伊佐坂先生の新境地

2006/06/09 03:19 登録: えっちな名無しさん

 こんばんは。さて活字離れの昨今ではありますが、みなさんは私こと『伊佐坂なん物』の書く小説をお読みになった事はありますかな?
 
 小説のスタイルという物は、流行や世相と共に流行り廃れするものだと理解しているつもりでしたが…。どうも私の書く恋愛小説は読者に飽きられてしまったようですな。
 先日、出版社の私の担当者がこう言うのです。
「伊佐坂先生、どうも最近、先生の御著書の部数が伸び悩んでいましてね。アンケートによると、どうやら読者は先生に何か新しいスタイルの小説を望んでいるようなのです。ですのでここらで何か新境地を開拓されてはいかがでしょうか?」と。

「新境地か…、今更何を書けっていうんだ」私は数ヶ月間、様々なリサーチをしながら頭を抱えて苦悩しました。
 だが…その苦悩が極限に達した時、ある事を思い出し、私は「カッ」と目を見開くと書斎を出て“ある場所”へ向かうために家を出ました。
 
 私が向かった先は…隣の磯野さんのお宅でした。

「ごめんくださ〜い」

「は〜い。あら! 伊佐坂先生じゃありませんか。父と囲碁でもなさりにいらっしゃったんですか? でも残念ですわ〜。あいにく家族で出掛けておりまして、私だけお留守番なんですよ」
 玄関に出てきて私の顔を見るなりそう言ったのは、磯野さんの娘で結婚後も夫婦で磯野家に同居する栄螺さん(24)であった。

「い、いえ栄螺さん、今日はそういう用向きで伺ったのではないのですよ」

「あら、私ったら早合点してイヤだわあ。ではどんなご用ですの?」

「あ、あの〜実はですね、私が新しく書く小説の取材として栄螺さんにお話を伺いたいのですよ。もしご迷惑でなければ我が家までご足労願えませんでしょうか?」

「ええ〜っ! 私が先生の小説創作のお役に立てるんですか? 嬉しい! 私なんかでよろしければ是非伺います!」
 栄螺さんはそう快諾して、私と共に我が家に入りました。実はその我が家も私以外は全員出掛けているのでした。

「栄螺さん、実は先日、地下オーディオルームが完成しましてな、自慢の超絶音響システムをご披露がてらにお話をお伺いしようと思うのですが宜しいですかな?」
 私はそう言って地下室へのドアを開け、栄螺さんを中へ招きました。

「ドム!」「ガチャリ」
 私はジットリと汗ばみながら栄螺さんを中へ入れ、分厚い防音ドアを閉めるなりドアロックを掛けた。すると栄螺さんはさすがに私の行為と表情に不穏な空気を察知したのか、

「伊佐坂先生…。鍵をお掛けになるなんてどういうおつもりなんですか! 帰らせて下さい!」
 と私を押しのけてドアの方へ戻ろうとした。
 だが私は栄螺さんの肩を掴むと、いきなり階段下へ突き落とした。

「キャ〜!」(ド、ド、ド、ドン、ドスン!)
 階段の角にはクッション材が。そして階段下には分厚いマットが敷いてあったのだ。栄螺さんは軽い擦り傷を負った程度で気絶して倒れている。
 私は気絶した栄螺さんを抱きかかえると、早速行動に移った。

 一時間程して栄螺さんは意識を取り戻した。そして冷静に自分の姿がどうなっているのかを認識した瞬間、

「! あっ!イ、イヤーッ! 伊佐坂先生!何をなさるんですか! どういうおつもりなんですかあ!」

 その時の栄螺さんの姿とは…。栄螺さんは緊縛全裸であった。
 両腕が『後ろ手縛り』で固定され、腕を縛った同じロープが同時に裸の乳房をも締め上げている。そして『胡座(あぐら)縛り』により、胡座を掻くように股を開いたままの状態で緊縛固定され、恥毛の濃い股間をさらけ出しているのであった。

「あ〜っ!イヤあっ!見ないでえ〜! お願いです! 解いてえ〜!」
 全裸で胡座を掻いた状態のまま、身動き出来ない栄螺さんは羞恥の絶叫をする。

「…申し訳ないとは思いましたが、緊縛させて頂きましたよ栄螺さん。実はですな、私の今度の新作小説はSM、それも緊縛物を構想しているのですよ。私はね、新たな小説の題材取材の過程で伊藤晴雨から団鬼六へと続く近代緊縛SMに傾倒してしまいましてな。栄螺さんも有名な『亀甲縛り』くらいはご存知でしょう? 栄螺さんのこの縛りも私が独学で習得したものなのですよ」
「栄螺さん、あなたは私の取材に全面協力のお約束でしたな。では取材として責めさせていただきますぞ! 取材の模様はDVDに録画記録させていただきますよ」

「取材って…、こんな取材、同意してません! こんなの犯罪じゃないですか!先生!」

 そう非難する栄螺さんを無視して、私は墨書で使う筆を二本取りだした。一本数万円もする高級品だ。そして使い込まれた穂先は極上の柔らかさに仕上がっているのだ。
 私はその穂先を栄螺さんの、子供を一人産んだ女のものとは思えない程の美しく張りのある乳房に近づけていった。そしてまず乳房全体を円を描くように穂先でなぞる。

