九頭竜川の怪

2006/12/14 02:34 登録: えっちな名無しさん

今から6,7年前かな?
今でもそうだけど、お盆休みはツレ夫婦と毎年岐阜に
釣りに行くんです。
その年は初日、九頭竜川支流に入る予定で、夜の8時に大阪を出ました。
そして、夜中の1時前くらいに九頭竜ダムの公園駐車場に着き、
朝まで車の中で、仮眠をとる事にしました。
その駐車場には私の車しか止まってませんでした。

車の窓を3cm位開けてウトウトしていると、駐車場の端の方で、
カララ〜ン、カコ〜ン、と空き缶が転がる音がしてきました。

「風が強いのか?」
と思いながらもウトウトしていると、
やはり、
カララ〜ン・・・、と転がっている。
聞くともなしに聞いていると、その内に
カララ〜ン・・・「キャッキャッ」、「パタパタパタ(足音の様な音)」

???と思いながらも聞いていると、やはり
カコ〜ン・・・、「ハハハッ・・・」、「キャッ、キャッ」と子供の声が
遠くの方でしている。

さすがにこの頃になるとおかしいと思い始め、怖くなってきた。
目を瞑って耐えていました。

しばらくして、カララ〜ン、カラコロカラ〜ン、と車のすぐ傍まで缶が転がってきた
音がして、足音が、パタパタパタと近づいてくる。
そして、すぐ傍まで来て、立ち止まるような気配が・・・。

誰かが窓から中を見ているような気配がして、
目を硬く閉じたままじっとしてた。

2,3分?いや、もっとかな?
大丈夫かな?
もう行ったかな?
と思った瞬間、
恐ろしいくらい低い声で、

「寝た振りしてもダメだよ」

「起きてるのは判ってるよ」
「こっちを見てみろよ」
と、ホント、耳元で囁かれた。
本当に怖くなって、大声で、
「じゃかましぃ〜〜、くそがき〜」
と叫んでました。
すると、その声は私の耳元で囁きました。
「ぼそぼそ・・・」

少しして、助手席のツレと後部座席のその嫁が
ごそごそと起きて、
「どうしたの?」って聞いてきた。
恐る恐る外を見てみると何事も無かったようにシーンとしてる。
「御免、夢を見てた」
ひとまずそう答えといた。
助手席のツレは、
「ずーっと耳鳴りがしていて、頭が痛くてどうしようもない」
と言い、
嫁は、
「金縛りにあってて苦しかった」
と言ってた。
時計を見ると午前3時過ぎ。
少し早いけど、釣り場にゆっくりと向かいました。

ツレと嫁が、
「本当は、何があったの?」
って、聞いてきましたが、言えませんでした。
叫んだすぐあとに、低い声で、耳元で、
「今度見つけたら、全員殺すぞぉ」
と言って去って行ったんです。
それからは九頭竜川には行ってません。


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