精子提供者に寝取られた人妻

2023/02/05 12:55 登録: えっちな名無しさん


不妊により子宝に恵まれない一組の相思相愛の夫婦。

夫の無精子症が不妊の原因だった。

どうしても子供が欲しいと願っていた夫婦は、話し合った結果、同じ遺伝子の夫の弟に精子提供をお願いすることに・・



しかし、この選択により幸せな夫婦の絆と未来が崩壊していく。

子作りのために義理の弟と嫌々ながらも体を重ねていく内に、人妻の心と体は淫らに変化していく。

夫一途の美しい人妻が、義理の弟に心と体を浸食され寝取られていく姿を描いています。

救いようのないディーブな寝取られ小説がお好きな方におすすめの内容になっています。



第一章:不妊に悩んだ夫婦の苦悩の選択
第二章:望まない快楽
第三章:夫以外の男の精液を受け入れた人妻
第四章:再び交わる人妻と精子提供者の義弟
第五章:精子提供者からの黒い提案
第六章:精子提供者に奪われた人妻の唇
第七章:揺れる人妻の心と体
第八章:本物の雄に堕ちる人妻
最終章:精子提供者に心まで奪われた人妻



第一章:不妊に悩んだ夫婦の苦悩の選択

主要登場人物
・近藤俊博(夫)
・近藤由美(妻)
・近藤海斗(弟)

近藤夫婦は、結婚5年目で誰もが羨むような相思相愛の幸せな夫婦。

夫の俊博は、30歳で大手通信会社の営業マン。

妻の由美は、26歳でファッションデザイナーだったが、俊博との結婚を機に退職し専業主婦になった。

結婚前から、二人は子供は最低でも3人は欲しいと語り合っていた。

結婚2年目から子作りを開始したが、3年が経過した今でも子宝に恵まれないでいた。

最初の頃は、すぐにできるだろうと楽観的に考えていたが、次第に不安に感じるようになっていた。

不妊に悩んだ俊博は、原因が自分にあるのではないかと感じるようになっていた。

ある日、俊博は妻の由美に自分が不安に感じていることを告げることにした。




俊博「由美、ちょっと話があるんだけどいいか?」

いつもより、少しくらいトーンで声をかける俊博

由美「んー?どうしたの?」

由美はいつものように少し高くかわいい声で聴き返す。

俊博「実は前から少し気になっていることがあるんだ。・・・子供のことなんだけど・・」

由美「子供のこと?どうしたの?」

俊博「3年も頑張ってるけど、できないのは、もしかしたら自分に原因があるのかもしれない。だから今度の休みの日に病院で診てもらおうと思う。」

俊博は、不妊の原因が自分にあるのではないかと、不安な胸の内を由美に伝えた。

由美は少し驚いた顔をしたが、さすがに3年も妊娠できないのは、何か原因があるのではないかと由美自身も薄々感じていたようだった。

由美「もしかしたら、私に原因があるかもしれないよね。だから一緒に病院に行って診てもらおうよ。」

そう由美は少し不安そうな表情で俊博に伝えた。

俊博は、由美の予想外のリアクションに少し驚いてしまい、少し気まずい雰囲気になってしまった。

由美「もし、私が原因で赤ちゃんができないってわかったら、俊博は私のこと嫌いになる?」

少し泣きそうな顔をして、大きなパッチリ二重で俊博の顔を見つめる由美。

俊博「たとえ由美が原因だったとして、俺が由美のこと嫌いになるわけないでしょ。逆に僕が原因だったら、由美は俺のこと嫌いになる?」

今度は俊博が不安そうな表情で由美に問いかける。

由美「私は俊博のこと愛しているから、俊博が原因で赤ちゃんができなくても大丈夫だよ。俊博が隣に居てくれるだけで幸せだよ。」

そう俊博にあどけない笑顔で少し照れながら答える由美。

俊博は、そんな由美が愛おしくなり抱きしめた。




次の週の平日に、俊博は有休を使い妻の由美と共に病院を訪れていた。

産婦人科に行き、俊博と由美はお互いに検査してもらった。

二人とも初めてのことだったため、不安な気持ちで検査を受けた。

産婦人科での検査は、あっという間に終わったが、結果が出るまでには時間が必要だと先生から告げられた。

検査の結果は、来週告げられるとのことで、結果ができるまでの期間は二人は不安にな気持ちで押しつぶされそうになっていた。

俊博の脳裏には、悪い結果ばかりが浮かび、仕事に集中できずに私生活にも影響が出るくらいの精神状態だった。

不安な気持ちを隠すことができずに、暗い表情で自宅に帰る俊博。

由美「おかえりー!今日は俊博の好きなすき焼きにしたよ!」

家に帰ると、俊博とは相性的に明るく元気ないつも通りの妻の由美が明るく出迎えてくれた。

不安な気持ちで押しつぶされそうになっている俊博だったが、由美の声を聴くだけで心が少し軽くなった。

本当は、由美も不妊の原因が自分にあるのではないかと不安な気持ちになっていた。

俊博「ただいまー!由美の顔見ると不安な気持ちが吹き飛ぶよ!ありがとう」

俊博は明るく振る舞う由美の姿を見て、不安な気持ちを隠せずに暗くなっていた自分の態度を恥じた。

そして、検査から10日後の昼頃、俊博の携帯が鳴った。

着信は、不妊検査を受けた病院からだった。

ドックン ドックン 心臓の鼓動が一気に早くなるのを俊博は感じながら電話に出た。

俊博「もしもし、お世話になっております。近藤です。」

先生「お世話になっております。先週受けていただきました検査の結果がでました。お伝えしたいことがありますので、お時間がある時にご主人だけで構いませんので病院に来ていただけますか?」

なぜ自分だけなんだ?