「あ! いやああっ! や、やめてください!先生!」

 穂先が触れた途端にビクン!と震える栄螺さん。穂先の円の動きは徐々に乳首へと向かってゆく。そして穂先が乳首を捉えた瞬間に筆に微小振動を加えると栄螺さんは「あんっ!」と叫んだ。

「いかがですかな?栄螺さん。気持ち良いでしょう? 感じていらっしゃるのでしょう? ここの防音は完璧です。遠慮なく歓喜の声をお上げなさい!」

 すると栄螺さんは歯を食い縛りながら首を左右に振り、
「んっ! ん、ん、か、感じてなんかいないわ! 感じて…なんか…あっ、あぁっ!」
 と必死に否定するが、感じていないと言うにはどう見ても無理がある。なぜなら既に乳首が大きく勃起しているからだ。そして更なる確証として股間の陰裂が責め始める前と比べて明らかに開きを増してきているからだ。そしてその陰裂の間からは粘液が光る様が見える。

「感じていらっしゃらないですと? では最も敏感な部分を責めるしか無いではありませんか」
 そう言うと私は、栄螺さんの両肩をドンッ!と後ろに突く。栄螺さんは「キャア!」と叫んで、胡座を掻いた状態のまま後ろに倒れる。そして私は胡座を掻いた下側から股間の陰裂に筆を這わせる。
 まず陰裂の上端から肛門までサワサワを筆を走らせる。肛門で柔らかな穂先を回す様に動かした後、また上端までサワサワと筆を戻してゆく。それを強弱をつけ、バリエーションを加えながら繰り返す。

 効果テキメンであった。栄螺さんの体は…自らの『女の性』に脆くも敗北した。だがまだ心は屈服一歩手前なようだ。

「あ! アン!アン!あああんっ! イ、イヤあああっ! ああっ!マスオさぁ〜ん! あああ〜んッ!」
 
 (フッ、この期に及んで「マスオさ〜ん」か。こんな乱れ様はマスオさんにも見せた事は無いだろうにな)

「どうです?まだ感じないのですか!」

「ああっ! あああっ! かん…感、じ、て…な、ん、か…」

「そうですか、じゃあこれでも意地を張りますか?」

 そう言うと私は、ついに栄螺さんの陰裂内部に穂先を侵入させ、トドメの究極性感ポイント陰核に穂先を這わした。陰液をタップリ含んでヌルついた穂先が陰核を絶妙な感触で突き、撫で回す。

 その途端! 喘ぎ声が「ハッ!ハッ!ハッ!」と小刻みな声に変わり、胡座を掻いた下半身がビクビクと痙攣をし始めた。

 私はトドメに言う。
「感じないのならもう止めてもいいんですよ! やめちゃいますよ! どうするんです栄螺さん!」

「ハッ、ハッ、はあっ、か、感じ…感じるの! 止めないで! お願い!逝かせてえ〜!」

「うん、よく言いましたね。じゃ、逝きましょうね栄螺さん」
 そう言うと私は陰核に最終筆技を施した。

「アッ、アァッ、逝く!逝くわ! 逝くぅうう〜!!」

 栄螺さんは…。己の性に対する自制心の全てを開放して調教され、号泣しながら…逝った。

 私はグッタリと弛緩状態にある栄螺さんの緊縛を解き、バスローブを着せてソファーに横たわらせる。栄螺さんは放心状態であらぬ方向を見つめている。

「ありがとう。素敵でしたよ栄螺さん。私もこれで最高の小説が書けることでしょう」

「さて、取材協力のお礼に一つ教えてあげましょうか? 栄螺さん、私がなぜアナタに目を付けたのかを。実はね、マスオさんがきっかけなんですよ。以前にマスオさんと雑談した際に「こないだ栄螺に手錠プレイで責めましたらね、あの栄螺がえらい感じようで失神しちゃったんですよ! 女の性というのは正直なもんですねえ伊佐坂先生」と話してくれたからなのですよ」
「あっ、それとですね、あなたの痴態を納めたDVDはマスオさんに差し上げる事になっているんですよ。でもマスオさんを責めちゃいけませんよ! 美しい妻の痴態を客観的視点で見てみたい…それは男の性という物ですから」
 と、私は栄螺さんに真実を告げました。それが私の誠意と謝罪の代わりなのでした。

 その後、栄螺さんは私を訴えるような事もせず、いつも通りの隣家付き合いが続いています。

 そして数ヶ月後。発売になった私の新境地であるSM小説のタイトルは…
 『若妻調教 栄螺の緊縛壺焼き』というのでした。

 ええ、もちろんバカ売れで重版増刷決定ですよ。
 えっ? 初めて書いたSM小説が何故そんなにバカ売れするのかですって?

 それはね…。あの痴態を納めたDVDが付録として付いてるからですよ。
 栄螺さんには内緒ですがね。犯罪だあ? ワシゃ知らん! 
 
 


 

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