魔法陣グルグルとミサンガ

2007/05/11 14:27 登録: えっちな名無しさん

小学校6年の時俺には好きな子がいた。今年成人式に出る俺の20年の人生の中で
一番好きになった女の子かもしれない。
あれは多分夏休みのちょっと前くらいだったと思う。友達数人の強引な
進めで俺はその子に電話で告白することになった。今から8年くらい前だから
まだ携帯なんてそんなに普及してないし、自宅に直接電話することになる。
さんざん渋ったあげく俺はその子に電話し、告白した。緊張で何て言って
告ったのか覚えてない。けど返事はOKだった。それから毎日学校へ行くのが
楽しみで仕方なくなった。
まぁでもそこは消防だし、休みでもその子が俺んちに来て漫画読んだり
いろんな話したりでデートらしいデートなんてした記憶はない。
けど俺はすごい幸せたった。
彼女から夏休み明けに転校すると言われるまでは。
それから俺は彼女とあんまり話さなくなった。何話して良いかわかんなかった
し今考えると本当バカなんだけど彼女がウチに来ても居留守を使ったりしてた。
覗き穴から覗いたときの彼女の悲しそうな顔は今でも鮮明に覚えてる。
そんな俺を見てた友達はしびれ切らしたしたらしく彼女の家に行って来い
と無責任に言った。奴らにしてみりゃ興味本位だったと思うけど
今思えばまぁ多少は感謝してる。俺はほぼ無意識に彼女のお気に入りの
漫画だった魔法陣グルグルを5冊持って彼女の家に走った。
インターホンを鳴らすと彼女の母親が出てきた。
「あ、あの○○(自分の名前)ですけど××(彼女の名前)さんいますか・・・?」
「あら、ちょっと待ってね、××〜○○君が来たわよ〜。」
ちょっとビックリしたような彼女の声が聞こえた後、彼女が玄関に出てきた。
「これ、あげるよ、転校した学校でも元気でな。」
そう言ってグルグル5冊を渡す。彼女は驚いて俺を見た。彼女の目は赤かったと思う。
「ありがと・・・○○君も元気でね。」  少し震えた声で彼女が言った。
何を思ったのかわからないが俺は握手を求めるように手を出した。
彼女は俺の手を握ってくれた。初めて触った彼女の手はすごく小さくて
暖かかった。
夏休みが明けると彼女はほどなく転校していった。俺に置きみやげを置いて。
あれから8年経つけどグルグル1〜5巻が抜けた本棚と彼女が俺にくれた
ミサンガを見るといつも思い出す俺の甘酸っぱい思い出です。


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