夕暮れの観覧車

2006/08/20 23:14 登録: えっちな名無しさん

「殿申し訳ございません実験」

俺:殿ぉ〜!!申し訳ございません!!
妹:はあ?
俺:殿のプリン食べてしまいました・・・・
妹:ちょっと!!あたしのって言ったでしょ!!
俺:お詫びにこれを持って来ました
妹:何持ってきたって?

1 お兄ちゃんがナデナデしてあげる券
2 お兄ちゃんが抱きしめて甘い言葉をささやいてあげる券
3 お兄ちゃんがキスしてあげる券

妹:いらねえ〜超いらねえ〜
俺:嘘をつけよこいつぅ!
妹:あはは〜♪照れくさくて嘘ついちゃった〜♪だって恥ずかしいもん〜
俺:やっぱりなこいつめ〜
妹:なわけないでしょ!一応貰っとくけど絶対使わないから!!
俺:(なら捨てればいいのに、一応持っとくのか・・・・・)
妹:何!!何を今思った!?
俺:い、いや別に
妹:何か思っただろう!!
俺:思ってないって!
妹:いいや。今とてもいやらしい笑いかたしたもん。何か私をバカにした事思ったでしょ!
俺:君の瞳の輝きに見とれてただけさ
妹:ならいいけど
俺:(いいのかよ!!)
妹:何!!また何か!!
俺:何もないって!!!

「電話で呪怨実験」

携帯で妹に電話をかける
俺:あ、妹?
妹:何?今忙しいんだけど
俺:た、助けてくれ!!今俺の部屋にあいつが・・・・・!!
妹:はあ?何だって!?
俺:ぎゃああああああああああああ!!
妹:ちょっと!お兄ちゃんどうしたの??お兄ちゃん!?
俺:ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
妹:きゃあああああ!!!!
俺:うわああああああああ!!!くくるなあ!!助けてくれ妹!!助けてくれえ!!!
妹:ちょっと!何今の変な声!!
俺:(電話切る)プープープー
1時間後
妹:お兄ちゃん!?大丈夫!?
俺:は?何が?
妹:電話で助けてくれって・・・・・
俺:もう遅いよ
妹:え?
(録音テープスタート。始めから5分経ったところに例の声を録音し、あらかじめ
 妹が来る前に再生しておく)
テープ:ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
妹:きゃあああああ!!!!
俺:ぷっwwwwwww
妹:はっ!!!!!テープね!!くやしい〜!本気でビビッたじゃん!!
俺:お前おもしれえwwwww
妹:覚えてろよ!

どこのガキ大将の捨て台詞だよwwwwww

「ハムが食べたいな実験」「ルパンとキャサリン実験」「偽証実験」

俺:なあ妹。
妹:何?もうご飯?
俺:いや、一つお願いがあるんだ
妹:何?頼みごとによるけど
俺:俺が「なあそうだよな妹!!」って言ったら一言「うんあたしも見たよ」って言ってくれないか?
妹:なにそれ?意味わかんない。
俺:いや、ちょっとな・・・・・頼む、いや頼みます妹様!!
妹:意味不明だから嫌。
俺:最近妹ますます美人になってきたよな
妹:やってあげる
俺:ぶっwwwwww
妹:ちょっと何!!失礼な!!
俺:いや、じゃあ頼むぞ
妹:よくわかんないけど分かった

俺、夕飯の準備している母親の所へ

俺:ああ、ハムが食べたいなあ〜
母:何?お腹すいたの?もう少しで夕飯できるから待ってなさい
俺:ハムはある?
母:いや、ハムはきらしてるから無いよ
俺:はっはっはっ!!ここに最高級のハムがあるじゃないか!!

おもむろに母親のお腹の贅肉をわしずかみwwww

母:ぎゃ!
俺:こ、これは最高級のハムだ!!さすがだよ母さんすばらしい!!
母:何をしよんのこの子は!!!!
俺:みっちり詰まったいいハムだ!!
母:いい加減にしなさいこの子は!!

