3カ月で辞めた38歳・公募民間校長

2013/10/02 18:56 登録: えっちな名無しさん

「給料最低」「外資の経験生かせぬ」3カ月で辞めた38歳・公募民間校長がぶちまけた“不満の中身”…謝罪なし、児童たちは泣き出した

2013.6.29 12:00 (1/3ページ)[関西の議論 2013]

記者会見で公募校長を退職する経緯を説明する千葉貴樹氏。時折笑みを浮かべながら?不満?を語った=6月25日、大阪市立南港緑小

 生き馬の目を抜く外資系証券会社を渡り歩いた校長の見切りの早さに、児童は泣いた。大阪市教委の公募で採用された市立小学校の38歳の民間人校長が6月、着任から3カ月足らずで退職した。記者会見では謝罪の言葉はなく、「体験を生かせる学校ではなかった」「給料が校長の中で最低」と不満をぶちまけた。時折笑みを浮かべ、饒舌(じょうぜつ)に「不満」を語ってみせた38歳に「なんだアイツは」との批判も起きた。橋下徹市長が旗を振り、市や学校の幹部ポストで公募制度が導入されたが、“途中退場”は区長に続き2人目。専門家からは採用の難しさを指摘する声も上がり、同制度への風当たりは厳しくなっている。


「『さよなら』する」


 25日午後3時すぎ、大阪市住之江区にある市立南港緑小学校の体育館では同日付で退職した前校長の千葉貴樹氏(38)が臨時の全校集会を開き、児童にこう告げた。

 「先生の個人的な事情で、みんなと『さよなら』しないといけなくなりました」。突然の別れに泣き出す児童もいた。

 1学年1クラス、児童数152人の南港緑小に千葉氏が着任したのは4月1日。児童が校長室に入りやすいようにするため、室内を隠す仕切りを取り払ったといい、「児童は校長室に入って話をしたり、校庭で一緒に遊んだりしていて、千葉氏を慕っていた」(学校関係者)という。

 臨時集会の直後に校内で開いた記者会見。千葉氏は記者団から学校を混乱させたことへの謝罪の気持ちを問われ、一笑に付した。

 「不祥事で辞めるわけではないので、謝罪するつもりはない。人それぞれにモノの考え方がある」


「なんだアイツは」不快感広がる


 千葉氏は大学卒業後、15年近くの間に4社の外資系証券会社を渡り歩く一方、家族経営のコンサルティング会社の役員に就任した。昨秋、市教委の校長公募を知り、手を挙げた。外部の応募者が928人に上る中、千葉氏は書類選考、2回の面接を経て今年1月に採用され、研修に入った。

 千葉氏によると、このころから市教委への違和感を抱いていたという。「面接は雇用する側、される側がお互いを判断する場。具体的な質問を用意していたが、私から質問できず、不思議な面接だと思った」。

 民間人校長たちと給与を見せ合ったとき、30代の千葉氏が一番給料が安かったことにも「年齢だけで有無を言わさずに最低。研修成果は評価されない年功序列の組織」と納得できなかった。そしてくすぶっていた不満は小学校着任後、退職を決意するほどに強まった。

 「市教委に対して市立学校の英語教育の強化を訴えてきたが、配属された学校では基礎学力の習得という優先課題があり、自分の力を活用できない」

 辞意を市教委に伝えたのは5月中旬、着任から1カ月半の即決だった。「市教委が校長を公募して大阪の教育をどう進めるのかビジョンが見えず、(自らの退職は)市教委への問題提起になる」。会見でときおり笑みを浮かべ、饒舌に語る千葉氏の姿は関係者の間に不快感を広げた。

 市教委によると、保護者や市民から苦情の電話やメールが相次いでおり、「報道で千葉氏の言動を知り、『なんだあいつは』などと批判する声が多い」(人事担当者)という。

 同じ民間人校長で梅香小(此花区)に配属された玉川実二氏(53)も「非常に遺憾。自分のことよりも、子供に何をしてあげればいいかを考えなければいけない」と批判した。


マッチングは「困難」


 「今回の件で公募制度が失敗とは思わない。外からの意見が教育現場に入ってくる方向性を目指す」

 昨年7月に市立学校活性化条例を成立させ、校長ポストに公募の門戸を開いた橋下市長は千葉氏を「無責任」と批判する一方で、公募制度の意義を強調する。

 だが、公募で採用された外部人材の“途中退場”は千葉氏で2人目だ。3月、民間出身だった当時の東住吉区長(51)は重要な会議を欠席したり、職員を「無能」呼ばわりしたなどとして人事室付に更迭された。その後、年金記録に関係する文書を改竄(かいざん)し、市に提出したとして地方公務員法に基づき分限免職処分になっている。

 市教委では来年度に着任させる市立小中高の校長公募で、民間出身ら外部枠として35人を設定。人材コンサルタントの常見陽平氏は「民間から文化の違う公の組織の幹部に中途採用する際には、完全なマッチング(適合)は難しい。採用時に公に適した人物かしっかり判断するだけでなく、配属後も職場で浮かないように支援する必要がある」と警鐘を鳴らす。

 校長の交代劇に揺れた南港緑小のHPでは4月の始業式の様子を紹介。HPによると、千葉氏は児童らに「世界をみよう」と述べ、こう訴えたとされる。

 「ベストを尽くそう」「思いやりをもとう」

 それから3カ月もたたないうちに、千葉氏は涙を流した児童に背を向けた。教育評論家の尾木直樹氏はこう切り捨てた。

 「学校を引っかき回して、さっといなくなった印象があり、児童たちが心の傷を受けていないか心配だ。教育現場にマッチしていない人を選んだ市教委の責任も重い」



出典: MSN NEWS
リンク:http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130629/wlf13062912010008-n1.htm

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