俊博の全身から嫌な汗が流れ出た。

翌日、俊博は検査結果を聞くために病院を訪れていた。

妻の由美には、検査結果が出たことは伝えていなかった。

看護師「近藤さん・・いらっしゃいますか?先生がお呼びですよ。」

看護師の呼びかけに、俊博は体をビクつかせながら、緊張した面持ちで診察室に向かった。

診察室で先生から聞いた言葉は、俊博が一番聞きたくなかった言葉だった。

検査の結果、俊博は「無精子症」であることが判明した・・・・・

無精子症とは、精液中に精子が全く見られない状態をいう。

俊博は、由美に内緒で精液検査を2回受けていたが、2回とも精子が確認できなかったため、今回正式な診断として無精子症であると判断されたのである。

「無精子症」・・・・その言葉だけは絶対に聞きたくなかった。

俊博は、呆然としながら先生の話を聞いていたが、何も話が頭に入らなかった。

病院から自宅に帰るまでのことは、何も記憶にないくらい俊博は動揺していた。

いや、絶望して自分の運命を呪っていた。

どうして自分なんだ?

今まで由美と妊活を頑張ってきたが、子供ができないのは全て自分のせいだということを理解した。

俊博は、絶望しながら実家に帰ると、いつも通り陽気で明るい表情で由美が出迎えてくれた。

由美「俊博〜おかえり!今日はちょっと早いね」

俊博はそんな明るく出迎えてくれた由美の顔を直視できずにいた。

子供ができないのが、全て自分が原因であることがわかり、由美に合わす顔がないと考えていたからだ。

いつもと違う様子の俊博に気づいた由美は、不安な表情を浮かべながら俊博にこう問いかけた。

由美「俊博元気ないけど大丈夫?会社で何かあったの?」

自分のことを優しく気遣ってくれる由美の優しさが、今の俊博には逆に辛かった。

俊博は、検査結果のことをすぐに由美に伝えることができなかった。

それから数日が経過した。

俊博は、自分なりに子供を作る方法について本やインターネットで調べた。

現実を受け入れられないまま、俊博は数日考え込みながら、ある決断をすることになる。

その決断が、俊博と由美の絆を引き裂き夫婦関係が崩壊する引き金になることを知らずに・・・・

ある日、仕事から帰ると、大事な話があると言い、由美をソファーに座らせた。

俊博「実は、検査結果が出たんだ」

由美「えっ!?そうなの?結果はどうだったの?」

この時、すでに由美の検査結果も出ており、不妊の原因は由美でないことはわかっている状況だった。

俊博「言いにくいんだけど、子供ができない原因は完全に俺だったみたい。先生からは無精子症って言われた。」

由美「無精子症・・・・・?」

由美は状況が呑み込めないため、キョトンとした表情で俊博のことを見つけていた。

俊博は、由美に無精子症のことや、自分が今まで本やインターネットで調べて得た情報を元に、現状では自力で子作りすることが難しいと告げた。

由美「・・・・・・」

俊博の話を無言で聞いていた由美だったが、少しずつ状況を理解した。

由美の大きな目からポロポロと小粒の涙が流れ落ちていく。

俊博は、自分が無精子症であることを告げるタイミングで、最悪の場合、離婚も覚悟していた。

しかし、由美の口から出た言葉は、俊博が予想していた言葉とはまったく違っていた。

由美「正直に話してくれてありがとう。つらかったね。何も気づいてあげられなくて本当にごめんね。」

ひどく落ち込む俊博の顔を見て、泣きながらも優しくそう告げる由美。

俊博は、そんな由美の優しさに感謝しながらも、我慢してため込んでいた気持ちが溢れ出てしまいその場で号泣した。

泣き崩れる俊博のことを、小さな体でそっと抱きしめる由美。

由美「私は、何があっても俊博の隣にいるから大丈夫だよ。だから何も心配しないで」

不妊症という現実を受け止められず、絶望していた俊博だったが、妻の由美の優しさに救われた。




しばらくして落ち着くを取り戻した俊博は、由美のことを抱きしめキスをした。

その日は、二人は抱き合いながらベットで深い眠りについた。




それから数日が経過したある日、俊博はある決意をしていた。

その日の夜、由美に大事な話があるといい、話し合いの場をつくった。

俊博「色々調べたんだけど、無精子症の俺だけの力だと子供が作れないんだ。由美は子供ほしいよね?」

由美「子供は欲しいけど、無理なら仕方ないじゃん。私は俊博と一緒にいられるだけで幸せだよ」

由美のその言葉に俊博は決意が揺らぎそうになった。

俊博「ありがとう。でも俺も由美との子供が欲しい。どうしても由美と幸せな家庭を築きたいんだ。」

俊博の鬼気迫るような表情と力強い言葉に、由美は少し驚いた。

由美「ありがとう。嬉しいよ。でも・・・・・・・・仕方ないこともあるじゃん。」

由美は少し気まずそうな表情でそう俊博に伝えた。

俊博「俺は無精子症だから、正確に言うと俺たちの子供は難しい。でも他のやり方なら・・・」

俊博は、神妙な面持ちで由美にそう話すが、話の途中で黙ってしまう。

由美「他のやり方って何?」

不安そうな表情をしながら由美は俊博にそう問いかけた。

俊博「由美は海斗のこと覚えてる?」

海斗は、俊博の実の弟で現在27歳。

地元の進学校を卒業後に約4年間建築関係の職人として修業し独立して起業した。

もともと腕が良く、会社は急激に成長し、今では従業員は100名前後に増え、地元ではトップクラスの土建屋の若手社長として成功していた。

容姿端麗で、芸能人クラスの美顔の持ち主で頭の回転も速い。

正直な話、兄の俊博とは比べ物にならないくらい優秀な人物だった。

由美「海斗さん?俊博の弟でしょ?結婚式以来会ってないけど、覚えてるよ。」

少し沈黙してから、神妙な表情で俊博は由美に問いかけた。

俊博「実は、俺の実の弟の海斗に精子提供を頼もうと思ってるんだ。」

由美は、状況が呑み込めずキョトンとした表情をしたが、すぐに理解した。

由美「精子提供って・・その・・・海斗さんと私で子供を作るってこと?」

大きな目を見開きながら、驚いた表情で俊博を見つめる由美。

俊博「自分なりに色々考えた結果なんだ。俺は、どうしても子供を作って由美と幸せな家庭を築きたい。だけど、誰だか知らない他人の子供だと、愛せる自信がないんだ。でも、血を分けた信頼できる弟の海斗と由美の子供なら愛せる。」

