歩
2007/06/24 17:26 登録: えっちな名無しさん
俺には幼馴染のアユミって奴がいて、どっちかというと活発系な子。
いつも俺とかその他男子と遊んだり喋ったりしていて、
女子にももちろん人気があった。
男子でも女子でも悩み事はだいたいアユミに相談する。(俺はしてないけど)
アユミはアドバイスをするというよりも、ただ「うんうん」と聞いているだけらしいのだが、口も固いうえ誰の相談でも真剣に考えてくれるというのが人気の秘密らしい。
そんなアユミのやさしさにコロッとやられた男は片手じゃ数え足りない。
俺が言うのもアレなんだけど、アユミは可愛いほうだと思うし、
頭もいいほうだと思う。
(顔は「堀北まきに似てる」と主張する人が多数、通知表はオールA。
何をかくそう俺も「コロッとやられた男子」の一人で、
小さい頃からアユミが好きだった。
物心もつき始めた5年の時。
いままで話したくても話せなかった「恋バナ」をアユミとしていた。
俺は素直に好きな人がいるといい、アユミも好きな人がいると公言した。
お互いに「誰?」と毎日聞くが、それが聞けたのはバレンタインだった。
=バレンタインの前日=
俺「お前明日好きな人に告るん?」
歩「ん・・どうしよ。きまづくなったらイヤだしな;」
俺「協力してやろうか?(内心ビビリ)」
歩「ヤダょー好きな人言わなきゃいけなくなるじゃん。あ、それ目的?」
俺「ばれたか・・・」
歩「まだまだだな(笑」
っとまぁワラってすごしたけど落ち着いていられなかった。
(俺だといいなぁ・・・俺なわけないか・・・ハハハ)
=バレンタイン当日=
面白いぐらい男子がそわそわしてて、それと真逆に女子はいたって冷静。
俺もどちらかというと冷静で、でもいつも以上に歩が気になった。
男子と話すのが当たり前な歩だったけど、今日は好きな人と大目に話すんじゃないかと
歩が喋った男子は全員目をつけた。
時はさっさと過ぎて放課後。
俺「お前告白した?」
歩「ううん。うちなんか告ったら迷惑だろうなって思うとね。ちょっと気がひける」
俺「お前なら大丈夫だろ」
歩「いつもいやみばっかいうくせに今日はどうした。チョコもらえなくてへこんで る?」
俺「別に。(お前がくれればそれでいい)」
歩「へぇ〜ふぅ〜ん。」
俺「俺のことはどうでもいいじゃん。お前どうすんの?」
歩「・・・ちょっと協力してくれない?」
俺「??・・・・いいよ」
教室をでて、玄関と反対方向に向かう階段へ。(あまり使われない)
俺「で、どうすればいい?っていうか好きな奴だれ?」
歩はあたりをきょろきょろして、挙動不審。
やっぱ好きな奴に聞かれたくないのかな・・・と思っているとおもむろに袋を取り出して俺に突きつけてきた。
歩「・・はい。」
俺「?????」
歩「もらって・・・」
受け取ってみてみるとなんとボコボコのチョコ!
(あとで下手だなっていうとそういうチョコなのって怒られた)
俺「え・・は?え??」
歩「だから好きな人・・・優(俺)だょ・・・」
俺「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
目を真ん丸くして歩を見ると、顔を真っ赤にしてうつむいていた。
むっちゃ可愛かった。
声が裏がえらないように「俺も(好きだよ)」と喋ろうとしたら、歩が逃げていった。
追いかけたけど、もうすでに見えなかった。逃げ足だ・けは速かった。
家に帰ってまず喜びに浸る。
袋の中はチョコだけで、カードらしきものは無かった。チョコは上手かったけど。
明日にでも告れば幸せな毎日が・・・とバカな俺の顔が気持ち悪かったのか、
親が「病院いく?」と何度も聞いてきた。
=翌日=
教室に入ると、歩が俺の隣の席の女子と話していた。
早速と思って席に向かうと、歩が俺に気づいたみたいでビクッと肩をあげて自分の席に戻っていった。シカトですね。はい。
その日から喋りかけようと思えば逃げられ、近づこうと思えば去られ。
完全しかとが2週間も続いた。
いいかげんムカツクよりもショックのほうがでかくなってきたので友達に頼んで放課後歩を捕まえてて貰った。
