従姉妹と私 3
2006/11/05 22:47 登録: Depend
相変わらず従姉妹達に遊ばれてるような気がしてならない今日この頃。
例の如く、従姉妹が家に遊びに来ることになった。
俺はコタツ(友達のリクエストによりこの時期からコタツを設置)でぬくぬくしていた連中を追い出して、従姉妹が来るのを待った。
その日はいつもの時間通り。昼間でにちゃんと到着した。
夏祭りの時のように、いきなり部屋に出現なんて落ちはなかった。
玄関を開けると。いつもの様子で従姉妹と叔母さんが入ってきた。
友「やっほー!おはよっ圭ちゃん!」
凛「おっすたこ!」
俺「お前らもう少しまともな挨拶をしらないのか?」
友「でもこの前圭ちゃんも昌ちゃんと一緒にサンタの格好で家きたじゃん」
俺「ひどいな、あれ3000円で買ったのに。」
凛「上下で3000円なら安くない?」
俺「俺の財政をかなり圧迫したんだが。」
友「手に持ってたのもピザだったね。」
俺「うん、それは俺の金じゃないがな。」
凛「おいしかったから許す!」
俺「お前。かなり現金だな。」
友「とりあえず、あがっていい?」
俺「入場料1000円な?」
友、凛「・・・・・・」
俺「大変申し訳ありませんでした。どうぞお入りください。」
いつもの会話のあと。とりあえずリビングに腰を落ち着けた二人。
俺「リンゴ食べる?」
友、凛「食べる!」
俺「お前ら。ハモるなw」
友「でも圭ちゃんいっつもリンゴだよね?」
俺「俺リンゴ大好きだし。」
凛「もしかしてほかに何もできないとか・・・」
俺「・・・一応茶碗蒸しくらいなら作れる。」
そして俺は包丁を取り出して。リンゴをむき始めた。
すると二人が台所までよってきた。
俺「つまみ食い禁止な?」
すると従姉が下の扉からもう一つの包丁を取り出した。
友「今日は私がやるよ。」
包丁を握り締めながら笑顔で言う従姉。
俺「うぉ、つーかお前なんで包丁の位置知ってんだよ。うぁ、笑顔で俺に刃を向けるな!」
仕方なく俺は引き下がり。従姉に花を持たせることにした。
包丁を危なくない位置に置き。従姉の手さばきをみていた。
凛「お姉ちゃん。包丁ぷるぷるしてない?」
友「気のせいに決まってるよ?」
俺「なぜに疑問系?」
なんだか怪しい手つきでとりあえずリンゴを8個に切り分ける。
さて、ここから芯取りに入った。
すると、ダン!という音とともに、実だけが薄く切れた。
俺・凛・友「・・・・・」
俺「お前、もういいから、な?」
俺が肩に手を置いて慰めていると。今度は従妹が暴走を始めた。
凛「私がやる!」
は?と返そうとしたら、もうすでに時遅し。包丁を握り締め満面の笑み。
勘弁してくれ・・・と心の中でつぶやいた。
すると、ドン!と言う音とともに、実が真っ二つに。
衝撃でリンゴが床に落ちる。
俺「実が・・・」
凛「えへへ♪」
俺「君達もういいですから、あっちいっててくださいね。」
俺は二人を追い出し。リンゴをむいて皿にだした。
従姉がそのリンゴをじっと見つめる。
友「女の私より上手なんて不公平だなぁ・・・」
俺「凛ちゃんはまだいいけど、お前もいい加減料理くらい覚えような?」
友「んー、嫌なことをいうね・・・」
俺「何か作れるものとか無いの?」
従姉は少し考えた後、閃いたように告げた。
友「オムライスなら・・・」
へぇ。と声を漏らしてしまった。オムライスはかなり好物の部類に入っていたからだ。
俺「お、いいね。今度作ってよ」
すると従姉は顔を赤くさせた。
そんなことくらいで赤くなるか、と思ったが、指摘しないで置いた。
友「え、でもあんまり自信ないし・・・」
俺「安心しろ、俺は雑食だ。なんでも食うぞ」
友「でも私だけじゃ不公平だよ。圭ちゃんも何か作ってよ。」
俺「よし、ハルマキの皮に豚肉ともやしを入れた物を作ってやろう、名前はハルマキ」
友「そのままじゃない?」
俺「気のせい。まぁ、今度作ってくれよ、楽しみにしてるからさ。」
友「そっちも作ってくれないとやだよ?」
そして従姉は、笑いかけてくれた。
此処に妙な約束成立。
何してるんだろうね、俺。
なんだかごたごたしている間に、お菓子などを開けてしまい。
おなかがいっぱいになって昼ごはんが食べれなかったので、従姉と二人で俺の部屋に移動した。
従妹はいつの間にか消え、兄貴はゲーセンに行った。
兄貴は一日1回ゲーセンに行ってるような気がする。
なんでも本人曰くコナミに貢献しているとか。(ドラムマニア)
前友達と遊びに行ったとき、何度も同じ曲をやっているの兄貴を見かけたが。見なかったことにした。
そして俺の部屋に入ると従姉が俺のベットにダイブした。
凛「ぐぇ!」
まるで蟇蛙をつぶしたような声が聞こえた。
従姉がゆっくりと布団をめくると。せんべいと食べながらベットの中でくつろいでいる従妹を見つけた。
友「凛!あんた何してるの?!」
凛「ベット気持ちいいじゃん」
友「んー、まぁとにかくごめん。」
俺「つーか。俺のベットが・・・」
占領されたままだったが、その微笑ましい光景をみて、ちょっとだけ笑ってしまった。
友「どうしたの圭ちゃん。いきなり笑い出して。なんかいやらしいことでも考えてた?」
俺「いやさ、ただこれからお前らがこっちにきたら毎日がこんな感じなのかなって思っただけさ」
すると、従妹は変化は無いが。従姉の表情が少し暗くなった。
しまった、と思ってあわててつくろった。
俺「あ、いや、すまん。お前の父さんのことは難しいと思うけど・・・」
友「いや、あの、そうじゃなくてね。ちょっと・・・」
俺「ん?なんかまた問題でもあったのか?手を貸せるなら言えよ?」
友「いや。問題とかもないんだけど・・・」
俺「じゃぁどうした?」
従姉はそれから口を開こうとしなかった。
すると寝転がっていた従妹が起き上がった。
凛「こっちの家に来る話、無しになったんだよね」
ん?
