卒業式の思ひ出

高校の時の卒業式は、出席日数が足らず
学年で俺だけ一ヶ月遅れの卒業となった。
自業自得だから仕方なかったが、やはり
皆と同じ感動を味わいたかった。
まあ留年しなかっただけでもよかった。
式が終わった次の日から登校。当然後輩たちと
遭遇。後輩達にはかなり珍しがられたが
「本来なら、もう学校にいない先輩が
学校に暫くいるなんて不思議で、何か嬉しい。」
なんて言われ、卒業までの一ヶ月間校内での清掃
活動等のボランティアをしながら、俺自身も不思議な
同級生が誰一人いない空間の中で過ごした。休み時間の
度に後輩達が訪ねてきて、本当に楽しい時間を過ごせた。
「卒業したくないな。」なんて気持ちにもなった。
楽しい時はアッという間に過ぎて卒業の日。
校長室で卒業証書を受け取り、担任や他先生達から
お祝いの言葉をもらった。担任は
「この一ヶ月間で情が深まり、卒業させてしまうのは
何か寂しいな。これからも元気でな。」と涙を堪えながら
握手してくれた。俺も同じ気持ちだった。でも校長室を
出たとき一気に抑えきれずに涙が出た。廊下の両端には
後輩達がズラリと並び両腕でアーチを作り俺を送ってくれた。
春休み期間なのに、わざわざ登校し有志の呼びかけで企画して
くれたみたいだ。

一生忘れられない俺だけの卒業式になった。


出典：２ｃｈ　コピペ
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