親子の絆
2007/02/01 22:39 登録: ナナシ
「家族の絆」の続きとしてご覧下さい。
http://moemoe.mydns.jp/view.php/5602
あの日両親が離婚してから数ヶ月経ち、いま俺は親父と2人で生活をしている。
いつもいるはずの母と弟がいないのはやはり寂しかった。
もう母に『肩をもんで』と頼まれることも無ければ、世話のかかる弟の面倒を見ることもない。
あの時あんなに面倒だったのに、いざやりたくても出来ないって状況になるとやっぱり後悔すんだよな。
でもいくら寂しくても、親父にこんな姿見せるわけにはいかない。
一緒に暮らしている時にあった借金も、会社で偉い身分の親父にとってはアッというまに返せる額だった。
養うのが俺だけになったことで簡単に返せたらしい。
今は借金に悩まされることも無いだろう。
俺に何一つ迷惑かけずに苦しいことや辛いことは全部自分だけで解決してしまうような親父にはこんな弱い部分は見せたくなかった。
ある日俺は、親父に聞いてみた。
『なぁ親父、親父は寂しくないのかよ?』
予想外の質問だったのか、親父はあわてた様子で答えた。
『な、なんだよ突然!そんなもん寂しいに決まってんだろうが!お前も寂しいだろ?でもな、お父さんは平気だぞ?お前がいてくれれば平気だ。お前も寂しかったら、お父さんに言えよ?お父さんはお前の親なんだからしっかり甘えてくれ。』
家族がバラバラになってしまってから、何回も親父や母を憎んだ。
いまも親父の事許してる訳じゃない。許してる訳じゃないんだけど、親父の言ったこの言葉に、涙がこぼれた。
俺の泣く姿を見て親父も泣いていた。
離婚届けを書いたあの時でも涙を見せなかった親父だったが、泣いている。
親父、あんたは最高の父親だよ。
出典:オリ
リンク:ジナル
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