13年前の話
2007/02/11 13:43 登録: えっちな名無しさん
もう13年前の話だ。19歳の雪が降る日、僕は小学校来の親友と彼のアパートで受験勉強に励んでいた。
あと一月もすれば苦しかった浪人生活に別れを告げられるのと解放後の楽しみを前に僕らは胸を踊らせていた。
友「合格したら海に行ってみたいなぁ。実は俺生まれてから一度も行ったことないんだよ」
僕「そうなのか、じゃあ今年は彼女なんかつくって行きたいな」友「じゃあ約束な!」
僕「ああ、そのためにも頑張らなきゃな」
それから日は過ぎ、僕らは同じ第一志望の大学に合格することができた。彼は泣いていた。
彼は田舎の両親にあらためて合格を報告するため一度帰郷すると言い翌日東京土産を手に笑顔で列車に乗っていった。
そして、彼は呆気なく死んだ。
彼の両親からの電話で訃報を知った。
あれから13年経ち、誘われることはあったが僕は一度も海に行くことはなかった。
田舎に帰る途中、ホーム下に落下した子供を助け出し、列車に轢かれ死んだという彼がいないのだ。
どうして僕だけ行けようか。
誇れる親友よ、君に逢えてよかった。
出典:13年前
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