由美「私も俊博と子供作って幸せな家庭を築きたいって思ってるよ。でも俊博以外の男性と子作りなんてできないよ。私は、俊博じゃないと嫌なの。」

由美のその言葉に、俊博は決意が揺らぎそうになる自分を精一杯の気持ちで抑え込む。

今にして思うと、この時に由美の気持ちを尊重しておけば、あのような悲劇は起こらなかった。

しかし、この時の俊博には、子供を作って由美と幸せな家庭を築く未来しか視えていなかった。

こんなにも自分のことを愛してくれる由美が、自分の前からいなくなる未来なんて、この時の俊博には想像もできなかった。

そして、俊博は由美にこれからやろうとしていることや自分の考えを冷静に由美に伝えた。

数日間の長い話し合いの結果、由美は嫌々ながらも精子提供による妊活を受け入れた。




精子提供には2種類のやり方がある。

?タイミング療法・・自然なセックスにより精子提供を行う方法

?シリンジ療法・・精液を注射器のようなものに入れ、女性の膣内に注入する方法




当然だが、俊博は実際にセックスするタイミング療法は、選択肢に入れていなかった。

実の弟とはいえ、自分以外の男と愛する妻がセックスするなんて想像するだけでも絶望的だった。

由美も、俊博意外の男性とセックスするなんて考えられないといい、シリンジ療法以外なら精子提供は断る姿勢を崩さなかった。




由美の了承も得たことで、俊博は弟の海斗に状況を説明し精子提供者になってくれるようお願いすることにした。

精子提供の相手を海斗に指名したのは俊博だったが、実は俊博は海斗のことがそこまで好ではなかった。

海斗は幼い頃から優秀で、勉強もスポーツも恋愛も何もかも全てが自分よりも勝っていた。

俊博はそんな海斗と幼い頃から比較されることが多く、海斗に対して常に劣等感を感じていた。

兄弟だが、外見は全く似てない。海斗は身長は180cmもあり、元建設業の職人だけあり筋肉質。

顔は美形で、そこらへんの芸能人よりも遥かにイケメンだった。

逆に俊博は、身長は165cmで中肉中背で、顔はどこにでもいるような冴えない年相応の男性という感じだった。

俊博自身も、自分が弟の海斗に様々な面で劣っていることは理解していた。

そのため、血を分けた弟とはいえ、本当なら海斗に頼ることはしたくなかった。

しかし、由美との明るい未来のため、そして子供を作りたいという愛する由美の願いを叶えてあげたい一心で、この世で唯一血を分けた弟の海斗を精子提供者として選んだ。

本当なら自分の精子で愛する由美を妊娠させて、自分たちの子供を作りたかった。

なぜ俺は無精子症なんだ?そう心の中で屈辱と劣等感にまみれながら海斗の自宅を訪ねた。

海斗の自宅は、いかにも成功者の金持ちが住んでいそうな豪邸だった。

弟とはいえ、約2年ぶりの再会に俊博は少し緊張していた。

ピンポーン ピンポーン

2回チャイムを鳴らすと、成功者の風格を漂わせた海斗が明るく出迎えてくれた。

海斗「久しぶりだね兄貴。ちょっと太った?」

俊博「まぁね・・それより、今日は急に悪いね。ちょっと海斗にしか頼めない話があってさ・・」

海斗「急だったからビックリしたよ。まぁ、ここじゃなんだから中に入ってよ。」

2年ぶりの急な訪問に海斗は愛想よく対応してくれた。

俊博は、弟の海斗に対して強い劣等感を感じているが、逆に海斗は俊博のことを優しい兄貴として慕っていた。

海斗の家の中に入ると、自分の自宅の倍以上広い豪邸だと再認識した。

経済的にも社会的に成功している海斗に、俊博はここでも強い劣等感を感じてしまっていた。

海斗「久しぶりに会えて嬉しいよ。で話って何かあったのか兄貴」

俊博「実は今日は海斗に相談・・・・というかお願いがあってきたんだ。」

俊博は、海斗にこれまでの経緯を詳しく説明した。

俊博の話を全て聞き終わり、状況を理解すると海斗は、何か考え込んだ様子でしばらく沈黙した。

見たことがないような海斗の普段とは違った表情と雰囲気に俊博は圧倒され沈黙した。




しばらく考え込んでいた海斗は、俊博の顔を見ながら沈黙を破った。

海斗「兄貴には、子供の頃から良くしてもらって今でも本当に感謝している。だから俺なんかで良ければ協力させてもらうよ。でも、兄貴は本当にそれで大丈夫なのか?」

俊博「ありがとう。正直、かなり悩んだ。でもどうしても由美との子供がほしいんだ。例えそれが本当の俺の子供でなかったとしても。」

海斗「でも奥さんは俺の精子で大丈夫なの?由美さんだっけ?兄貴の結婚式以来会っていないけど。」

俊博「由美としっかり話し合った結果なんだ。それに血を分けた海斗の子供なら、俺も愛することができると思っている。だから、こんなことは実の弟のお前にしかお願いできないんだ。」