もうダッシュで逃げる俺wwwww入れ替わりに妹が部屋からリビングに降りてきた。
ちょうどいい。再び台所へ行く俺。

俺:なあ母さん
母:全くこの子はバカな事ばっかりして
俺:今「ハムがたべたいなあ」とか言ってる俺に似たヤツがこなかった?
母:あんたでしょうもん!!
俺:ばっかも〜ん!!
母:何ねその口の利き方は!!母さん許さんよ!!
俺:そいつがルパンじゃないか!!
母:は?
俺:なぜルパンを捕まえなかったんだ!!俺が本物だよ!!さっきのはルパンだよ!
母:ルパン・・・・・・・・
俺:(声色を変えて)僕がそんな事をするわけないじゃないかあ!全くキャサリンにはまいるよお
母:アメリカ人みたいな動きはやめなさい気色悪い。キャサリンって誰ね!!
俺:まあ、本当は親父に全部やれって言われたんだ
母:お父さんがそんな事言う訳ないでしょ!!バカ息子!!
俺:なあ、そうだよな妹!!
妹:へ?いいや。
俺:貴様!!!!!!裏切ったなあ!!!!!
妹:ずっと見てたけど・・・・・お兄ちゃんバカすぎwwwwwww
俺:うわーん!!裏切り者〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「悪霊の風鈴実験」

妹が帰った事を確認し、外から妹の携帯に電話をする

俺:あ、妹今家にいる?
妹:お兄ちゃん?今帰ったとこだけど
俺:居間の窓のところに飾ってある風鈴なんだけど、暇な時はずしててくれない?
妹:いいけど何で?
俺:何かあの風鈴友達にこの前貰ったヤツなんだけど、今日その友達が「実はあの風鈴縁起が悪いんだよ」とか言い出してさ
妹:縁起が悪いって?
俺:家族が怪我したり、誰も居ない部屋から突然音がしたり、何かとりついているみたいなんだ
妹:・・・・・・・
俺:じゃ、頼むぞ
妹:うん・・・・・・・

ここから実験スタート
妹が居間に居るのを確認wwww
ドンッと戸を叩いて見る

妹:ぎゃあ!!

小さく悲鳴が聞こえたwwwww
さっと物陰に隠れる俺。案の定、妹が窓から外を確認しに来た。誰も居ないのを見て不安そうな顔をしている。

今度は玄関のチャイムを鳴らし、また隠れるwwwww

妹:はーい!

ガチャ

妹:あれ、誰もいない・・・・・・・・・

すかさず電話を自宅にかける

妹:あ、はーい。ちょっとまって
電話にでたwwwww

妹:もしもし
俺:・・・・・・・
妹:どちら様ですか
俺:・・・・・・・・・
妹:・・・・・・・
俺:・・・・・・・・
妹:・・・・・・やだ・・・・・・

ガチャ
切られたwwww

5分ほどして家に帰る

俺:ただいま〜
妹:あ、お兄ちゃあん!!!!今ね今ね!!!
俺:何だあわてて
妹:変な音は鳴るし玄関は誰もいないし電話は喋らないし!!!!
俺:何だ、よくわからんぞ
妹:お兄ちゃんが電話くれたあと変な事ばっかり起こって怖かったんだから!!風鈴捨ててよ!!
俺:そうか怖かったな(ぎゅっと抱きしめる)
妹:怖かったよ
俺:ぷっwwwwww
妹:何で笑ってんの?
俺:いや、何でもないwwww
妹:!!!!あんたの仕業かあああああ!!!!!!

面白すぎwwwwww
妹の抱き心地が気持ちよかったですwwwww

「窓辺の不審者実験」

妹の部屋からベランダに出てカーテンを5センチほど開けておく。
妹が部屋に戻ったのを確認し妹の携帯に電話wwwww
俺:あ、妹?
妹:あ、お兄ちゃんどうしたん?
俺:いま、友達の家に居るから母さんに遅くなるって言っといて
妹:何?彼女?
俺:男友達だって
妹:ふーんwwwwwまあいいよ。言っとくwww
しばらくしてカーテンの隙間から部屋の中の妹を凝視wwwww
10分程して目が合ったwwww
妹:ぎゃああああああああああ!!!

俺もすかさず戸を開け

俺:ぎゃあああああああああああ!!!
妹:ぎゃああああああって、お兄ちゃん・・・・・?
俺:ああ。
妹:ああじゃねーよ!!!目が合ったとき滅茶苦茶怖かったっちゅーねん!!!
俺:ごめんついwwwww
妹:シャレになってないし!!
俺:お前、脅かすとリアクションいいからさ
妹:ちょっと、ちびったし!!
俺:ほほう。ちょっと・・・・
妹:見せないし!!!

