ぼくのペット。

2007/04/26 18:28 登録: えっちな名無しさん

 僕のペットだった…
もう、この世にはいない…。


 あれは、中学3年生の春頃。
僕達は、友人のN君の家で出会った。

N君は、春休みに家族で北海道に旅行へ行き昨日帰ってきたところだ。
「おみやげ楽しみにしててね。」というメールを旅先からもらっていた僕は、わくわくし
ながらおみやげを受取りにいった。
なにせ、北海道なんて僕にとっては未知の世界なわけで、いったいどんなおみやげがとび
だすのかドキドキしながら、大きさの割には少し重いお土産袋をあけた。

それは、プチプチに包まれていた…。



僕はプチプチをそっと外した。
ガラスビンの中から顔を覗かせる君は、小さくて、とても愛らしくて…。
一瞬で僕の心を鷲掴みにした。
「まりも…」僕は呟いた。まさか生のまりもにおめにかかれるなんて…
僕はN君に礼をいうとすぐに家に帰った。
その日から、僕達の生活は始まった。
元気がでるように暖かい日当たりのいい場所に置いてやり、水が汚れてきたらちゃんと交
換してやった。
夏がきて、水が暖まると死んでしまうので、氷を入れてやったりもした。お前、北海道出
身だもんな。

 そんなこんなで、過酷な夏をのりきったある日…
秋中頃だというのに温暖化の影響か、夏並に暑い。僕は心配になり急いで家に帰った。

「……うそだろ。」その日もあいつの好きな日当たりのいい場所に置いてやっていた。
でも、それがいけなかった…
「おい、どうしたんだよ…」
まりもは茶色くなっていた。まるで、抜け殻のように…
「死んで…ないよな……?返事してくれよ…」
「なぁ…へん…じ……」
返事は返って来なかった。目から溢れる水は、ビンの水と混じって消えていった…



僕のペットだった…
ペットであり、親友であり、恋人だった…

もう、この世にはいない…。



埋めてあげた時に、どっかから『ありがとう』って聴こえた気がした…。

出典:スレはないよ。
リンク:オリジナル

(・∀・): 154 | (・A・): 65

TOP