海斗「わかったよ。俺も兄貴たちの力になりたいから協力させてよ。で具体的にこれからどうすればいいの?」




気持ちよく精子提供を了承してくれた海斗に感謝しつつ、俊博は今後やってもらいたいことを淡々と説明した。

?海斗にも精子検査を受けてもらう

?何も以上が無ければ、病院を通して精子提供をしてもらう

?結果は、俊博から海斗に伝える




海斗「了解だよ。俺は、検査を受けて精子を提供するだけでいいんだね?奥さんに挨拶はしなくて大丈夫なの?」

俊博「由美には、俺から伝えておくから大丈夫だよ。それにデリケートな話だから、由美も恥ずかしいみたい。だから悪いけど直接会うのは控えてほしんだ。」

海斗にはそう伝えたが、実は由美からも海斗に挨拶をした方がよいか相談されていた。

俊博は、二人を直接会わせたくないため、このような嘘をついた。

心のどこかで、由美と海斗が急接近する状況を避けたいと思っていたからだ。

この時の俊博の直感は当たっていた。

精子提供者に海斗を選んだことにより、由美と俊博の心は少しずつ離れていくことになる。

この時の俊博には、そんな未来は想像できずにいた・・・・・・・・・・・




お互い話し合い、無精子症の自分と血を分けた弟の海斗の精子も念のため調べてもらうことにした。

自分の精子も調べた方がいいと、海斗は自分から積極的に検査を受けてくれた。

それから数週間が経過し、俊博の元に海斗から検査結果の連絡がきた。

検査の結果、海斗の精子は正常で、女性を妊娠させる力があることがわかった。

この知らせを聞いた時、俊博は少し複雑な気持ちを抱いてしまった。

協力してくれる海斗に対して、自分の中の黒い感情を抑えられない自分を恥じた。




海斗からの連絡を受けたその日の夜に、俊博はシリンズ療法による妊活を始めることを由美に話すことにした。

俊博「海斗から連絡がきて、精子に異常がないことがわかった。だからさっそくシリンジ療法で妊活を始めようと思うんだけど、由美はどう考えてる?」

由美「うーん。協力してくれる海斗さんに悪いから、早く始めて終わらせた方がいいよね。」

由美の態度を見ていると、正直なところ精子提供による妊活に乗る気でないことはすぐにわかった。

しかし、もう後戻りはできない。俊博は少し強引に話を進め、すぐに始めることで話はまとまった。




話し合いが終わったその日の夜、由美は不安からか、一緒にベットで寝ている俊博に抱きつき甘えた。

由美「俊博・・・・・しよ?」

少し遠慮するような声で、由美は俊博に抱きつきながら言った。

俊博は、無言で由美を抱きしめ、キスをした。

キスをしながら、由美のパジャマを脱がせ裸にしていく。

小さい体とは対照的なDカップの形の良い胸を優しく触りながら愛撫していく。

由美「ん・・・・ぁ・・・・」

俊博が由美の乳首をペロペロと舐めると感じて可愛い声を出して感じ始めた。

そのまま、ズボンと下着も脱がせて裸にすると、由美の秘部を手で触って慣れしていく。




由美は俊博以外の男性とセックスをしたことがない。

初体験は俊博で、経験人数は俊博1人だけだった。

俊博も女性に対して苦手意識が強いため、経験人数は由美だけだった。

そのため、お互いにセックスに対して不慣れで結婚した今でも、どこかぎこちない感じのセックスをしていた。

女性経験が少ないためか、俊博はセックスがあまり得意ではなく、由美の秘部を濡らせることができない。

また由美も俊博と同じくセックスに対して苦手意識が強く、フェラなどの行為は、恥ずかしがり夫の俊博にさえしたことがなかった。

俊博「はぁ・・はぁ・・どう由美気持ちいい?」

下手なりに由美を感じさせようと一生懸命に愛撫と手マンをしている俊博に由美は合わせるように答える

由美「はぁはぁ・・ぁん・・・きもちいいよ俊彦」

由美は俊彦に合わせるように答えるが、実はあまり俊博とのセックスで感じることができずにいた。

優しい性格の由美は、俊博が気にしないように感じているように演技していた。

男性経験が俊博のみだったためか、由美の体は開発されておらず、遊んでいる女性と比べると、感じにくい体質だった。

そのため、由美の秘部は濡れずらく、挿入する時は俊博が舐めて唾液で無理やり濡らして挿入する形が、二人のセックスでは当たり前の行為になっていた。

俊博も、由美しか女性を知らないため、それが普通であると勘違いしていた。

俊博「由美・・そろそろ入れていい?」

俊博がいつものように少し興奮した感じで由美に問いかける

由美「うん・・・・いいよ・・・きて俊博」

由美が恥ずかしながらそう言うと、俊博は正常位の体勢で由美の秘部に自分の性器を当てがった。

由美の秘部はあまり濡れていないため、挿入はいつも少し手間取ってしまう。

俊博は、由美の秘部に自分の唾をつけて無理やり濡らすと、不慣れな感じで自分の性器を挿入した。

由美「はぁはぁ・・・あぁ・・ん・・・ぁん」

俊博「はぁはぁ・・由美・・どう気持ちい?」

俊博は由美に挿入すると細身な体を揺らしながら由美を感じさせようと必死に動いていた。

由美「あぁん・・・はぁ・・・ぁ・・・ん」

由美は俊博の動きに合わせて喘ぎ声を出して感じるふりをしていた。

正常位で重なり合い5分も経過しないうちに、俊博は早くも射精の体勢になっていた。

俊博「はぁはぁ・・由美・・・ごめん・・・もうイキそうだよ・・・」

由美「ぁん・・はぁ・・・いいよ・・・俊博」

由美がそう言うと、すぐに俊博は由美の中でイってしまった。

