中学校の道徳の教科書に載っていた話

2007/04/27 14:07 登録: えっちな名無しさん

主人公の少年Aの学校では夕方に流れているラジオが流行っていて、
リスナーが送った手紙が人気のDJが読み上げるというコーナーがあった。
主人公の学校で送った手紙が読まれると、ヒーローのように扱われた。
ある日、Aと敵対している三人組の一人が送った手紙が読まれ、その三人は学校で調子にのりまくる。
Aと仲の良いB、Cの三人も何度も手紙を送ってはいたが、今まで読まれたことは無かった。
そこで手紙が読まれるにはどうしたら良いかを三人で考える。
するとBがある内容を提案した。
それは架空の友人Dを作って
「Dは癌に犯されている。毎日ラジオを楽しみにしているから、僕達の手紙を読んで元気づけて欲しい。
そして、D自身は癌と言う事を知らないからその事には触れないで欲しい」
という内容だった。
それを手紙に書き、送ると早速読まれ、三人は学校で人気者に。
敵対している三人の悔しそうな顔を見て、A、B、Cは満足していた。

それからも毎日のように送ったが、その度読まれ、A、B、Cの三人は段々と複雑な気分に。
DJの人が手紙の内容を信じていることに罪悪感を覚えたのだ。
三人はDJに直接謝るために放送局に行く。
入り口で止められたが、隙を突いて局内に入り、
放送が終わったところで番組のディレクターに頼み込んでスタジオに入れてもらう。
だが、中にDJらしき人はいなかった。

A君達が困惑していると、ディレクターが話し始めた。
「DJの人は今日の朝亡くなった。半年前から余命を告げられ、10日前から
スタジオ入りもできなくなった。一週間前に病室で最後となる明日の分までの録音をやった。
リクエストの手紙も自分で選んでいた。最後のリクエストは癌にかかった友人に贈る手紙を選んでいたよ。
明日には新聞にも載るし、ラジオの番組も明日が最後だよ」
A、B、Cが何かを言おうとすると、ディレクターは
「君たちはファンだったんだね。話したかったことは胸にしまってもう帰りなさい」
と言って、A、B、Cの三人を帰した。
三人は帰り道のバスに揺られながら涙を流し続けた…

出典:教科書
リンク:だっちゃ

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