部屋に入った時、ちょっと妹空中に浮いてたなwwwwww

「なにこのバカップル実験」

俺:妹よ!
妹:何!?
俺:この間のお詫びにいいもん持ってきた
妹:本当に怖かったんだからね!!
俺:悪かったってwwwほら、お前が好きなスピッツのコンサートチケット
妹:え!?まじで!!
俺:本物だぞ
妹:本当だ・・・・・・ありがとう!!
俺:ちょっと待て。まだやるとは言ってない
妹:はあ?お詫びって言ったじゃんか!!
俺:まあまあ。ちょっとしたゲームをしようじゃないか。お前が勝ったらこれはお前のものだ。
妹:なにすんの?
俺:簡単だ。先に笑った方が負けだ
妹:何?にらめっこ?
俺:いや、今から俺達は兄妹じゃなくバカップルだ。その設定で演技をし先に笑った方が負けだ
妹:何それ。嫌。
俺:じゃあチケットはいらないんだな
妹:くっ・・・・・おぬしやるのう・・・・
俺:ふっふっふ・・・・・

バカップルスタートwwwwww

俺:やあ。いつも君の瞳は綺麗だね・・・・・・惚れ惚れするよ
妹:っくwwww(必死にこらえてる)あ、あなたこそパッチリおめめがキラキラして、す、素敵よwwwくっ・・・・・
俺:ぶっwww(やべwwww)何を言ってるんだい。君のほっそりした手首なんかまるで枯れ木のようで素敵さ・・・
妹:褒めてねえええええ!!
俺:ポニーテールがチャーミングだよ
妹:三つ編みだし!!!それに今どきチャーミングて!!!
俺:君をみてるとホリエモンのニヤケ顔を思い出してとってもハッピーさ!
妹:ぶっwwwwwwあっはっはっはっはwwwwwwやはははははwww
俺:君のためなら永久にサバ折りをしてみせるよ!
妹:やはははははwwwww待って待ってwwww
俺:俺の勝ちだな
妹:この卑怯者!!
俺:何がだい!!
妹:ホリエモンのニヤケ顔とか言わないでよ!!
俺:まあまあ、冗談じゃないかwwwwwチケットはやるから
妹:本当?ありがとう!!

ちょっと楽しかったwwww
妹「やははははwww」って笑うんだなwwwww

『ワサビ入りシュークリーム ロシアンルーレット実験』


6個入りのシュークリームの内一個に裏側からたっぷりワサビを入れる。
それをまた元通りケースの左上に入れる。

準備完了だ。

しばらくすると妹が降りてきた。

妹:あ、お兄ちゃん帰ってたんだ
俺:ああ。コーヒー飲むか?俺今から作るから、飲むならついでに作るけど
妹:飲むー!
俺:あ、シュークリーム買って来たから半分食べていいぞ
妹:あ、本当だ!おいしそうじゃん

さあ、勝負だ!ワサビ入りをうまい事取るか?
妹の手を凝視する俺。

妹:あーん

右上を取った。くそ、おしい。

妹:コーヒーまだあ?
俺:ちょっと待って

続いて二個目に手を伸ばす。
妹の手が左上に伸びる。

俺:ぶっ!!

思わず吹き出す俺。
妹の手が掴んだシュークリームを持ったまま止まる。

妹:どうしたん?
俺:い、いや・・・何でもない・・・・

不思議そうな顔をして妹はそれを口に入れた。

妹:むしゃむしゃ・・・・・・・辛っ!!!!何これえええ!!!!
俺:ど、どうしたんだ妹!!一体何が起こったんだ!!
妹:何かワサビが入ってるよこれ〜!うえええええ!!
俺:おめでとうございます!!大当たり〜!!!
妹:はあ?
俺:見事ワサビ入りを引き当てたあなたに、ホッカイロ一週間分をプレゼント!
妹:あんたの仕業かあああ!!超辛いし!!
俺:おめでとう!!ホッカイロをどうぞ!!
妹:今夏だっちゅ〜の!!
俺:では私はこれで
妹:ちょっと待って

妹の目がすわっていた。
手が俺の首に伸びる。

妹:何のマネこれは?
俺:い、いや楽しいかなーって思って
妹:じゃあ、お兄ちゃんも食べて
俺:へ?

そういうと妹はおもむろに残ったシュークリームの一つにワサビを注入した。

妹:はい
俺:ちょっと待って!俺はワサビを6個の内1つに入れて、それをお前が食べただけだ!
  お前には選択の自由があった!
妹:選択の自由?
俺:そうだ!だから俺にも選択の自由をくれるべきだ!
妹:わかったよ。じゃ、後ろ向いてて

俺は後ろを向いた。

妹:いいよ

振りかえるとニンマリした妹がニュッと残りの4つのシュークリームを差し出してきた。

俺:確率25%か・・・・・
妹:ふふふふふっ

妹が不気味に笑った。怖い。
俺は妹の顔を見ながら各シュークリームの上に手を伸ばした。

妹:お兄ちゃん!!私の顔見ながら選ばないでよ!
俺:くっ、よく見てるな
妹:さあさあ早く早く
俺:これじゃあ!!