再びあの階段へ。
俺「何でシカト?」
歩「だって・・・気まずいでしょ・・」
俺「俺は別に」
歩「そっちはそうだろうけど・・・でも・・」
俺「俺もお前のこと好きだから。」
歩「へ?」
俺「お前は振られたとか思っとるかも知れんけど、フッタ覚えないし。
俺の好きな人もお前やから。」
歩「・・・うっそだぁ・・」
俺「嘘のほうがいい?」
歩「うん。」
俺「うんってお前(笑」
歩「・・本当に?」
俺「うん。」
歩「頭大丈夫?どっか打った??」
俺「お前がな。」
歩「アハハ///」
俺「壊れとるぞ、お前。」
まぁとりあえず一件落着ってことで2人で帰りました。
手をつなぎたかったけど歩がどーしてもいやだというのでしょうがなく普通に。
クラス全員には俺が歩を好きなことも、歩が俺を好きなことももろ分かりだったようです。知らなかったのは本人2人だけ。
ソレを聞いたときすっごくハずかった。
両想いではあるけれど、付き合うまでは言ってないし、
休みの日に遊ぶとかいうことも無かった。
たまに一緒に帰ったり、男女混合の班は必ず一緒になったりとかそれだけ。
今までと代わったこともとくに無かったかな。
ホワイトデーはちゃんとお返しあげましたよ。
=6年生=
最上級生といっても特に気分も変わらずクラスもかわらず。
変だったたのはなぜかあの告白が無かったことのようになっていると言うことだった。
歩とは普通だしきまづいとかは無いけど、不思議に再び「恋バナ」が持ち上がり、
「優って○○すきなんじゃないの?」とか聞いてくるようになった。
あの感動はなんだったんだ。
夏と秋を通り越して冬。
俺らは1年前と同じような会話をしていた。
俺「お前明日好きな人に告るん?」
歩「ん・・どうしよ。きまづくなったらイヤだしな;」
俺「協力してやろうか?」
歩「ヤメテょー好きな人言わなきゃいけなくなるじゃん。あ、それ目的?」
俺「ばれたか・・・」
歩「まだまだだな(笑」
=バレンタイン=
去年の教訓を生かしてか男子はそわそわしなくなった。女子は同じく冷静。
その日はたまたま(本当にたまたま)歩と玄関まで一緒になった。
ちょっとした沈黙があって、バレンタインなのに俺から告白してしまった。
歩「・・いきなりどしたの?」
俺「お前去年のことすっかりしっかり忘れてない?」
歩「そうじゃないけど・・・自分だけ覚えてるって言うのもなんかいやだし。」
俺「俺はしっかり覚えてるけど?」
歩「覚えてるように見えなかったの!」
俺「・・・ごめん。」
歩「いや別に謝ることでもないけど。」
俺「・・・・」
歩「あたしも。」
俺「へ?」
歩「あたしもまだ優のこと好きだょ・・///」
1年前と同じく2人で帰った。
今度はほとんど無理やり手をつないで帰った。
歩は恥ずかしいのかほとんど喋らなかった。
ここまで去年と同じなら次は・・・と思っていたら案の定
『クラス全員気づいてたから!!』と異口同音に言われた。
幸せいっぱいで卒業式。
学校区域はあんまり変わらないのでほぼ全員が同じ中学。
だから涙を流す人はいなかった。
女子は写真を取りまくるし、男子はサルみたいにはしゃぐし荒れ放題。
同じクラスにいたもう一組のカップルが2人の写真を撮りたいというので
カメラ係を頼まれた。
みんなの前じゃいやだというのであの階段へ。
2枚ほどとった後、「優も取れば?」と言われたので教室に戻って歩を連れてきた。
恥ずかしがっていたけど逃げずにちゃんと撮られてくれた。
教室に戻るまでの数メートルの間、
思い出したかのように俺は歩に「つきあおう」っていった。
歩は当然のことながら口をポカンとあけて俺の方を見ていた。
俺「中学は同じでもクラスは今の倍以上になるだろ。・・・・まぁ不安だしさ。」
歩「フッ・・・」
俺「そこ笑うとこ!?」
歩「ううん・・・いや・・・ちょっと・・笑いが止まらないw」
俺「そうかそうか。俺と付き合えてそんなにうれしいか。」
歩「そういうことにしとこうじゃないか。」
俺「何それw」
とりあえず幸せいっぱいになった俺ら。
俺たちに別れ話は無縁だなと思ってた。