俊博「はぁはぁ・・由美・・・ごめんね・・いつも俺ばっかり満足しちゃって」

セックスの後に俊博が由美に謝るのも二人のセックスでは当たり前の感じになっていた。

由美「はぁ・・そんなこと気にしなくていいよ。私は俊博とこうしてるだけで幸せだから。」

由美はそういうと、俊博の頼りない細い体抱きつき甘えるようにキスをした。

由美「俊博大好き。」

そう言うと、由美は恥ずかしそうに俊博の薄い胸板に顔を埋めまた抱きついた。

俊博はそんな由美のことが愛おしくなり、細い体で強く抱きしめた。

由美の言葉に嘘はなかった。夫である俊博のことを本当に愛しているため、セックスは気持ちよくなくてもいいと考えていた。

実際に、由美は俊博とのセックスであまり感じることができずにいたのだから・・・・・

必要ないと考えたセックス・・・後にこれが愛し合う二人の気持ちを引き離していく引き金になるとは、この時の二人はまだ知らない。

第二章:望まない快楽

その日の週末、俊博は妻の由美と共に海斗の豪邸を訪れた。

シリンジ法による不妊治療について、実際に始める前に3人で一度会って話し合うためだった。

これは、由美からの提案だった。

俊博としては、正直ところ由美と海斗を会わせたくないというのが本音だった。

しかし、由美がどうしても一度3人で話し合ってから治療を始めたいと希望しその意思を曲げなかった。

由美は意思の固い性格で、一度自分で決めたら他人の意見は聞かない性格ということを俊彦は知っていた。

そのため、由美の意思を素直に聞いて、海斗に話し合いの時間を取ってもらった。

由美は、過去に経験したことがないくらい緊張していた。

これから会うのは、自分の子供の本当の父親になる男だから緊張するのは当たり前だった。




海斗の自宅に到着すると、由美は驚いた表情を隠せずにいた。

まったく想像していないような、ドラマや映画でしか見たことがないような豪邸だったからだ。

由美「すごーい。こんな豪邸自分の目で見たの初めてだよ。海斗さんってお金持ちなの?」

俊博「海斗は会社を自分で立ち上げて成功しちゃったからね。お金はたくさん持ってるみたいだよ。」

由美「ふ〜ん。社長さんなんだぁ。結婚式で初めて会った時は、ちょっとチャラそうな感じの人だなぁって思ったけど。」

俊博「海斗はイケメンだからチャラそうに見られるんだよね。根は真面目な奴だから大丈夫だよ」

社会的に成功して豪邸に住んでいる海斗に男として嫉妬していることを隠して由美と話す俊博。

イライラしながら、海斗の豪邸の高級そうなインターホンを押した。

ピンポーン。インターホンを鳴らすと、すぐに海斗が応答してくれた。

「おはよう兄貴。すぐ行くからちょっと待ってて。」

少しゴツい低い声で海斗が応答した。

海斗と会うのは結婚式以来初めだった。由美の緊張は限界に達した。

「ガチャッ」豪邸に似合う少し大きめのドアが開くと、大柄なイケメン男性が由美の目の前に現れた。

海斗「兄貴よく来てくれたね。」

俊博「海斗また急に時間取ってもらってごめんな。」

海斗「大丈夫だよ。不妊治療の件だろ?大事なことなんだから、ちゃんと話し合わないとね。」

由美は心臓をバクバクさせながら二人の会話を聞いていた。

由美は驚いていた。想像していた海斗とはまったく違う男性が目の前に現れたのだから。

結婚式で会った時は、そこらへんにいるようなチャラいイケメンの若者という印象だった。

しかし、数年ぶりに自分の目の前に現れた海斗は、短髪・色黒・筋肉質・高身長のまさに爽やかなイケメンアスリートという感じだった。

低身長で細身の俊博とは、まったく違うタイプで同じ兄弟なのかと疑ってしまうくらい二人は真逆のタイプだった。

海斗「由美さんお久しぶりです。たしか結婚式以来ですよね?今日はよろしくお願いします。」

俊博と海斗の外見の違いに驚いていた由美は、急に海斗に話しかけられてビクッとした。

由美「あっ・・お久しぶりです。その・・・今日はよろしくお願いします。」

大人しく人見知りな由美らしい、少し遠慮した感じの挨拶だった。

海斗「じゃぁ、とりあえず中に入って話そう。」

海斗は二人を家の中に招き入れると、少し高級そうなお菓子と紅茶を出してくれた。

由美は緊張が解けずに下を向きながら俊博に寄り添っていた。

3人はソファーに腰かけると、今後の不妊治療の流れを確認しあった。

話し合いの結果、シリンジ法は自宅でもできるが、安全に行うために病院で行うことにした。

海斗「調べたんだけど、シリンジ法の場合だと5回やれば90%は妊娠できるらしいよ。成功確率は高いみたいだから頑張ろう。」

海斗の優しさと真剣さに感謝する俊彦と由美。

俊博「本当にありがとう。海斗が弟で本当によかったよ。」

海斗「兄貴には子供の頃から助けられてるからね。これくらいさせてよ。でも、兄貴もさすがだね。こんな可愛い人を奥さんにできるなんて。羨ましいよ。」

海斗は、キリっとした綺麗で鋭い目を輝かせながら、由美を見て俊彦にそう話した。

由美は、お世辞と思っていながらも本気で恥ずかしくなり、海斗の顔を見れずに下を向いてしまった。

俊博「本当だよね。俺みたいに何も良いところが何もないような男と結婚してくれたわけだから。感謝してるよ」

由美「何言ってるの〜!俊博の良いところは私がいっぱい知ってるから大丈夫だよ」

由美は海斗の前でも恥ずかしがらずに俊博のことをフォローする。

海斗「そうだよ。兄貴は自分で思っているよりも長所が多いんだから。もっと自分に自信持てよ。」

