愛車精神とは
2007/05/16 15:16 登録: えっちな名無しさん
288 名前:774RR 投稿日:02/10/18 13:00 ID:hzuP1fZA
とある中古のバイク屋で店員をしていた。(今は転職して違う業種)
バイクは特に好きでも嫌いでもない。金があれば欲しいな程度にしか
思っていなかった。免許も車に付いてくる原付しかない。
しかし出張で東京の方の店舗へ1週間ほど行ったとき、それまでは内勤の
事務作業だったのだが初めてバイク屋として売り場へ立った。
そこでは、様々な人生模様があった。はっきり言ってそこのバイク屋は
メーター戻しをしたり、金をもらっといて納車整備はしない。なんて
ざらにあった。そんな所に客がかなりくるんだよまた。
ある時、子連れの夫婦が来た。じっと見てると何やら口論している。
「あんた、これ全部で100万以上するじゃないの」
「いや、ほんと仕事も頑張るから、お願い!!」
「パパ、これ買うの??後ろに乗せてね」のような。
その人が見てたバイクはZ?【脚注?】、珍車ではない。ノーマルのやつ。
聞いているとその人が学生だった頃に先輩が乗っていて
それを借りて初めて乗ったバイクなんだって。
ずっと憧れてて、ずっと欲しくて探してたらしい。
うちのショーウィンドウで見かけた時は本当に大喜びしたみたい。
289 名前:774RR 投稿日:02/10/18 13:11 ID:hzuP1fZA
長々と奥さんを説得するだんな様。
そんな旦那さんを見かねて少し仲介に入ってあげた。
「すいません、もし今乗っているバイクがあれば
下取り価格という事で安くは出来ますよ、ありますか?」
「ありますあります!!今から乗ってきますから待っててください。」
興奮したような旦那さん、奥さんと子供を置いて取りに帰った。
待ってる間、奥さんと子供にコーヒーとジュースを出してあげた。
奥さんは
「あんな何十年も前のバイク出してもお金がかかるのに、ごめんなさいね」
と言ってた。私は「見てみなければ分からないもんですよ」と返した。
実際に私もそんなに期待はしていなかった。
20分ほどして旦那が戻ってきた。極上のCBX400F【脚注?】に乗って。
マフラー以外ノーマルで乗ってて、多少の傷はあるものの見ただけで
分かるほどの洗車と整備を怠ってないバイク。
店に出せば100万以上の値はいくだろう。業者間オークションでも80万以上。
私は「じゃあ、このZ?とこのバイク。差額20万円でいいですよ」と。
心情的には差額無しで行きたい所でしたが無理でした。
奥さん、大声で「これが80万円の価値があるの!!?」とのたまわった。
290 名前:774RR 投稿日:02/10/18 13:33 ID:hzuP1fZA
旦那は涙を流していた、正直その時私には理解できなかった。
「大切にした甲斐があった、売る為に買ったわけじゃないよ
ありがとうありがとう・・・何年もありがとうな、ごめんよ」
新しいバイクを手に入れる代わりに思い出の詰まったバイクを
私ら業者に売る時の気持ち、どんなだろう。理解できなかった。
ちょうどこのスレで煽っている人たちのように私にとって「機械」
だったバイクにここまで真剣に涙を流せるなんて。
しかし旦那が言った一言
「どうかこのバイクを次も大切にしてくれる人の所へ売って下さい
お願いします」っと。
私は涙がポロポロと出てきた、今まで何台ものバイクを引き取って
事務処理をして、廃車手続きをして解体したり次へ売ったりして
感情を失っていたのかもしれない。私は店員なのに一緒に泣いた。
「すいません、お客さんの前なのに。。」
旦那さんは手続きをすませ、帰った。私はその夜CBXとZ?を丁寧に
洗車した。Z?には「次のお前の主人、いいやつだぞ〜」と
CBXには「今まで可愛がってもらってたんだなぁ〜次もそうだと良いな」
と思いつつ、はたから見れば薄ら笑いを浮かべつつ洗車をする私は気味が
悪かったと思います。
【コピペ者による注釈】
?Z?
カワサキ・750RSおよびカワサキ・Z750FOURはカワサキが1973年から1978年にかけて製造・販売した総排気量746 ccのオートバイである。通称は「Z2・ゼッツー(関西では「ゼットツー」若しくは「アールエス(車名の750RSより)と呼ぶことが多い)」。カワサキは1972年に排気量 903 cc のZ1を発売し、欧米で高い人気を博し販売成績も好調であったが、日本国内では業界の自主規制(大型自動二輪参照)により750cc超のオートバイは販売できなかったため、 750 cc クラスの国内版モデルが必要であった。当初は Z1 のエンジンをボアダウンして発売する予定だったが、結局ボアとストロークの両方を変更して750 cc 車種として最適化した。日本国内発売当初より驚異的売上を達成し、数々の伝説を生み出した名車となった。
?CBX400F
ホンダ・CBX400F(シービーエックス400エフ)は、1981年11月に本田技研工業が発売したオートバイである。このオートバイは現在の二輪業界にも影響を与えている。例えば、現在のCB400 SUPER FOURは開発時にこの車両を一部参考にしており、カラーのラインナップには「CBXカラー」を追加し人気となった。2006年現在、CBX400Fは発売した当時の値段よりも値上がりを起こしており、他社では川崎重工業のZ-1・Z-2や自動車ではトヨタのAE86(レビン、トレノ)と同様に一時期プレミアが付いていた。 この背景には、オートバイブームや、暴走族、旧車會によって車両が使用され現在残ってる車両が少なくなったというものがある。
出典:
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