わしと先輩とナイチンゲール　10

前編：わしと先輩とナイチンゲール　09
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ナイチンゲールその１０

その日は彼女だけしか遊びに来なくて二人で久しぶりにイチャイチャし
ていた。何せ毎日誰か遊びに来るし、わしは人前でイチャイチャしたり
する事が苦手なのでそういう誰も来ない時って結構、貴重な時間だった。
しかしその貴重な時間を邪魔する電話のベル。無視しようかとも思った
が、次の日が先輩の誕生日でみんなで飲みに行く約束をしていたので、
その事かもしれないと思い、渋々電話に出た。「もしもし○○（わし）
ですけど」。すると受話器の向こうから絶対聞きたくなっかった声が。
。。「あ〜もしもしぃ。○○君（先輩）きてるぅ？」と。名前位名乗
れ！と思いつつ、頭に来たので「はぁ？どちらさんですかぁ？」と、と
ぼけてみた。すると「わたしよぉ〜わたしぃ。」と言う答え。わしはあ
んたの友達でも恋人でも無いんだから名前くらい名のれっつーのと思い
つつ「だから、誰？わたしじゃわかんないです。」て言うと受話器の向
こうからイライラした声で「○○君（わし）意地が悪いね。早く○○君
に代わって」と。

相手するのも嫌になってきたので「ああ、先輩今日来てないよ。じゃあ」
っと言って電話を切った。すると再びベルが鳴る。無視しようと思った
けれど誰か他の奴かもしれないと思い、自分ででるの嫌だったので彼女
にでてもらう。案の定ナイチンゲール。わしの彼女も「本当に○○さん
（先輩）来てないですよ」と言うが、ナイチンゲールは信じない。仕方
ないので再びわしがかわる。「だから本当に来てないんだってば。」と
言うと「うそつき！○○君（先輩）の所に電話したけど留守だった」と
の事。いやいや先輩だっていつもうちにしか出かけない訳じゃ無いし。。。
と思いつつ、「じゃあ、どっかで呑んでるんじゃないの？明日誕生日だ
し」と言うと、「え！○○君（先輩）明日、誕生日なの！？」との答え
が。しまった！知らなかったのか！？心の中で先輩に謝りつつ「あの人
は毎日が誕生日だから」とごまかそうとしたが時すでに遅し。「ありが
とう」と言って電話を切るナイチンゲール。あぁ明日が来るのが怖い！
そう思いつつ再び彼女とイチャイチャしはじめた。

そして深夜、先輩から電話が。「すいません。ナイチンゲールに誕生日
教えちゃいました」と謝ると、「あぁもう別にいいよぉ」と驚くような
答え。「え！？良かったんですか！？明日絶対つきまとわれますよ。」
と言うと「もうすでにつきまとわれてるから。。。」と、どうやらナイ
チンゲールは電話を切った後速攻でプレゼントを買いに行き夜中12時き
っかりに先輩の家に直接押し掛けたらしい。「もう怒る気力も失せたし
ぃ」と元気の無い先輩。え！何があったんですか？と、聞くと「とりあ
えず家に来てみたらわかるよ」と言うので、「じゃあ今から行きます」
と言って電話を切ったのが12時半位で先輩の家に着いたのが15分後位だ
った。

「まああがれ。」そういって先輩の部屋に入るとそこには男女数人に混
じってナイチンゲールの姿も。話を聞くと、その日先輩の両親は出かけ
ていて誕生日前だったので同級生が押し掛けてきて呑んでるところに、
ナイチンゲールが押し掛けてきて、12時きっかりだったので酔っぱらっ
た先輩の友人達が嫌がる先輩を見て、「まあ誕生日だし良いんじゃない
の？」って面白がって部屋にあげてしまったのだと。そして10分位はお
まえ帰れ！」って言い続けていたらしいのだが、さすがに場が白けて来
たのであきらめて呑むことに。そしてわしのことを思い出したので電話
をしてきたと。「うわぁ。本当にすいません」と謝ると、「もういいっ
てみんなただ呑むのに飽きてきてた所だったからいいネタだったんだろ
うよ。」とあきらめ発言。ナイチンゲールの方を見ると勝ち誇ったよう
な満面の笑み。。。

「○○君（わし）も来たんだぁ。うわぁなんか誕生会って感じになって
きたねぇ！」と、もうすっかりその場の仲間気取りな発言。先輩の友人
達は爆笑。先輩＆わし苦笑。そして先輩の友人の女の子が「良いこと教
えてあげようか？あそこにエロ本がいっぱい隠してあるよ！」とナイチ
ンゲールに先輩のコレクションの在処をリーク。先輩はもうあきらめは
いっていたので、「あぁ、そこにあるよ。勝手に見て」と投げやりに。
早速物色する先輩の友人達とナイチンゲール。黙々と呑む先輩とわし。
するとナイチンゲールが「あ、この子知ってる！」と週間プレ○ボーイ
のグラビアを指さして言う。その子はわしも知っていた。歌手になるっ
て言って芸能界入ったけど泣かず飛ばず、いつの間にか脱いでいたとい
う地元では結構有名な娘だった。「え〜全然知らなかったぁ〜。でも昔
からそういう子だったからなぁ」と悪口を言い始めたナイチンゲール。