由美に励まされると素直に喜べるが、弟の海斗に励まされると、どこか素直に喜べない自分が嫌で惨めになった。

海斗「それに由美さんほどの可愛いくて気が利く女性を奥さんにもらったんだから、自信持てよ。俺も由美さんみたいに可愛くて気が利く奥さんがほしいよ。」

俊博「お前なら楽勝だろ?成功してお金もあるし、外見だってイケメンじゃん。女の方から言い寄ってくるだろ?」

海斗「確かに俺は女からモテる。自分で言うのもなんだけどね。でも、理想の女性が自分の目の前に現れないんだ。由美さんみたいな女性と出会えればいいのになぁ」

海斗はそう言うと、綺麗な目でチラッと由美を見た。

目が合った由美は恥ずかしくなり、下を向いてしまう。

俊博「由美は俺の大事な奥さんだから絶対に手出すなよ。おまえは気に入った女性には昔から一直線だから。」

海斗「こんな相思相愛で幸せな夫婦に俺なんて入り込む隙間はありません。それに兄貴の大事な奥さんなんだから恐れ多くて手は出せるわけないでしょ。」

海斗と俊博は、笑いながら冗談を言い合っていた。

俊博と由美は、海斗からの言葉をお世辞と受け取っていたが、内心素直に喜んでいた。

しかし、海斗のこの言葉はお世辞や冗談ではなく本心だったことが、徐々に明らかになり俊博を追い詰めていく。




それから数日後、早くも一回目の不妊治療の日が訪れた。

俊博と由美は一緒に病院に行き、海斗は一人で病院に向かった。

3人との話し合いで、治療中はお互い会わない方がいいと意見が一致したためだった。

いよいよ治療が始まる。

自分から言い出したことだが、俊博は複雑な心境だった。

なぜなら、不妊治療が始まるということは、愛する由美の中に「自分以外の男の精子が入る」ことを意味する。

例え、それが信頼している弟の海斗の精子だったとしても・・・・・・・

すでに海斗の精子は回収された状態になっており、後はその精子を由美に挿入するだけの状況だった。

看護師「近藤ゆみさん、いらっしゃいますか?」

看護師から呼ばれた由美は、体をビクッとさせながら返事をして治療室の中に消えていった。




自分の精子が健康だったら、こんなつらい思いを由美にさせる必要もなかったのに。

どうして自分なんだ、どうして?自分の運命を呪いながら、由美を待つ俊博。




1時間もすると、不安そうな表情で治療室から由美が出てきた。

由美は、何も言わずに俊博に抱きつき泣いた。

俊博もそんな由美を無言で強く抱きしめた。

それから数週間が経過し、再度病院に行き診察を受けた。

結果は、残念なことに妊娠は確認されなかった。

由美は妊娠できなかったことにひどく落ち込み自分を責めた。

由美「妊娠できなくてごめんね。」

涙を流しながら謝る由美を抱きしめながら、俊博は自分を責めた。

1回目の治療が失敗したことを、すぐに海斗に伝えた。

海斗「そうか。でもまだ1回だけだろ?できるまで何回でもチャレンジすればいいじゃん。俺も協力するからさ」

俊博「本当にありがとう。感謝するよ。」

海斗の優しさに感謝しながら、俊博は落ち込んだ気持ちを抑え前向きに2回目の治療に向けて段取りを進めた。

数日が経過し、由美に2回目の不妊治療のことを伝えた。

俊博「由美、不妊治療のことなんだけど、海斗は妊娠できるまで協力するって言ってくれたんだけど、どうする?」

由美「海斗さんが、そう言ってくれるなら子供ができるまで頑張るよ。私は俊博との子供が欲しいもん。」

由美の言葉を聞いて、俊博は絶対に子供ができるまで諦めないと決意を新たにした。

それから2週間が経過し、2回目の不妊治療を行った。

結果はまたしても失敗だった・・・・・・

その後も、期間をおいて3回目、4回目、5回目とシリンジ法により不妊治療を行った。

しかし、結果は全て失敗だった。

俊博は本当に絶望した。

由美も精神的に追い詰められた様子で、とにかく泣いて落ち込んでいた。




俊博は、今後も不妊治療を継続するかどうか、相談するために海斗の豪邸を訪れていた。

俊博「実は、由美が落ち込んでいて、これからも不妊治療を継続する悩んでいるんだ」

海斗「なるほどね。でもここでやめたら、これまでの努力も全部無駄になってしまうだろ?それでいいの?」

海斗のその言葉を聞いて、俊博は沈黙した。しばらくの間、二人は沈黙し広い部屋には微妙な空気が流れた。

長い沈黙を破り海斗が口を開いた。

海斗「由美さんは本当のところ、どう思っているの?まだ不妊治療を続ける意思はあるの?」

俊博「由美とは再度話し合ったんだけど、やっぱり俺達はどうしても子供がほしい。だから不妊治療は続けるつもりだ。」

海斗「そう。子供ができるまで続ける覚悟があるんだね。」

少し海斗の雰囲気が変わった気がしたが、この時の俊博には、そんなことを気にしている余裕はなかった。

またしばらく広い部屋に沈黙が流れた。そして重い沈黙を破るように海斗が口を開いた。

海斗「兄貴、怒らないで聞いてほしいんだけどいいか?」

俊博「どうした?」

海斗「シリンジ法でだめなら、不妊治療のやり方を変える必要があるんじゃないか?もちろん上手くいく保証はないけど・・・・・・」

俊博は、海斗が何を言おうとしているのかすぐに理解できた。なぜなら、俊博も同じ事を考えてしまっていたのだから。

だが、その方法だけはしたくない。だからこそ、俊博は今までその方法には一切触れなかった。

俊博「違う方法って具体的に何か策はあるのか?」

本当は予想はついていたが、あえて何も知らないふりをして俊博は質問した。