冗談で「俺別れ話だけは絶対聞かないから!」というと、歩は
「別れ話を切り出すのは絶対優だよ。」と自分からは言わないと断言。
=中学=
入学式の3日前。クラス発表を見に行った。
6クラスもあるからさすがに同じにはならないだろうなって思ってたけどやっぱり。
だけど隣のクラスだから、それなりに出会う確立は高いと思う。
廊下で会う回数もとことん多いだろうし。
中学が始まってもまだ小学校の感覚が抜けない。6年2組って書いたりとか。
中学だぁと感じたのは部活見学だった。
俺は中学ではめずらしいと思っていた弓道に興味を持った。
やっぱりみんな弓道かなと思いきや、人気は野球・サッカー・吹奏楽だった。
たぶん珍しすぎて大会とかも少ないからだと思う。
歩も弓道に興味を持っていて、一緒に入ろうということになった。
生活も部活も少しずつ慣れてきたコロ、同じクラスの奴に
「6組の歩って子と付き合ってるの?」と次々に聞かれた。
歩はどう答えてるか分からなかったからとりあえず否定。
しかしその噂は翌日には学年中に広まった。
歩からは「どいうしたらいいの?」ってメールが来て、
そのたびに「めんどくなるから否定しとこ」と返信を打った。
その噂が最後に行き着いた先は2人の親だった。
別れたって噂を流してもらおうと歩に提案したら、
「もう別れようよ。」とメールが来た。
他に好きな人ができたとか、ケンカしたとか、そういう理由が無いのに別れなきゃいけないって意味が分からない。
歩には、「本当に別れなくてもいいだろ。噂流してもらおう。」と何度も言ったけど
歩は「ちゃんとしたほうがいいよ。優もそろそろ好きな人できたでしょ?じゃ。」
と多分コピーしてある文を何度も送ってきた。
俺が分かったという前に、俺たちは別れてしまった。
別れてもクラスは隣でよく会うし、体育も2組合同なので一緒だし、選択も一緒。
前までは喜んでいたのに今は見るのがつらい。
一番きついのは部活だった。
俺のとこの部活ではよくペアを作って、お互いを見、注意しあうことが多々ある。
別れた日の翌日に限って、俺たちはペアを組んだ。
2人は終始無言。
噂が広まったせいで別れて、2人に悪いところはないはずなのに、
なぜかきまづかった。
アレだけ噂が流れたのにもかかわらず、うちの部活だけは誰も知らない。
だから余計やりにくかった。
別れてから数週間ご。
6組の子から告白された。(歩も6組)
なんかケバくてうるさそうで、タイプなんかじゃなかったけど
そいつの言葉に耳を疑った。
6「一目ぼれなの。それで歩が知り合いだって言うから協力してもらったの。だけどま さか歩が彼女だとは思わなかった・・・裏切りだよ!だからシカトしたの。そしたら 急に泣き出してさ、別れてくれたら許すって言ったら本当に別れくれたんだもん。 だからつきあお。歩もそうすれば?って。」
なっちゅー女だと思ったよ。
お前ホントに?1か!?と思うぐらいの身勝手さと厚い化粧に嫌気がさした。
とにかく歩が心配だった。
俺「お前とはぜってー付き合わんわ。」
6「・・・どうなるか分かってるの?」
俺「何が?」
6「歩またみんなにシカトされちゃうなぁ・・・」
俺「は?」
6「お試しだけでもいいからさ♪そしたら歩には何にもしないよ。」
歩を引っぱりだされたらなにもいえなくなった。
翌日にはそいつが広めたであろう噂も聞いた。
多分歩の耳にも入っているだろう。
夏休みも過ぎたころ。
ひっさびさに歩からメールが来ていた。
アド変のメール。
一斉送信だろうけどなんかうれしかった。
思わず即「久しぶり」と返事を返した。
歩『本当久しぶりだね^^』
俺『部活で顔は合わせてるけどな〜メールは話題がないし。』
歩『最近喋ってなかったしね。』
俺『お前シカトされてたって本当なん? 』
歩『どうだろw 』
俺『どうなん? 』
歩『・・・本当だよ。でも今は全然そんな感じじゃないし!それに半分位の人は喋って てくれたから。』
俺『そっか・・・ごめんな。』
歩『優のせいじゃないよ^^もういいって。ソレより彼女大切にしてあげなよ?