俺は一気にそれを口に入れた。もうヤケクソである。

俺:うぐっ!!
妹:ぶっwwwwwやははははwwwww
俺:み、水!水!
妹:ここは通さないわ!!兄さん!!

妹は満面の笑みで台所への道を塞いだ。

俺:頼む妹!水を恵んでくれえ!!
妹:ごめんなさいは?
俺:ごめんなさい!!だから水を!!
妹:よろしい!

何か途中から立場が逆転してしまった。
必死に水を飲み干すと妹は

妹:これに懲りたら、二度としないことね!

と満面の笑みで去っていった。
くそう・・・・・・悔しい!

『まぎれた名前実験』


ヒリヒリする舌を牛乳で癒しながら部屋でまったりしてると妹がやってきた。

妹:あ、お兄ちゃんちょっと貸して欲しい本があるんだけど
俺:おお、ちょうど良かった妹。ちょっと手伝ってくれないか
妹:何?
俺:俺今度の飲み会の幹事やるんだけど、出席者確認したいから、そこに置いてある紙に
  書いてる名前読み上げていってくれないか?携帯に登録してる名前と照らし合わせるから
妹:飲み会やるんだ
俺:ああ。それで携帯に登録してるやつと、してない奴がいてさ、数が多いから訳わかんなく
  なってきてさ
妹:いいよ。じゃあ読むよ

かかった。馬鹿め。まんまと口車に乗せられおって!!

妹:たむらようじ
俺:ああ
妹:ふるかわみさこ
俺:ああ
妹:きむらひろみち
俺:ああ。続けてくれ

紙に書いた名前を読み上げていく妹。そろそろだ。

妹:ひらいたまんこ
俺:はあ!!何だって!!!今なんて言った!?

こっそりまぎれこませた「平井田 万子」に見事ひっかかったwwwww

妹:あ!や、やだ!!
俺:お前今とんでもない事口走らなかったか!?
妹:ち、ちがうもん!!
俺:いや!確かにひらいたまんこって言った!!
妹:言ってない!!
俺:いや、言った!それは、よろずこさんって読むんだぞ!!
妹:よろずこ!?嘘ばっかり!!そんな名前聞いた事ないよ!!
俺:お前もお年頃かあ。いや、いいんだ。そんなエロい事を考えるのも成長してる証だ
妹:違うって!!
俺:お前の成長を心から喜ぼうぞ!!

そう言って俺は満面の笑みで妹の頭を撫でた。

妹:な、撫でんなあ!
俺:まあまあwww
妹:撫でんなって!!
俺:ひらいたまんこか、そうかそうか
妹:もうやだ!!

そう言うと妹は真っ赤な顔をして自分の部屋に帰って行った。
妹の成長を見届けた実験だったwwww

「携帯電話でストーカー実験」

携帯を買い換えたのをいい事にメールで妹にストーカーをしてみるwwwww
昼過ぎどこかへ出かけた妹をこっそり尾行

途中缶ジュースを自販機で買うのを見てすかさずメール
妹の携帯には登録されてないから俺とは分からないwww

俺のメール:やあ、妹さんいつもあなたの事見てるよ。この間駅で見かけて以来
       君の事が忘れられないんだ。あ、そうそう。缶ジュースおいしいかい?

妹を見るとキョロキョロあたりを見回している。

妹メール:お兄ちゃんでしょ。

一発バレ!?

こうなったらやけだ

俺メール:ふうん。お兄さんいるんだ。いい事知ったよ。あ、そろそろ横断歩道青になるよ
妹メール:ていうか、私のアドレス知ってる時点で数人に絞れるんだけど

はっ!!!!そうか!!!!!

今頃そんな事に気が付く俺。失敗だこの実験は。

そんな事を思った時だった。妹が横断歩道で待ってるところに前方からダンプカーが
走ってきている。何か走り方がおかしい。

妹の所に突っ込んで行ってないかあれ!?
え!ちょ、ちょっと!!