海斗「ちょっと自分で調べたんだけどさ・・・その・・・不妊治療にはタイミング法ってやつもあるんだよ。」

海斗が提案した方法は、俊博が予想していた方法だった。

タイミング法とは、妊娠しやすい時期に直接性交渉して妊娠させる方法のことを指す。

つまり、由美と海斗がセックスして、直接海斗の健康な精子を由美の中に出して妊娠させるということだ。

俊博「俺も同じことを考えていたよ。でもそれだけはしたくなかった。正直に言うと例え血の繋がったお前でも由美には触れさせたくないんだ。」

海斗「そんなことはわかっているよ。俺だって兄貴の大事な奥さんには、触れたくないよ。でも、シリンジ法でダメならもうこの方法しか選択肢がないんじゃないか?」

海斗の言うことは正しかった。子供が欲しいなら、俊彦と由美にはもうこの方法しか道は残されていない。

しかし、この方法で不妊治療を行うということは、愛する妻の由美が、自分以外の男性に抱かれてしまうことを意味する。

由美が海斗抱かれることを想像するだけで、俊博は吐き気がして目の前が真っ暗になった。

海斗「二人でよく考えて決めてほしい。俺は二人に幸せになってほしいだけだから。協力できることは、全てやるつもりだから。頼ってくれよ。」

俊博「海斗・・・少し悪いが考えさせてくれ。由美とも相談して決めたい。」

絞り出すようにそう言うと、俊博は海斗の豪邸を後にし、呆然としながら自宅まで帰った。




それから数日間、由美には何も言えずに自分の中で考えこんでいた。

もし仮に、タイミング法で不妊治療をするなら、海斗以外の男性は考えられない。

実の弟でも気が狂いそうなのに、他人に由美の体を触られるなんて、とてもじゃないが耐えられない。




しかし、現状ではタイミング法での妊娠しか希望を見いだせない状況だった。

数日間考え抜いた結果、俊博は結論を出した。固い決意をし帰宅した。

俊博「由美ちょっと大事な話があるから、意見を聞かせてくれ。」

由美は、俊博のいつもとはまったく違う雰囲気を感じた。

由美「どうしたの?ちょっと顔色悪いよ?」




心配する由美にお礼を言いながら、俊博は重い口を開いた。




俊博「不妊治療のことなんだけどさ・・・」

由美「うん・・・・・結局妊娠できなかったね。」




何か申し訳なさそうにいう由美の姿が痛々しかった。




俊博「実は海斗と話し合ったんだけど、不妊治療のやり方を変えようかと考えているんだ」

由美「やり方を変えるって?他に方法があるの?」

由美はタイミング法のことをすっかり忘れているようだった。

俊博は、由美にタイミング法を再度わかりやすく淡々と説明した。

由美「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

由美の反応は当然だった。不妊治療とはいえ、海斗とセックスするなんて想像もしていなかったのだから。

説明を全て聞いた由美は、涙をボロボロと流しながら困惑した表情を見せた。

俊博「俺もこんなこと由美に言いたくなかった。誰にも由美を触れさせたくない。でも、子供を作るには現実的にこれしか方法がないんだ。」

由美「俊博はどうしたいの?」

涙を流しながら俊博の顔を見つめながら問いかける由美。

俊博「正直、自分でもどうしていいかわからない。でも由美と子供を作って幸せな家庭を築きたい。でも、由美のことを誰にも触れさせたくない。」

噓偽りない自分の正直な感情を、そのまま由美に素直に伝えた。

由美「・・・・・少し考えさせて。」

そう言葉を絞り出すと、由美はその日はすぐに寝てしまった。

それから1週間が経過したが、二人は普通通りに日常生活を送っていた。

ただ、不妊治療に関しては、あの日以降話題に出すことはなかった。

そんなある日の夜、由美から話があると切り出した。

由美「・・・この前の話の続きなんだけど。その・・不妊治療のこと・・・」

俊博「・・・・・うん。ごめんな、由美の気持ち考えないで変なこと言って。子供は諦めよう。」

あれから俊博も自分自答し、由美の負担のことも考え子供を諦める結論を出していた。

何よりも、愛する妻が自分以外の男性に抱かれて耐えられる自信がなかった。

由美「俊博・・私のこと嫌いにならないって約束できる?」

俊博「・・・?」

突然の由美の言葉に状況が理解できない俊博。

由美「考えたんだけど、私も絶対に子供がほしい。俊博と一緒に子育てがしたいの。」

由美の言葉を聞いて、俊博はやっと状況を理解することができた。

俊博「・・・じゃぁ・・・不妊治療を続けるってこと?タイミング法でもいいの?」

まさかの由美の決断に少し戸惑いを感じながらも、俊博は由美に問いかけた。

由美「…本当は嫌だよ。俊博以外の男性に触れられるだけでも絶対に嫌。でもこれしか方法がないなら・・・」

そう言うと、ボロボロと涙を流して泣いてしまう由美。

俊博「俺はどんなことがあっても由美のことを嫌いになってならないよ。だから、一緒に頑張ろう。」

そう由美のことを抱きしめながら話す俊博だったが、無意識に涙が溢れ出た。

その週末、俊博は海斗の自宅を訪れていた。

俊博「由美と話し合ったんだけど、不妊治療は継続したいと思う。」

海斗「そうか。でも治療法は、タイミング法で大丈夫なの?兄貴も由美さんも・・・」

少し気まずそうに海斗が問いただす。

俊博「由美としっかり話し合って出した結論なんだ。正直、俺も由美もこの方法だけは避けたかった。でも選択肢がこれしかないなら、俺たちはこの方法に頼るしかない。」

兄弟でも今まで感じたことがないような俊博の覚悟を感じた海斗。

