幽体離脱

2015/02/11 14:36 登録: えっちな名無しさん

放課後の教室で心霊本を読みながらああでもないこうでもないと盛り上がる7,8名の一団。その中心に居るのは波左間 武士(はさま たけし)16歳。その向かい側に座るのが彼の意中の女子、佐藤 公子(さとう きみこ)。公子の友達が図書館で見つけてきた怖い話の本をみんなで読んではキャーキャーと騒いでいる。男どもはこの女子集団が目当てで残っているのが大半。
武士はといえば、この話に別段興味があるわけではなかった。ここ数か月気になり始めていた公子との時間を過ごしたかっただけだ。思い立ったらすぐ行動に移す彼は彼女の気をこちらに向けるべく、偶然を装って一緒に帰ったり興味のない話題でも合わせたりと涙ぐましい努力を続けていた。
一方公子の中では、その武士の努力が実を結びつつあり、気になる男子のトップに武士をランキングしていた。女子としては明らかに好意をもって接せられて悪い気はしないものだ。

取り巻きが本を読み進めていく。一同の関心を一層引いたのは心霊写真の次のページのコラム。『幽体離脱』について図解でわかりやすく説明してある。好きなところに行けるとか、海外にも瞬時に行けたとか、夢のような体験談を簡潔にまとめてある。なんでも金縛り中に足から抜けていくようなイメージをすると成功しやすいとか。あほらし…と思っている男子をよそ目に公子を中心にした女子たちが盛り上がっている。抜けられたら何をするかの第一位は「彼の家に行く」だそうだ。
絶対深夜の彼氏の生活覗き見たっていいことないって…。と思いながら話に耳を傾ける。

もとより金縛りに悩まされていた武士はぼーっと逆さまの本を目で追う。「武士君はどうする?」と突然声を掛けられてハッとなる。声の主は興味津々の顔の公子。「やっぱり好きな子の家に行っちゃうよねぇ。」「あ、あぁ」こんな顔で見られて否定する気にもならなかった。

本を読み進んで、かなりシリアスな短編ホラー小説を公子の友達が小さな声で音読するのをみんなで聞く。こいつが本当に朗読が上手で、明るい教室にこの人数でいるにもかかわらず背筋が冷たくなってくる。その時教室の前の扉がガラガラっと大きな音を立てて開く。

全員が飛び上がり、女子は大きな悲鳴を上げる。扉を開けた教師もその声に驚き一呼吸置くと「早く帰りなさい!」と半ば八つ当たり気味にたたきつけてピシャリと扉を閉めて去って行った。お互い顔を見合わせた後爆笑が巻き起こる。

さてさて。と本を閉じる公子。「かえろうか」かばんに荷物を詰めて、三々五々教室から去っていく一同。最後に残った武士を公子が出口で待つ。別に他意があるわけじゃなく、電車通学で二人とも同じ駅なのだ。電車の中での他愛のない話にも武士は笑顔で合わせる。ほんの15分の幸せな時間。

その夜、武士は部屋の電気を消してベットに横になると夕方の本のことを考えていた。幽体離脱。確かに。出来たら公子の部屋に行ってみるだろうなぁ。ほかの利用法は…眠気が襲ってくる。両手を胸の上にあてる。胸を圧迫すると怖い夢を見るという。大体金縛りに合うのは怖い夢を見た後だ。

その日、案の定怖い夢を見る。別になんということはないんだが、真っ暗な部屋で扉が少し開いている。その隙間が怖いという設定の夢。何かが今にもその隙間から入ってきそうな。そんな恐怖。恐怖が増大し、耐えきれず夢の中で悲鳴を上げる。そこで目が覚めた。

頭が痺れる。金縛りに掛かりそうだ。ゆっくり目を閉じさっき夢に見た扉の隙間から入ってきたものを想像する。恐怖が戻ってくる、その恐怖がピークに達するとビシッと金縛りに掛かった。抵抗すると全身がしびれるような、あの独特の感覚。本の内容を思い出し、足から抜けていイメージ膨らませる。

何分経ったんだろう。金縛りは解けていた。寝てしまったんだろうか。「しっぱいか」と呟く。天井を見上げる。なんか様子がおかしい。上体を起しベットに腰を掛ける。ふと人の気配を感じ後ろを振り向く。信じられない、自分が寝ている。思わず立ち上がりその間抜けな寝姿を見る。成功したってこと?

