合宿最終日のちょっとしたハプニング

先月の卓球部の合宿は私設の小体育館を貸し切って実施していたのだが、合宿最終日にちょっとしたハプニングが発生した。
今回の合宿参加メンバーは男性のみで、女性は誰も来れないと聞いていた。
更衣室を含む体育館全体が貸し切りなので、女性が誰も来ないなら男子シャワー室だけでなく女子シャワー室を使っても問題ないだろうということで、女子更衣室・シャワー室も含めて男のメンバーで使用していた。参加者が２０人ほどいるため、男子シャワー室を交代で使うだけでは時間がかかってしまうためだ。
しかし、合宿最終日の最後の1時間ほどと飲み会だけ急きょ参加できるようになったとのことで、女子部員の一人が参加していた。彼女はいつの間にか練習に混ざっていて、彼女がいることに自分を含む何人かは気づいていなかった。普段の練習に彼女がいるのは珍しいことではないので、気づいていなかったというか、気づいていてもあまり気にならなかったという方が正しいかもしれない。最終日の練習後、前日までと同じ感覚で、自分とほか何人かは女子の方のシャワー室に入った。
彼女にとって不運だったことに、最初に女子シャワー室に入って行ったのが彼女であり、ハプニングが発生することとなった。
更衣室とシャワー室がつながった構造になっていて、シャワーを浴びようと服を脱いで準備をしていたところ、先にシャワー室に入っていた一人から、「ちょっとヤバい、〇〇さん（女子部員の名前）いるよ。どうする？」というような声が聞こえてきた。シャワー室に入ってみると、ブースの一つに裸の〇〇さんがうずくまっていて、俺たちも入って来たことで多数の男性の前にさらされ、必死に体を隠すようにうずくまっている様子だった。
悲鳴を上げるようなことはなく、周囲の状況に戸惑い、悲壮感にあふれた様子で体を隠すのに精いっぱいという感じ。


「とりあえず、男子は全員退室〜。」と誰かが言い、自分達はいったん更衣室の外に出た。
「男どもはみんな更衣室から出たからもう大丈夫だよ〜」と外から呼びかけ、しばらくすると〇〇さんが衣服を着た姿で出てきた。
「ここ、女子更衣室ですよね？」と言う彼女に対し、「昨日まで女性がおらんかったから男も使ってたんや。気づかなくてごめんな。」と一人が言った。


その後、合宿打ち上げの飲み会があったが、彼女は全く楽しめていない様子だった。
彼女が裸でうずくまっている姿が頭に焼き付いてしまっているため、話しかけるのが気まずい。他の人達も同じだろう。
しかし、後日の練習には何事もなかったかのように参加してくれているので、その点はよかった。彼女の裸体の記憶は心の奥にしまっておこう。


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