海斗「わかった。兄貴がそこまで言うなら引き受けるよ。」

それから二人は今後について具体的な話を続け、1回目のタイミング法での不妊治療は、来週の週末に行うことにした。

タイミング法による不妊治療の場所は、海斗の自宅の空いている部屋で行うことにした。

俊博は、自分の自宅と考えていたが、海斗が気を聞かせて場所まで用意してくれた。

由美にも実際にタイミング法を行う場所について聞くと、自分の家で俊博以外に抱かれるのは嫌だと言っていたので、俊博は何も気にせずに海斗の提案を受け入れた。




俊博と海斗で話し合って決めた内容は主に次の5つだった。

?タイミング法を行う時は、必ず俊博が同席する

?できるだけ早く行為を終わらせる

?キスは禁止

?海斗と由美で連絡を取り合うことは禁止

?お互いに恋愛感情は絶対に抱かない




不妊治療とはいえ、大人の男女が体を重ねて繋がる。

一回で妊娠すればいいが、できるまでに何回も体を重ねることになるかもしれない。

いつどちらかの心が変化するか予想ができないため、俊博は不安に感じこのような決め事と制約を海斗に押し付けた。

俊博は金持ちでイケメンの海斗に由美の心を奪われてしまうのではないかと、密かに心配していた。

それくらい、兄の俊博から見ても海斗は男性として魅力的だった。

お金、社会的地位、筋肉質な体系、人間性、顔立ち、雰囲気・・・・何を比べても俊博が男として勝てる相手ではなかった。

一通り話を終えると、俊博は弟の海斗に強い劣等感を感じながら帰ろうとしたが、帰り際に海斗は俊博にこう言った。

海斗「兄貴。つらいのはわかるけど、頑張ろう。俺も協力するから。絶対に俺が由美さんを妊娠させるから。」

・・・海斗のこの発言に悪意がないことは理解できていた。

だが、この時の俊博からすると、屈辱以外の何物でもなかった。

「絶対に俺が由美さんを妊娠させるから」この海斗の言葉が俊彦の頭からずっと離れずにいた。

お互い不安な気持ちを隠しながら、日常生活を送っていた俊博と由美だったが、あっという間に週末は訪れた。

タイミング法による不妊治療当日、自宅から緊張した表情で海斗の自宅に向かう俊博と由美。

海斗の自宅に向かう道中、二人は無言だった。

特に由美は極限まで達した緊張を隠すことができず、普段のような笑顔は一切見せないような表情をしていた。

俊博は、そんな由美に気づき無言で手をギュッと握った。

由美もそれに気づき、無言で俊博の手をギュッと握り返した。

そして、海斗の豪邸の前に到着し、いつものようにインターホンを鳴らして海斗の応答を待った。

ガチャッ 「早かったね。今行くから待ってて。」

豪邸の大きな扉が開くと、いつもと変わらない様子で海斗が二人を出迎えた。

海斗「おはよう!とりあえず中に入って。」

二人はいつもと変わらない様子でリラックスした海斗の態度に少し驚いた。

いつもの部屋に案内された二人は、緊張が解けずにぎこちない様子でソファに腰かけた。

海斗は、そんな二人に気づき、リラックスしてもらうために不妊治療ではなく他愛もない雑談を始めた。

海斗は会社経営で成功しているだけあり、トークスキルも高く女性が喜びそうな話題をたくさん持っていた。

緊張して強張った表情をしていた由美だったが、海斗の話を聞くうちに次第にいつもの笑顔が似合う表情に戻っていた。

俊博は、二人に気を使って器用に由美の緊張を解いていく海斗を見て、男として嫉妬に近い感情を抱いていた。

1時間くらい、他愛もない雑談で二人の緊張を解いた後、海斗は少し真剣な表情でこれから行う不妊治療について二人に話し始めた。

タイミング法による不妊治療・・つまり海斗と由美がセックスする部屋は、すでに海斗が準備してくれていた。

10帖前後の部屋で、窓などは何もなく閉鎖的な感じでいかにも値段が高そうな高級ベットがポツンと置かれていた。

海斗は一人暮らしで豪邸に住んでいるため、空いている部屋はたくさんあった。

俊博は、実際に部屋に案内された瞬間に、自分が今置かれている状況を再認識して心臓の鼓動が早くなった。

「ここで、由美は海斗に抱かれてしまうのか・・・・・」

落ち込んだ表情をしている俊博に海斗は少し気を遣う様子で話しかけた。

海斗「不妊治療の時だけど・・その・・・兄貴はどこで待機する?」

俊博「行為中だけど、俺は邪魔にならないように別の部屋で待たせてもらうよ。」

由美との話の中で、海斗と由美が行為を行う時には、俊博にだけは見せたくないと由美からお願いされていた。

海斗「そうか。わかった。兄貴が希望するやり方に合わせるよ。」

由美「すいません。私がそう俊博にお願いしたんです。」

海斗「いえ由美さんは何も気にしないでください。不安に感じるのが普通なので。安心してください。由美さんの負担が少ないようにできる限り短時間で終わらせるように頑張ります。」

不安そうにしていた由美を安心させるように優しく海斗が答える。

そして、3人の間に少しの沈黙が流れる。

その沈黙を打ち破るように海斗が2人に声をかけた。

海斗「じゃぁ・・・そろそろ始めようか?」

俊博「ああ・・・・・お願いする・・・」

絞り出すように俊博が答えると、二人は部屋の中に消えていった・・・・・・・



続きはこちらからお願いします。
https://note.com/murikamo/n/n1fdd94f369af


出典:a
リンク:https://ninkimanga.com/funinntr/

(・∀・): 3 | (・A・): 3

TOP