イエス様

2007/04/23 13:33 登録: えっちな名無しさん

ある日、イエス様が町を歩いていると、なにやら広場で騒ぎが起こっていました。
 気になったイエス様が言ってみると、人だかりのできた広場の真ん中に女が立たされ、罵られながら石を投げつけられていました。
 これを見たイエス様は広場に轟くほどの大声で言いました。
「なぜあなた達はこの人に石を投げるのか!?」
 人々の中から男が進み出て言いました。
「この女は姦淫の罪を犯したのです」
イエス様は再び言いました。
「その罪は石を投げられるほどの罪なのか?」
 男は答えました。
「はい。律法の書にそう書かれています」
 それを聞いてイエス様は言いました。
「なるほど、ならば石を投げるがいい。ただし・・・」

 言葉を区切ってイエス様は人々の顔を見渡しました。

「これまで罪を犯したことの無い者だけが石を投げなさい」

 人々はハッとして、胸に手を当てて考えました。ある者はかつて嘘をついたことを思い出し、ある者は隣人の銀貨を盗んだ事を思い出しました。
 人々はそれぞれ自分も罪を犯したことを思い出し、自分には女を裁く権利が無いと思うようになりました。
 そうして人々は広場から一人、また一人、と立ち去りました。


そして広場には、泣きながらうずくまる女と、その女に力いっぱい石をぶつけるイエス様だけが残りました。


出典:?
リンク:?

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