太郎と博士

2014/06/05 02:05 登録: えっちな名無しさん

太郎:博士、アベノミクスで景気が良くなったらネトウヨが減るって、どういうこと?

博士:これはまた短絡的というか、風が吹けば桶屋が…というやつじゃな。

太郎:風が吹いたらネトウヨが儲かるの?

博士:ははは、分かりやすく説明しよう。まず、ネトウヨはニート比率が高いという
   有力な説があるんじゃ。

太郎:ほんとに多いの? イメージを落とすためのネガキャンじゃないの?

博士:もちろん、検証は難しいがの。じゃが、掲示板その他にネトウヨが書き込む
   時間帯や頻度を見る限り、まともな社会人とはなかなか思えんのう。

太郎:一部の暇人の書き込みが目立つってだけじゃないの?

博士:確かに、それはある。じゃが一方で、経済力や学歴、社会的地位が低いほど
   国粋主義や排外主義の支持者が増える、という調査結果もあるんじゃよ。

太郎:つまり、底辺に近づけばそれだけ、ネトウヨに走る人が増えるってこと?

博士:それも短絡的じゃが、極右の支持者に富裕層や中間層、知識人階級が少なく、
   失業者や非熟練労働者が多いのは、洋の東西を問わず見られる傾向じゃな。

太郎:なんで? 労働者って左翼支持じゃないの?

博士:それは昔の話。従来の左右対立に、最近は「グローバル化への賛否」という
   新しい対立軸が加わった。極右やネトウヨと保守を分けるポイントもそこじゃ。
   欧州では「反グローバル化」を掲げ、極右支持に転向した元左翼も多いんじゃ。

太郎:左から極右って、ずいぶん極端だね。

博士:中間層以上はグローバル化で恩恵を受けられるが、底辺層は違うからのう。
   むしろ外国人労働者と競合する分、排外に走りやすくなるようじゃな。

太郎:さっきから気になるんだけど、その「〜じゃ」って喋り方、どこの方言なの?
   現実社会じゃ聞いたことないんだけど。

博士:ほっほっほ。これは口語表現を文章化する際に使われる技法の一種じゃ。
   話し手のキャラを強調するのが目的。気にせんことじゃ。


 〈お茶を飲んで休憩。ズズズ…〉


太郎:要するに、景気が回復して雇用が増えればニートが減る。つまり、ネトウヨの
   母数が減るってことだね。良いことずくめじゃん。

博士:ところが、そう簡単には行かんのじゃ。確かに有効求人倍率が上がっておるが、
   人手不足感が強い業種はまだ限られておる。

太郎:ええと、新聞だと…外食産業と建設業の人が足りないってさ。

博士:そうじゃ。消費税率引き上げ後も売上に大きな影響がない外食産業と、
   国や地方が進める公共事業で潤う建設業が、今のところ人手不足が深刻じゃな。

太郎:だったらニートの人は、そういう業界に行けばいいのに。

博士:ところが、外食産業は客商売じゃからのう。モンスターみたいな客の相手も
   せにゃならん。コミュニケーション能力に乏しいニートには荷が重いんじゃ。

太郎:確かに、客の目を見て「いらっしゃいませ」と言えなきゃ、話にならないよね。
   だったら建設業は? 非コミュでも何とかなりそうだけど。

博士:資格や技能がない限り、建設労働者は体力勝負。パソコンやゲームばかりで、
   ろくに体を鍛えてこなかったニートにどれだけ続くことやら。

太郎:確かに、デブかガリか、どっちにしても使えない奴が多そうだよね。

博士:ネトウヨやニートには、プライドだけ無駄に高いのが多いからのう。建設現場で
   年下の中卒に使われるのも、耐えられないんじゃないかのう。

太郎:だからか。ネットじゃ事務職希望のニートがやたら目立つよね。

博士:事務系の求人も今後は増えるじゃろうが、その枠はまず院卒や留学経験者、
   転職組、それから契約や派遣で実務経験がある連中で埋まるじゃろうな。

太郎:救われないね。望みは、秋葉の事件の犯人みたいな工場労働者くらいか。

博士:メーカーの国内生産回帰が進めば、まだ希望はあるかもしれんの。設備投資が
   雇用を生むまでには時間がかかるが、それまでアベノミクスの効果が続けば
   いいんじゃがのう。

太郎:手癖の悪い外国人留学生や研修生よりマシでしょ? 日本語も通じるし。

博士:うーむ、外国人労働者はカネのためならと肝が据わっとるからのう。ネット
   番長でもリアルではヘタレのニートとどちらが使えるか、難しいところじゃ。


 〈再びお茶を飲んで休憩〉


太郎:でもさ、少子化で労働人口が減るから、長期的には職探しも楽になるよね?

博士:長い目で見れば確かにそうじゃ。じゃが、団塊世代の引退に伴う労働力減少は
   当面、高齢者、女性、外国人で埋めるというのが政府の方針みたいじゃの。

太郎:なんで? ニートを活用すればいいのに…。

博士:確率の問題じゃ。経験は十分で下手な若者より体力のある今日びの年寄り、
   出産その他で意に反して一線を離れた女、稼ぐ気満々で逆境に強い外国人と、
   社会不適合者の集まりのニート。どっちをすくい上げれば、まともな労働力が
   引っ掛かる可能性が高いか、と政府は考えたようじゃのう。

太郎:つまり、ニートは減らないってこと? あの恥ずかしいヘイトスピーチも
   なくならないなんて…なんだか先行き暗いなあ。

博士:まあ、日本のネトウヨの主流は自民党が大好きじゃからの。失業者が増えても
   欧州みたいに社会不安にはつながらないと期待したいものじゃ。今の総理は
   成蹊大卒のエリートじゃから、その辺は上手にやってくれるじゃろう。

太郎:ずいぶん楽観的だね。というか、ちょっと印象捜査が露骨過ぎない?

博士:このモウロク爺の話に、印象捜査だ何だと反発して現実から逃げておる限り、
   這い上がる望みはないんじゃがのう。一昔前のネトウヨは「自己責任」という
   言葉を好んで使ったもんじゃが、今もそうなのか、聞いてみたいもんじゃな。
   ほーっほっほっほ!

太郎:だからそれ、どこの方言だよ。

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