハイテク捜査に「ついていけない」と敗北を宣言。さらに「俺の時代は終わった。ひったくりから引退する」と捜査員を驚かせる言葉まで漏らしたという。


また男が…


 木枯らしが吹き付ける2月17日夕方。人通りも少なくない大阪市中央区農人橋の路上を歩く40代男性に1台のオートバイが背後から接近した。運転するのはヘルメットを被った中年の男。スピードを緩めた男は追い抜きざまに現金約4万3千円が入った男性のショルダーバッグをひったくると加速し、街中に消えた。

 「また男が狙われたんか」。報告を受けた府警幹部はため息をついた。昨年9月以降、大阪市内の歓楽街やビジネス街で、なぜか男性ばかりを狙ったひったくりが相次いで発生していたからだ。

 主な被害者は、銀行や郵便局から出てきたばかりのビジネスマン。まとまった現金を所持している可能性が高いため、標的にされたとみられた。

 だが、なぜ男性を標的にするのか。男性だと力尽くで抵抗されたり、追いかけられたりする可能性があり、犯人にとってリスクが高い。捜査関係者が首をかしげる中、被害だけが増えていった。


あっ、アイツだ


 まもなく、捜査線上に一人の男が浮上する。手がかりになったのは犯行現場近くの防犯カメラの映像だ。男は、過去に大阪府内でひったくりを繰り返し、昨年夏に出所したばかりの大阪市西成区天下茶屋の無職、松田秀喜被告(45)=常習累犯窃盗罪で公判中。だった。松田被告のことを知るベテラン捜査員は多く、映像からピンときたという。


 府警は3月9日、2月のひったくり容疑で松田被告を逮捕。防犯カメラの映像や被害者らの証言から、昨年9月〜今年3月、大阪、守口両市で発生した計30件の犯行を裏付けた。被害総額は現金と物品合わせて約1040万円。被害者30人のうち男性は7割以上の23人だった。

 松田被告は過去にもひったくりを繰り返してきたが、男性ばかりを狙っていたわけではない。なぜ、今回は男性を集中的に狙ったのか。最大の謎を尋ねた捜査員に対し、松田被告はこう供述したという。

 「男は簡単には倒れない。もし相手が転んでけがをすれば、量刑の重い強盗致傷罪になるかもしれない」

 いずれは逮捕されることを前提に、問われる量刑の重さを考慮していたのだ。実際、松田被告のひったくりの被害に遭った30人全員に転倒やけがはなかった。


「東京進出」もくろむも…


 ひったくり常習犯の松田被告だが、常に府警にマークされているという恐怖心が離れなかった。今回も出所後、大阪に戻って犯行を重ねたが、実は今年1月、“新天地”を求めて東京進出を計画したことがあったという。

 1月下旬、松田被告はひったくりで得た金を主な原資に、“相棒”となる中古のオートバイ1台を購入しそのまま東京に陸送。自らは新幹線で東京に移動し、ホテル暮らしをしながら、渋谷や上野などの繁華街を走行、約2週間にわたり、犯行場所の下見を繰り返した。

 しかし、松田被告の目に飛び込んできたのは、大阪と比べて圧倒的に多い制服警察官と、街中に張り巡らされた防犯カメラだった。首都・東京の治安を守る警視庁の警察官の数は府警の2倍以上の約4万6千人。繁華街での防犯カメラの数も尋常ではなく、事件捜査にもたびたび活用されている。

 「こんなところでひったくりしたら、すぐ捕まるわ…」。そう判断した松田被告は、尻尾を巻いて住み慣れた大阪に逃げ帰り、再び犯行に手を染めるようになった。


俺の時代は終わった…


 「警察官の姿を見たら、その日はひったくりはしない」「犯行は1日1回に限る」


 松田被告は以前から、こうした独自の“哲学”を持っていた。捜査員は「『確実にひったくりを成功させる』という強い自信を持つ半面、非常に臆病な性格の持ち主」と指摘。その言動から常に警察官の姿におびえながらも、白昼堂々、大胆に犯行を繰り返す姿が伺えたという。

 もっとも今回、松田被告を追い詰め、余罪を暴き出したのは、大阪市内にも相次いで設置されるようになった防犯カメラだった。映像には数々の犯行が克明に記録されており、目撃者の証言と合わせ、動かぬ証拠となった。

 「警察の捜査には敏感にやっているつもりだった。刑務所から出てから1年もたたないのに、また捕まってしもうたな…」。逮捕後、悟りを開いたように語り始めた松田被告。防犯カメラを駆使したハイテク捜査を前に、あっけなく逮捕されたショックは小さくなかったようだ。

 「今の捜査にはついていけない。俺の時代は終わったんだ。今日をもって、ひったくりからは引退させてもらう」と宣言し、捜査員にこう告げたという。


 「今後は仏門に入る」




出典:産経ニュース
リンク:http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130601/waf13060112010013-n3.htm

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