ヴィーナス観光大使。

　近隣の市で（ヴィーナス観光大使）というのを募集してました。
　私は２４才で、小学校の教員を目指してたのですが、なかなか欠員がなく、生活に困ってました。

　ヴィーナス観光大使の副賞の賞金に目が眩み、応募したところ、私が選ばれました。

　何か、私も必要にされてるんだなって思い、嬉しくなりました。　

　次の日、観光課の人と会い、説明を受けました。

　仕事内容は、街のPR、広報活動。イベント出席など。
一年契約でした。後日、任命式があるいう事でした。

　しかし、その時はヴィーナス観光大使は、あの有名な絵画のヴィーナスのイメージで、衣装はなく、常に全裸ということを知りませんでした。

　
　任命式の日に控室で、裸になるように言われ、驚きました。賞金は奨学金返済にあてたので、もう、ありません。
　
　「確認しますけど、本当に全裸ですか?」
　「ハイ。全裸です。靴もなく、裸足です。」
　「捕まるんでは……。」
　「特別条例で法的に問題ありません。」

　どうやら、私の小顔と長い手足、色白、セミロング、痩せ過ぎてない体型などが、ヴィーナスのイメージに近いらしいです。

　仕方なく、服を脱ぎ、全裸になりました。お風呂上がりのような姿に、（本当に外にでるの？私、大人だよ。）
　
　「ヴィーナス観光大使の奈緒子さんです。」司会の人に呼ばれ、みんなの前に出ました。

　（みんなに、私の裸、見られてる……。）
　「ヴィ、ヴィーナス観光大使の奈緒子です。裸一貫頑張ります。」

　私はヴィーナス観光大使に任命されました。
　



　

出典：オリジナル
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