クラスで「最近冷たいよ」って嘆いてるよw』
俺『だって別に好きじゃないし。明日別れてっていうつもりやから。』
歩『え!そんな情報うちが仕入れていいの?笑』
俺『お前は口堅いから大丈夫やろ』
歩『いゃーそれほどでも*^^*』
俺『いゃーほめたつもりは*^^*』
なんかやっぱり居心地が良かった。
歩はやっぱり歩だし、俺も多分かわってないだろうし。
でも歩に年上の彼氏がいると聞いたことがあった。
それは歩本人も認めていたらしく、でもどこで会ったとか詳しい情報は知らなかった。
=中学2年=
うざい女と別れたあと、歩がシカトを受けているようすは無かった。
なぜだか不思議に権力がある俺の友達が、「いじめんな」と6組にいったらしい。
この中学どっかおかしいよ。
いつでもよりを戻せると思っていたけど、
歩には彼氏がいるようないないようなわからない状態だったし、
俺もいつまでもふらふらしてて、告白してきた奴とは全員付き合った。
(1ヶ月も経たないで破局)
これでも一応歩を忘れようとの努力。(言い訳)
だけどやっぱり忘れられなかった。
せっかく友達に戻れたのに、またきまづくなるのもいやで、
結局無駄に一年を過ごした。
=受験=
ほとんどの人が公立校志望の高校受験。
俺は弓道を続けたかったから強くも弱くも無い、気楽にできる高校を選んだ。
歩は歩の兄ちゃんと同じところで、進学校を受けるらしい。
夏休みがあけるともうすでに受験一色。
学力的には俺はぎりぎり。
模試とかは合格圏内だったけど、学校のテストはいまいちだった。
勉強のせいでパソコンもあんまりできなかった。
私立の合格発表の日。
俺も歩も私立は受かったので、公立は第一志望校を受けることになった。
久々にお互いおめでとうといいあい、頑張ろうねといいあった。
歩は最後に「無理しないでね」と付け足していた。
卒業式。
公立入試が終わって、発表を翌日に控えた日なので
まだクラスは緊張で包まれてた。
明日・・・明日・・・とつぶやく人もいれば、
今日で・・・今日で・・・・とつぶやく人もいた。
やっぱりこの学校どっかおかしい。
卒業式は大半の女子が泣いた。
歩も泣いていた。
卒業式が終わると、男子はボタンを気にし始めた。
女子もチラチラ見ているようだった。
俺は今日こそ歩に告白しようと思って、他の女子にボタンを申し込まれても
全部断った。(っていうか離任式もあるし、親に知られてもイヤだし)
校舎からでると、歩は男子と喋っていた。
目を凝らすと、ボタンを貰ってくれといわれているようなカンジ。
どうも歩が告白してるようには見えなかった。
歩は多分断っただろうそいつの元を離れ、こっちへ向かってきた。
歩「卒業だねぇ」
俺「なんだいまさら。」
歩「明日・・・発表だね。」
俺「お前なら余裕だろ。」
歩「ううん。むりだよ。だって自己採350しかなかったもん。」
俺「俺もっと低いしw」
歩「そう?ならよかった(笑」
俺「・・・受け取ってくれん?」
歩「卒業証書を?」
俺「2枚もいらんだろ。バカ。ちがうよ。ほら。」
歩「あぁ、ボタン渡しておけって?誰に??」
俺「お前に。」
歩「・・・はい??」
俺「俺やっぱりお前が好きだ。別れたことすっごい後悔してる。」
歩「・・・・」
俺「受け取ってくれん?」
歩「しょうがないなー優しさで受け取ってあげよう」
俺「冗談じゃねぇぞ。」
歩「・・・あたしもずっと好きだったよ。変わんない。
優以外の男子好きになるわけないよ。」
俺「フッ・・」
歩「そこ笑うとこ!?」
俺「いや。なんか・・・幸せだから?笑」
歩「バカがいるw」
俺「お前もなw」
打ち上げも無視して二人で帰った。
帰っているとき、お互い3年どう思ってきたか伝えた。
歩「別にしかとがあって別れよっていったわけじゃないよ? 5組に優がかわいいってい ってたこがいたし、うちのクラスにも優のことすきだっていってる子いたし・・・
自信もてなくて、あきらめようとしたのに。なのに優はメールしてくるし、明日別 れるつもりだからとか言ってくるしなんなの!?って感じだった。思わせぶりな態 度とりすぎ!」
俺「だって想ってたのは事実だし。」
歩「優柔不断って言うの。それは。」
俺「お前だって男子とばかり喋りやがって。俺にヤキモチでも焼いてほしかったか?」
歩「優はヤキモチ焼くようなタイプじゃないって分かってるからそれは無い。」
俺「じゃあなんなんだよ。」
歩「・・・そっちが女子とばっかり喋ってるから対抗したの!」
俺「ガキ」
歩「どっちが」
俺「そっちが」
歩「優にいっちばん言われたくない。だいたいさー」
と長くなりそうだったので、人がいないことを確認してから
歩の腕をひいて抱いた。(ギュッっとするだけです)
最初は抵抗してたけどしだいに落ち着き、歩は顔をうずめた。
しばらくそのままでいると歩が泣いてることに気づいた。
俺「え、どしたん?」
歩「・・なんでもない・・・」
俺「何何?」
歩「・・・優とより戻せるっておもわなかったから・・・・・あぁもうやだ。先帰 る!」
俺「おい!」
今度はちゃんと捕まえて、手をつないで帰った。
高校は2人とも志望校に合格。
お互い部活は忙しいけれど、とりあえず仲良くやってます。
出典:エロいとこなし
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