そうしたらどうするんだっけ?「そうだ。佐藤の家に行くんだった」ところで家はどこだったっけ?と過去の記憶を辿る。そうだ、一回だけ駅から帰るときに二人で歩いて家の前で別れたことがある。あれはたしか…と正確な場所を駅からの道順で追うと、ぎゅーんと周りの景色が流れる。そのスピード感に目を閉じる。

加速が収まるのを感じ、ゆっくりと目を開けると見覚えのある一軒家の玄関の前に立っていた。表札に「佐藤」の文字。絶対に施錠されているであろう玄関のドアノブに手を掛け回す。ドアは音もなく開いた。正面の階段を迷わず上がり右の扉を開ける。

甘いせっけんの香り武士を包みこむ。公子の匂い。間違いなく彼女の部屋だと確信する。部屋を見回す。突き当りに大きな掃き出し窓。レースがかかり、カーテンは開けられていて月明かりが青白く室内を照らす。右側に机とカワイイ白の洋服ダンス。その上には鶏の形の目覚まし時計が置かれていた。反対側の壁際にベット。その上にシーツを押しのけて寝乱れた公子。その姿は部屋と同様月明かりに青白く浮かび上がり、陰影がはっきりとして整った顔つきをさらに際立たせた。

暫く見惚れる。すやすやと寝息を立てる公子。「キレイだ…」

もっと近くで見ようと顔を近づける。シャンプーのいい匂いを感じる。寝息が武士の頬の産毛を震わせるほど近づく。ゆっくりと視線を下ろすと寝乱れたパジャマの胸元から形のいい稜線が見える。顔色をうかがいながらその裾に手を伸ばすとゆっくりと手前に引いてみる。「う…ん」と公子が声を上げた。手を止める。一瞬幽体離脱じゃない可能性が頭をよぎる。もし、俺が夢遊病かなんかで、ここまで来て勝手に人の家に上がり込んでいたとしたら…。

うっすらと目を開ける公子。「な…にぃ…」と頭を上げる。もろに目が合う。笑顔をひきつらせて固まる武士。キョロキョロと寝ぼけた目であたりを見回す公子。持ち上げていた頭をぼふぅと枕に落とし。再び寝息を立てる。どうやら見えていないようだ。いくら寝ぼけててもこの距離で人影を見つけたら飛び起きるだろ。

寝息が落ち着くのを待って、再び公子に近づく。頬に触れてみる。柔らかい。あおむけに無防備に両手を開きすやすやと寝息を立てる公子の唇に触れてみる。
その指をゆっくりと下唇、顎、クビと進めていく。パジャマの生地を感じながら膨らみの麓に。そこでいったん止めてゆっくりと柔らかさを感じながらその頂の蕾に触れる。ぴくっと公子が反応し「ぅん」と小さい声を上げる。モジっと太ももをすり合わせる。蕾の周りをゆっくりと指で円を描くようになぞると、太ももをすり合わせる動きが大きくなり、寝息が少し荒くなる。ゆっくりと手を広げ、胸を揉み上げてみる。比較的大きい胸の柔らかさを手のひら一杯に感じる(やわらけぇ)。

「ふぅん」と公子が息を上げ寝返りを打つ。壁際に向いてしまい胸が見えなくなった。覗き込めば見えないこともないが、目の前にはさらに刺激的な形のいいお尻が。パジャマの上から形のいいお尻を優しく撫でる。触られているのを感じているのかもぞもぞと動く公子。エスカレートし、その太ももの隙間に手を差し込む。お尻とはまた違うふにゅっとした柔らかさが手に伝わる。(こ…これがマンコ…)思ったより柔らかいそれは割れ目の部分から体液を送り出しパジャマのその部分をしっとりと湿らせていた。「うぅ…ん」。お尻と股間に感じる違和感に身をくねらせる公子。違和感がますます強くなり目を覚ます。

「なんかへん…」

その声にはっとなり手を離す武士。違和感が止まる。何となく満たされない感じに、違和感を感じていた部分に手を伸ばす公子。右手はくすぐったさの残る右胸の頂。左手を太ももの間に差し込み、すでに濡れている割れ目に指を滑り込ませる。「こんなに濡れてる…」思わずつぶやく。

