明日も晴れるかな・・・
2006/06/18 10:15 登録: 名無しさん
6月になるとある小さい頃の体験を思い出してしまうんですよ。
この雨の多い季節、晴れの日は貴重ですよね。やっぱりあの子はもう帰らないんだろうか・・・
文才ないから上手く書けませんができるだけがんばってみます。
それは私が中学2年生の頃でした。私はクラスでどちらかというといじめられ体質でいた。とはいっても殴られたりするわけではなくいじられキャラだったり物を隠されたりする程度でしたが。そのため勿論彼女などいなく告白も一度も経験がありませんでした。
ですがそんな僕にもクラスに一人だけ中のいい女の子がいまいた。(以後K)Kはクラスでも頭がかなりいいほうで顔はまぁ普通でしたのでたいしてモテる方ではなかったんですがやさしい子で影でいつも励ましてくれました。いつもやさしくしてもらってる内に僕はKの事が好きになってしまいました。僕はKに好きなってもらえるよう努力しました。今まで気にしたことも無い髪形を変えたり、本で女性の心を掴む方法を探したり。
でも結局Kと付き合う事はなかったんですけどね。 。゜(ノ∀')゜。ギャハハ
・・・そんなKにある日異変がありました。体育の授業中突然倒れて意識不明。
そのまま病院に搬送されました。お見舞いに行こうとも考えましたがチキンな私でしたので二人きりで話なんて無理だと思ってあきらめていました。でも、一週間入院しても学校にこないKがやはり心配で家にあったリンゴとバナナを持って(とりあえずフルーツが必要と思ったんですorz)病院にいきました。病室にいた彼女は窓から大雨の外をみていました。
私は「ぇっと・・・ぁぁ大丈夫?」と緊張ながらに聞きました。
K「うん。わざわざ来てくれたんだ。ぁれ?何それリンゴとバナナ?」と言うと小さく笑っていました。私も顔を赤らめながら一緒に笑っていたんですが途中でKの笑いがせきに変わるのを見て不安になりました。
私は「ぁ・・・何か体調悪いみたいだし今日は帰るね・・・じゃぁ」と言って駆け足でその場を去りました。
その日帰ったらもう8時で母親に怒られました。
それからは晴れた日にだけ自転車でいくことにしました。
そのときは丁度6月で雨の多い時期だったので晴れる日なんてほとんどなかったので病院にいける日は貴重でした。
それでも病院にいくたびに彼女と学校の話をしたり、ゲームをしたりしていました。
あれはきっと12日のことだったと思います。その日は午後から晴れていたので病院にお見舞いに行きました。彼女の腕はもう骨と皮しかなく顔も真っ白で見ていて辛かったです。でも彼女の瞳だけはいつまでも輝いていました。
人形を作っていたみたいで男女の人形がおいてありました。
その日もいつものように楽しく話をしている内にすぐ夕暮れになりました。
私が帰ろうと思い病室の扉をあけた瞬間にそっとKがつぶやきました。
「明日も・・晴れるといいな・・・」
次の日の天気は曇りのち晴れでした。私は学校を終えると猛ダッシュで病院に向かいました。そこにはもう彼女はいませんでした。病室には真っ白なベッドが置かれていて私は最初彼女が退院したんだと思い込んでいましたが、看護婦さんに
「Kちゃんね・・・今日の朝に亡くなったの、突然容態が悪化してね・・・」
と告げられました。泣きました。病院のフロアの人に聞こえるほどの声で泣きました。
次の日もなぜか病院にいってしまいました。もう、彼女はいないのに・・・
受付で昨日の看護婦さんに彼女の病室に残っていた日記と缶を渡されました。
家に帰ってその日記を開くとこう書いてありました。
「6月12日
今日もSが来てくれた。Sが来てくれると元気がでる。さっき天気予報みたけど曇りのち雨だって。でも、きっと晴れるよね。S 好き だ よ・・」
この日記を読んだとき涙がとまりませんだした。「何で彼女なんだ・・・何で彼女が死ななきゃいけないんだ」と心の底で神様を恨みました。
そして缶の中には二つの男女の人形が入っていました。底には手紙が貼ってあってその手紙には「これはSが晴れ日に休まず私が退院するまで来てくれた皆勤賞です」
と書いてありました。彼女は退院できると信じていたんです。なのに・・・・・
それからは全てを失った気分になりました。愛する人を失うってこういうことなんだと実感しました。
現在私は27歳です。結婚をしています。相手はとても優しい人です。
子供もいます。今5歳です。
昨日は晴れていたので家族でドライブをしました。帰るときに子供がいっていました。
「明日も晴れるといいな」って
出典:オリジナル
リンク:オリジナル

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