無邪気なバイバイに涙
2006/07/04 09:49 登録: 通りすがり
先月の第二土曜日の2時頃、ジムから帰ってきてこれから
シャワーでも浴びようかと歩いているとシャイクが飲みたくなったので
帰り道のマックに寄った。汗臭いのは失礼だからいつもはカップだけ
もらってそのまま店を後にしちゃうんだけど、その日は時間帯も
あってか客はまばら。すこし涼んで行こうと二階へ上がっていった。
そこには客が2組。奥さんと3歳位の女の子と旦那さんの家族と
耳にイヤホンしてる20代のお兄ちゃん。
端っこの席に座りシェイクをズルズルすする。
3歳位の女の子がニコニコとコチラに笑いかける
手を振ったり変な顔したりして笑わせてた。
するとその子が何を思ったかイキナリ立つとダァ〜とダッシュ。
よちよち身体を揺らしながら俺のほうへ走ってくる。
しかし背が小さいからテーブルに頭をゴン!
お兄ちゃんのテーブルの上のジュースとハンバーガー&ポテトが
どさっと床に落下。子供転倒。泣き入る。
これを見ていたお父さんは「すいません!」といいつつ駆け出してくる
奥さんに「これと同じものを下で買ってきて!」と素早い対応。
奥さんは子供を抱えて下の階へ買いに行く。
旦那さんは床に落ちたもの拾ったり、紙で床拭いたりしてる。
ここでびっくりしたのは、旦那がスイマセンと言っているのにも
関わらずシカトしてる兄ちゃんだ。
椅子に浅めに座って大きく脚を組んでる。
旦那が兄ちゃんの足附近を拭き始めた時になんか変な音がした。
ボコ。
一瞬目を疑った。
兄ちゃんが旦那の顔面をキックしてる。
兄ちゃんの「んだコラァ」と罵声が聞こえてくる。
それでも旦那はスイマセンでしたと繰り返し拭いている。
兄ちゃんは攻撃の手を緩めない。
立ち上がると脇や脚に向ってキックを入れてゆく。
その度に旦那が「すいませんでした」と言う。
ついに鼻血がでて床にポタポタと垂れるが
旦那は片手で抑えながらも拭いている。
「おぃごらぁ!」
「すいません」
「ざけんなごらぁ!」
「すいません、今買いに行ってますから」
「んだごらぁ!」
一通り蹴り飽きたのか兄ちゃんは席に着く。
旦那もとりあえず拭き終わったので席に着く。
奥さんか買って上がってきて、すいませんでしたと兄ちゃんの
机に置く。子供も「ごめんね。おにいたん」とかいう感じで
謝っている。そしてシカトしている兄ちゃんを横目に
自分の旦那の姿に愕然としてた。
それでも旦那は「なんでもない」と言い張り、家族は
なんかションボリムード。
3人で席を立つと兄ちゃんに会釈しながら階段へ向う。
その時にまたまた兄ちゃんがやってくれた!
奥さんが買ってきてくれた新しいのをワザと床に投げ落としたのだ。
あんたそりゃやりすぎだ。
耳からはシャカシャカ音が漏れているお兄ちゃんは
んだぁ!と言わんばかりにあごをカクカクさせながら睨みつけてる。
あー俺もうそろそろ我慢出来ないなぁ〜と思ったときには
身体が動いてた。
子供に向って「バイバイ」と手を振り
奥さんはご迷惑お掛けしましたと階段途中で頭を下げる
旦那は鼻を押さえながら同じく会釈してた。
そんな家族が階段から見えなくなった瞬間に
座っている兄ちゃんの腕目掛けて思い切り蹴り入れて見た。
反対の壁にふっとび何が起きたか解らない兄ちゃん。
立ち上がろうとしたときにまた蹴りを入れて見た。
鼻血でたけどお構いなし。
イヤホンも取れて下向きながら「すいません」と言うので
また無言で蹴り上げてやった。
部屋の角までヨロヨロと動いて行ったので
角に追い詰めてまた三発程蹴り上げてやった。
うずくまってごめんなさい許してください。と懇願してるけど
俺悪い奴かも・・・
なんかこういう奴許せなくて。もちろん暴力を暴力で制するのは
反論もあるだろし批判もあるだろうと思う。
髪の毛掴んで今からあの家族に土下座して謝って来い。じゃなきゃ
あと五発は蹴り上げてやると脅してみた。
その頃になると店員がガヤガヤと上がってきたけどニコニコ笑って
なんでもないですよ。
兄ちゃんは。はいわかりました。と言うと
下へ降りて行き、外の駐車場の車の中で鼻血を止めている旦那を見つけると
運転席前で土下座して謝ってた。
後から俺が行くと、ビクビクしていた兄ちゃんは「もういいっすか」と
一言だけ言うので「帰れよ」と言うとすげー速さで帰っていった。
旦那に大丈夫ですかと聞くと、はははとちょっと悲しそうに笑う。
後部座席の子供は無邪気にバイバイしてた。
振り向くとあら?警察!なんか理不尽だけど仕方ないよね。
家族がいろいろ説明してくれてパトカーの中だけで署には
連れて行かれなかった。
普通の若者の喧嘩なら俺は止めたり手を出したりしない。
けれど家族が巻き込まれてるのはダメなんだよね。
俺には両親が居ない。小学校一年の時に父親は酒場の喧嘩に巻き込まれ
て倒された拍子に頭を打ち、半年の植物人間の後他界した。
その二年後に母親はガンで死んだ。
以来、施設とお婆ちゃん家の往復の生活だった。
授業参観とか運動会とか、一等とって頭撫でられてる同級生が
どんなに羨ましかった事か。
家族で団欒、家族で旅行、そんな事に憧れた。
そういう事もあってか、家族が変な輩に巻き込まれてるのを見ると
我慢できなくなる。まぁ病気かもしれないがww
人の幸せを壊す権利は誰にも無いという様な事を考えちゃう。
その旦那と幼き日の自分の父親が重なったんだと思う。
パトカーも去り、その家族ともそれじゃと挨拶を済ませる。
後を振り返ると、リアガラスに見えなくなるまで
無邪気にニコニコしながら手を振る女の子に何故か涙した。
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