公子自身、男性経験は全くないがオナニーはそこそこ。ただ、気持ちよさがある程度まで行くと罪悪感と快感への恐怖感が上回り途中で自制していた。パジャマがもどかしくなり、ボタンをはずしパンツは腰まで下ろす。ごろんとこっち向きになり、はぁはぁと荒い息を立てる、指でクレバスの中心の尖りをつまみ上げゆっくりと扱く。愛液が次々と湧き出し、下の太ももを濡らしシーツにシミを作る。回すように胸を撫で、息に甘い声が小さいながら混ざり始める。「ふぁ…ああ…ふぅん

武士はその姿を特等席で見ていた。激しく動く彼女の右手、その指は割れ目から飛び出すほど大きくなったクリを摘み前後にしごく。そのたびにピチャピチャと厭らしい音と雌の匂いを放つ。不思議と自身は勃起はせず、興奮と快感が高まってくる。まるで自分が公子になっているような不思議な感覚。胸を撫でまわされクリをいじられる。とっくに逝っているような快感が全身を包みもだえる。

公子が不意に「こんなの…だめ…」と声を上げ、ゆっくりと手を止める。そのまま離すことはせずはぁはぁと息を整える。収束していく快感。まだ物足りない武士は、公子の手に自分の手を重ねる。ビクンとなる公子「な…なに?!」その手をギュウギュウと割れ目に押し付ける。
「なんなの?!」困惑する公子。薬指を割れ目に押入れ、クチュクチュと音を立てて乱暴にこすり上げる。「だめ…これ以上やったら…」再び武士の股間にも快感が上ってくる。こすり上げる指のスピードを上げる。公子はどうしても止められない指の送り込む感覚に困惑しながらも上りつめていく。自由なはずのもう片方の手で胸を揉み上げ快感を受け入れる。「ダメ…だめなのに…」と腰を浮かせる。その姿を見て思わず声を出す武士「佐藤…かわいいよ」
「ダメ…おかしくなっちゃう…」と腰を前後に揺らしながら体をくねらせる公子。濡れそぼった蜜壷のふちの尖りをこすり上げる公子の指はもう武士の手に抵抗していなかった。むしろ率先してその尖りの皮から露出した部分をこすり上げる。

一層その動きが激しくなると大きく息をのみ声を上げる。
「…っダメなのにぃ!」しばらくそのまま腰を突き上げガクガクと痙攣する。指をくわえこんだ割れ目からプシュっと短く潮を吹きだすとガクリと崩れ落ちた。

初めての絶頂の余韻に、ゆっくりと胸を撫でながら浸る。時折波のように押し寄せる快感にビクンと体を震わせる。「きもちぃい…」。
その余韻の中、絶倒に達する直前に武士の声が聞こえた気がして思わずつぶやく「はさまくん…」
その声で我にかえる。ガバッと起き上がるとそこはいつもの朝の光景。「…夢」。さっきまで公子の中にあった左手の人差指の匂いを嗅ぐ。かすかに公子の中の匂いがした気がした。

「おはよー」開け放たれた教室の扉を潜り、始業の鐘直前に教室に滑り込む。みんなはおしゃべりに夢中。「よう。」といつもの一団に声をかける。中心に居るのは公子。みんなが「おはよぅ」とあいさつを返す中、公子の様子がちょっと変だ。目を合わせない。俺もなんだかバツが悪い。

一日そんな感じ。耐えられずに夕方話しかける。「今日はどうしたの?なんか全然話してくれないじゃん」公子はちょっと躊躇うと、昨夜武士の夢を見たと話し始めた。「俺も佐藤さんの家に行く夢見たよ」。階段を上がって右側の部屋であること、大きな掃きだし窓に向かって右側に机と白の洋服箪笥、その上に鶏の目覚まし時計。その反対側にベットがあること。

武士は一度も公子の部屋に上がったことがない。公子も上げた覚えはない。それが完全に一致していることに公子は狼狽える。
暫くの沈黙の後。「…あたしは…?」と消え入りそうな声で聴いた。「え?」と聞きなおす。
「あたし…何してた…?」

耳まで赤くなる公子の姿。そうか。公子はそういう『夢』として認識してるのか。だから今日一日目も合わせてくれなかったんだ。
おれは何事もなかったかのような顔で「よく寝てたよ」とだけ答えた。

出典:幽体離脱
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