俺の脳裏に親友広行の言葉がよみがえる。俺が妹に実験をするようになったキッカケをくれた。

「人はな、失って初めてその大切さに気がつくんだよ。お前だけは失くす前に気がついてほしい」

俺は夢中で妹の元へ走った。妹は気が付いていない。

俺:妹ー!!!!!!

ゴオオオオオオオと、ものすごい音が迫ってくる。
俺は精一杯手を伸ばした。つかんだ妹の腕を力いっぱい引っ張る。
引き寄せた妹の体。キョトンとした妹の顔。

そのちょうど後ろをダンプカーが物凄い勢いで通過した。歩道の電話ボックスに衝突し
ドカーンという轟音が鳴った。

俺:だ、大丈夫か!!
妹:う、うん

妹は今の状況が把握できていないようだ。
間違いなくあのままだと、妹は死んでいただろう。

俺:よかった・・・・本当によかった・・・・・

俺は安堵した。妹を守る事ができた。
きっと、偶然じゃない。俺が妹の事を本当に大切にしてることを神様が見ててくれたんだ。
きっとそうだ。

実験を通して妹と仲良くなりたかった。
その思いがきっと妹の命を救ってくれたんだ。運命を変えてくれたんだ。

俺はそう信じたい。

妹:お兄ちゃん・・・・・私、お兄ちゃんが引っ張ってくれなかったら・・・・・・・・
俺:もう大丈夫だ。心配ない。お前は生きてる。そうだろう?
妹:・・・・・・グスッ・・・・うえええん・・・・

妹は安堵と恐怖から、泣き出した。
俺はずっとそれを見守っていた。妹を抱きしめながら。

涙が流せるっていうのは生きてるって事だ。

「夕暮れの観覧車で兄妹愛実験」

俺と妹はその後警察に目撃した事を話したあと、近くにある観覧車に乗りに行った。
もう空が真っ赤に染まってきている。綺麗な夕暮れだ。

俺:もう泣き止めよ
妹:うん・・・・

妹の背中をポンポンと叩きながら俺たちは観覧車に乗った。
ゆっくりと上っていく俺たちのボックス。遠くに小さく俺たちの家が見えた。

妹:お兄ちゃん
俺:何だ?
妹:お兄ちゃんさ、ここ1ヶ月前くらいから急にあたしにちょっかいかけてくるようになったよね
俺:そうか?
妹:そうだよ・・・・・・何で?

俺はしばらく空を見上げた後ゆっくりそのキッカケを妹に語った。

俺:広行っていう親友が大学にいるんだ
妹:うん
俺:そいつがさ、つい最近妹亡くしたんだよ
妹:・・・・そうなんだ
俺:仲は正直そんなによくはなかったらしい。ちょうど反抗期も重なってたみたいで
  毎日喧嘩がたえなかったって
妹:・・・・それで?
俺:妹が亡くなった朝、大雨だったらしくてさ、車で妹を学校に送ってやろうと思ったけど
  日頃からムカついてたからさ、送ってあげなかったんだって
妹:もしかして・・・・・
俺:ああ。1時間後妹が車にはねられたっていう連絡がきたらしい
妹:・・・・・・・・
俺:広行ものすごく後悔してた。俺が送ってやれば妹は死ななかったはずだって
  その時アイツに言ってたよ。人は失って初めてその大切さに気が付くんだって。
  お前だけは失くす前に気が付いてほしいってさ
妹:可哀そうだね・・・・・・
俺:俺結構それがショックでさ、俺にもお前がいるけど、正直お前が急に居なくなるとか
  そんな事想像もできなかったんだよ。でも、広行の言葉が頭から離れなくてさ、
  だから、とりあえず俺なりに後悔しないように、色々いたずらをお前にしてさ
  なんかバカな楽しい思い出をいっぱい作りたかったんだよ
妹:あたしが急に死んでも後悔しないため?
俺:死ぬなんて正直思ってないけど、後悔しないために。なによりお前と仲良くなるためだな
妹:今日、お兄ちゃんがストーカーしてなかったら、あたし死んでたね・・・・・
俺:広行の言葉ちゃんと心にとめておいてよかったよ
妹:うん

夕日に照らされた妹の顔はとても眩しく、綺麗だった。

俺:あ、ほらあそこ海が見える
妹:あ、ほんとだwww
俺:明日泳ぎに行こうか
妹:うん

これからも俺たちには、馬鹿馬鹿しい普段通りの毎日が訪れるはずだ。
でも、それが何よりも幸せなんだって事に今日気が付いた。

明日は何をしようwwwwwwwwww

出典: 
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(・∀・): 357 | (・A・): 97

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