オルゴールとサンタロウソク

小学５年の時、学級委員をしてた。
女子の学級委員のA子は仕事を俺に押し付けてばかりなので（仕事っつっても今思うと別に何もないが）、嫌いだった。
俺はA子によくキレて叱ったりしてたが、叱るとA子は黙りこんでしまう。
あまり一方的に見えたのか、クラスの男子がA子を庇って俺を非難する始末。

そんなある日の図工の時間、俺の小汚い絵の具セットの中にかわいらしい紙で包装した物が入ってるのを見つけた。
「なんだこれ！？」と俺はクラスメイトと騒いで開封してみると
小さなオルゴールと、ケーキに乗ってくるようなサンタのロウソクが入ってた。
「誰のだよ！学校にこんなもん持ってきたらダメだろ！」と大声で学級委員風を吹かす俺。
ふと見ると、A子が机に伏している。泣いているのか周りには女子が集まってる。
そのとき「ヒューヒュー」という男子の声がした。
振り向くと「誕生日おめでとう」と書いた紙を男子が回していた。オルゴールはA子の俺へのプレゼントだった。

恥ずかしくて俺は、「こんなもん学校に持ってくるな！」と
オルゴールとサンタロウソクをA子に突き返した。
A子は少し泣きながら「ごめんね・・・」と一言言ってそれをランドセルにしまった。

かわいそうなことしたと、今でもたまに思い出す。

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