なんであっても return
2016/11/15 22:34 登録: えっちな名無しさん
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タイトル:上西夫妻
カチ・・・
カチ・・・カチ・・・
マウスのクリック音が鳴る。
そこにはパソコンとにらめっこをする一人の男がいた。
一体何を調べているのか。
「・・・」
真剣な眼差しで画面を見つめる男は、頬に肘をつき、大きなあくびをすると再び画面に目を戻した。
「!!?」
「だーれだ?」
突然、視界が遮られた。
この手の感触といい、声といい、もう誰かは一人しかいない。
「恵さん」
「あったりー」
「もう、何するんですか」
「熱心にパソコンを見てるから、何か気になってん」
「ああ、これは・・・」
「へぇ、諒くんが妊娠と出産について調べてるなんて。まさか諒くんたら、二人目でも?」
「いえ、違います!・・・二人目が、万が一出来たら・・・」
「万が一?やっぱり二人目が欲しいんやんけ〜」
「あ、いや、そういう事じゃ!」
「やっぱり諒くん可愛いわぁ」
「恵さん・・・一回り年上だからって子供みたいに見ないでください・・・これでも夫なんですからね?」
「あれ、35のあたしをおばさん扱い?失礼しちゃう、ぶー」
「違いますって!」
一回り歳の違う夫婦。
夫・上西諒は子供のように弄ばれて、威厳も何もなかった。
だが、妊娠と出産という調べものに、恵は何かを思い付いたようにマウスを手にした。
「これ見て」
「ん?誰ですか、これ」
恵が見つけたのは、一人の男だった。
「たついし・・・はやてか。この人がどうかしたんですか?」
「ここ読んでみて、ここ」
恵が指差した部分に目をやると、諒は声に出して読み始めた。
「23歳から現在に至るまで、彼は合計25人の子を作った・・・!?」
「ね、すごいやろ」
「この人って・・・実在する人・・・なんですか?」
「せや、今も生きてる人。今は・・・57歳」
「何者なんですか、この人・・・」
「さあ、普通の会社員で、普通の生活してた・・・いや、この人は虐待を受けて小さい頃に養子に引き取られてる。その虐待が原因で、精神障害者になった・・・」
「・・・にしても、恵さんなぜこの人知ってたんですか?」
「結婚する前にニュースで見た」
「ま、マジですか・・・」
立石颯。彼の話は今夜の恵に熱い心を持たせたようだ。
恵は諒を立たせると、袖を引っ張って催促した。
「諒くんも絶倫になって、この人位の子供作ろうや♪」
「ちょ、それは違いますって!・・・別に今からするのは構いませんけど、パソコン落としたい・・・」
「じゃ早よしてや」
なんだ、この男は。
諒は彼を睨むようにして、パソコンの電源を落とした。
出典:http://lazoo.ichaos.me/
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