「あの子、会うたびに違う男の子連れてたし、男遊び激しかったからね
ぇ。たいして可愛くも無いのに芸能界入るとか言っちゃって絶対売れる
わけないって思ったんだよねぇ」さすがにその場のみんな凍り付く。実
はその子は先輩の元彼女で、その子がデビューするときに芸能界入るか
らって言って振られたので、みんなその子の事にふれないのは暗黙の了
解みたいになっていたのだった。おそるおそる先輩の方を見ると泣きそ
うなのか怒ってるのかよくわからない顔。そして無言でナイチンゲール
の所へ行きナイチンゲールを殴った！「おまえ、その子の何知ってるっ
て言うんだよぉ！」怒りながらも悲しそうに叫ぶ先輩。しかし何も知ら
ないナイチンゲールは「なんでこんな女のことで○○君（先輩）に殴ら
れないといけないのよぉ！こんなのただのヤリ万女じゃん！」と言って
しまったからもう大変。その場にいた全員が激怒。「この子は○○（先
輩）の元彼女だ！馬鹿野郎！おまえ知らないからって言って良いことと
悪いことがあるだろう！」と、みんなでナイチンゲールを攻め始めた。

普通ここで謝るのが常人だがナイチンゲールはやっぱりひと味ちがった。
「だからって殴ること無いでしょ！一応わたし女の子だよ！そんな昔の
事引きずってる○○君（先輩）の方が悪いんじゃん！」と逆切れ。先輩
は少し痛いところつかれてひいていたが、他のみんなは黙ってなかった。
「おまえ、○○（先輩）の事好きなんだろ！だったらそういう気持ち少
しはわかってやれよ。だから○○（先輩）に嫌われてるんだよ！」更に
他の人が「大体、あんたでかすぎだよ。そのグラビアの写真位になって
からまたおいで！」とナイチンゲールを追い出しにかかった。が、これ
がナイチンゲールの逆鱗に触れた。「おまえ何もわかってない！」そう
わめくとその友人を引きずって玄関の方へ。追いかけるみんな。外に出
た。ナイチンゲール対男女確か５人位で大乱闘。次々になぎ倒すナイチ
ンゲール。その時先輩が「もうみんなやめろやぁ！」と叫んだ。

「○○（先輩の元彼女）の事でみんなで喧嘩するなよぉ。もう俺には終
わった事だし、おまえ（ナイチンゲール）の言ったことは許せないけど
もうやめてくれ」先輩がそう言ったのでみんな止まった。そしてみんな
が「○○（先輩）ごめん」とかあやまってる中、ナイチンゲールが口を
開いた「そうだよぉ。今日は○○君（先輩）の誕生日じゃん。みんな喧
嘩するのやめようよ」と。。。おい！その原因作ってるのはおまえだ！
と皆が思った瞬間先輩が「調子に乗るな！」とナイチンゲールをなぐっ
た。「おまえが居なければ全部ハッピーなんだよ！」と先輩。「何よ何
でよ！？どうせあの子（先輩の元彼女）とも体目当てで付き合ってた癖
に！」とナイチンゲールが言ったものだから再び乱闘。もちろん全滅。
そして「私、もう帰る」と言って歩き出すナイチンゲール。

全員開放感に胸をなでおろしたが、少し離れたところでナイチンゲール
が振り返って一言。「誕生日おめでとうね。でもはっきり言うけど、あ
の女よりわたしの方が絶対○○君（先輩）の事を愛し続けられる自信が
あるよ。私、一途だし。だからあんな女の事なんか忘れて早く私の所に
来てね」と。。。もちろん全員唖然。すかさずわしは「おまえそんな事
ばっかり言って先輩に迷惑かかってるってわかんないのかよぉ！」と言
うと「迷惑？そんなものより私の想いの方が強いから関係ないモン！」
と言って去っていった。。。一同、いろんな意味で恐怖に打ちのめされ、
負傷者わし含めて多分６人、心に深ぁぁい傷を負った者１名。。。先輩
21歳の新しいスタートだった。　　

この日わかったこと。ナイチンゲールは先輩にだけは殴られても何して
も絶対手を出さないということ。。。　　　　　　　　　やっと終わり。

続編：わしと先輩とナイチンゲール　11
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出典：恋愛板
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