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
俺「はい?」
友「そういうこと、なんかお母さんが急にやめるって・・・」
俺「おい。ふざけんなって・・・それマジで?」
友「うん、本当だよ。お母さんに聞いてみるともっと詳しく教えてくれると思う」
理由を問いただしてみたところ。叔母さんが宗教の幹部にとどまったほうがいいといわれたからそうすることにしたらしい。
俺「んなむちゃくちゃな・・・大体もう部屋も開けたんだぞ?!それをいまさら・・・っ」
友「本当にごめんね、でも圭ちゃんたちに迷惑かからないから。私はそれでも良いと思う」
俺「迷惑なんかじゃないって・・・あー、ややこしいな・・・」
友「でも、
二人のために部屋も空けて、ピアノを入るスペースを作って。
学校休んで色々な準備して。でも全部無駄になるのだろうか?
なんだがイライラしてくる。自分の思うように行かないからだろうか?
何を俺はイライラしているんだろう。と改めて自分で考えた。
答えは実に簡単、従姉妹家族とクラスのを楽しみにしていたからだろう。
まったく、なんだか翻弄されっぱなしだ。
何気なく外を見ると。夕日が差し込んできていた。
随分長い間話していたみたいだ。
従妹はいつの間にか眠っていた。
中学生になってから、以前にもまして寝入りが良くなっているような気がする。
俺達は。日が落ちるまで、ほとんど無言だった。
俺はパソコンに向かい、趣味に時間を使った。
従姉は兄貴の部屋から調達した本を読んでいた。
どれくらい時間がたっただろうか。
しゃべらないだけでこんなに時間の経ち方が違うのかと初めて実感した。
正面の窓を開けると、綺麗な月明かりが差し込んできた。
月明かりがちょうど従姉に当たった。
なんだか幻想的に見えて。ドキっとした。
もうそろそろ、家に戻る時間になる。
後数分程度の頃だろうか。従姉が口を開いた。
友「ねぇ・・・」
俺「あ、あぁ。何?」
明らかに俺はどもっていたと思う。何をあせったんだろうか・・・w
友「部屋まで用意してくれたのに、ごめんね。」
俺「いいって別に、俺も気分転換にはなったから。暇だったら遊びに来れば良い、自由に使えるようにしとくから。」
友「うん、ありがと。」
そこでまた会話が途切れた。
気まずい空気が流れていた。こんな感じになることは、兄貴との喧嘩を見られたとき以来かな・・・
友「ねぇ・・・」
俺「今度はどうした?あ、もうそろそろ帰る準備しとけ」
友「・・・すれば・・・」
小さくてよく聞き取れなかった。もう聞くと。
友「私に欲情すればいい・・・」
一瞬、体の全機能が停止したかと思った。
それほど衝撃的だった。
こんな言葉を口走るとは思わなかった。
俺「は?いや、え?お前何言ってんだ?仮にも俺はお前の従弟な?」
あせるのレベルじゃなかっただろう。俺は心臓が破裂しそうだった。
友「・・・・」
ベットに座ったままこっちをじっと見つめてくる。俺は蛇ににらまれた蛙状態だった。
月明かりが人を狂わせるという話を聞いたことがある。
一瞬それのせいなのか、と考えてしまうほど、俺は動揺していた。
ライトアップされた髪が綺麗に見えた。
一瞬理性が飛びかけたが。なんとか持ちこたえた。
すると下から叔母さんの声が聞こえた。
叔母「もう帰るから降りてきなー」
従姉ははーいと一つ返事をすると。従妹を起こし。下に下りていった。
いつもなら出迎えをするところだが、今日はやめておいた。
自分がおかしくなりそうだったからだろう。
俺は自分のベットにもぐりこんだ。
心臓はまだ、高鳴ったままだった。
ベットの中で、メールを打つ。
「気をつけて帰れよ」
ただこれだけを打って、俺は眠りについた。
以上です、稚拙な文章を読んでいただき、有難うございました。
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