彼女との思い出
2007/04/13 12:36 登録: えっちな名無しさん
僕と彼女は小学校から中学まで一緒だった。
僕は小学校から彼女の事が好きだった。
いつも軽口を言い合い、彼女といると楽しかった。
中学二年生ぐらいに何度か告白しようとした。
でもいつも勇気が出なくて言えなかった。この関係を失いたくなかったから
しかし中学卒業の時に僕は彼女に呼び出された。
そして僕は彼女に告白された。
まさに奇跡だと思った。僕は嬉しくて飛び上がりそうになったけど、付き合う事は出来ないと答えた。何故なら僕は美容師になるために大阪の職業訓練校に行く事になっていたからだ。
彼女はそれでもいいと言った。僕は髪が切れる様になったらこの街に帰って来て君の髪を切ると約束した。
彼女はそれまで待ってますと微笑んだ。
それから四年間、僕と彼女は連絡を取り合い続け、他愛もない話、辛かった話、失敗した話。電話や手紙でやり取りを繰り返した。
僕はどんどん彼女を深く好きになって、早く逢いたいと必死に練習した。
そしてとうとう故郷、彼女の居る街に帰る日が後半年に迫ったある日、一本の電話が僕宛に入った。
それは彼女が危篤で有ると言う電話だった。
その日の内に僕は休みをとり、飛行機に乗って彼女の元へ向かった。(なんでこんな事に、生きてくれ)初めて神様に祈る様な気持ちだった。
病院に着いた時、 入り口で彼女の母親が迎えてくれた。
そこで僕は彼女が死んだ事を知った。間に合わなかった。崩れ落ちそうに地面が揺れた様な気がした。
白血病だったらしい。半年前から発病したのだと言った。 僕に心配かけまいと黙っていたらしい。 僕は涙とショックを堪えて歩くのがやっとでまるででも何故か現実感がなかった。
霊安室の扉を開くと、ベットの上に綺麗に横たわる彼女が居た。
久しぶりに近くで見た彼女の髪の毛は薬の副作用で髪が所々しか生えて居なかった。
思わず彼女の頭を撫でた時に、彼女の母親は彼女は毎朝僕に切って貰うのだと言っては微笑んで、みっともなくてもずっと剃らなかったと教えてくれた。
僕は鞄からハサミを取り出して1番太い髪の束を取り出して半分切った。
隻を切ったみたいに堪え切れない涙が零れた。
後から後から溢れて来る涙を抑え切る事が出来なくて大声で泣いた。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった。息が詰まって頭がぼーっとして指先が痺れた。
こんなに待っててくれたのに僕は何もしてやれなかった。気付いてさえあげられなかった。
悔しさと寂しさ自分へのいかり。いろんな涙が出た。
そしてあの日言えなかった。君が好きって言葉を言った。
鳴咽でよく聞こえなかったかも知れないけど。
ずっと好きだったんだって。
今は愛してるって。
たくさん言った。
あれから僕はずっと一人ぼっちでいる。
だって彼女より愛せる人なんて何処探したっていやしないから。
なんかみっともなくて情けないな俺。
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