おじいちゃんのクリームシチュー
2007/06/28 00:05 登録: えっちな名無しさん
中学生のとき付き合いの長い友人の家に遊びにいったときの話。
友人の家は両親が共働きだったのでいつも夕方ごろは
友人と小学生の妹とおじいちゃんしかいなかった。
おじいちゃんはおとなしい人で1人で本を読んでることが多かった。
でもときどき俺にも話し掛けてくれたりした。
その日は俺と友人と友人の妹でトランプの大富豪をしていておじいちゃんは読書。
6時すぎぐらいに俺が帰ろうとしたらおじいちゃんが「ご飯食べるか?」と
ボソッと言ってくれた。
俺はこんなこと今まで言われた事なかったから素直に嬉しくていただくことにした。
家に晩御飯を頂いてくると連絡をいれ、おじいちゃんが料理をしている間、
俺たちは大富豪を飽きることなく続けていた。
しばらくすると料理ができた。
クリームシチューだった。
むちゃくちゃおいしいまではいかないけど普通においしくて完食。
クリームシチューを食べている間、おじいちゃんはいろいろな話をしてくれた。
今までで一番おじいちゃんと話したときだったと思う。
それで俺は家に帰った。
翌日、朝学校で友人に会うと信じられない言葉を友人が言った。
「昨日じいちゃんが死んだ。あのあと俺らも寝たあとに、風呂場で倒れてるのを母さんが見つけた」
急性心不全だったらしい。
あまりに突然なことだったので言葉を失ってしまった。
昨日あんなに元気でクリームシチューを作ってくれた数時間後に亡くなるなんて思いもしなかった。
今思うとおじいちゃんはうすうす自分の死期が近いことを悟ってたのかなと思う。
俺なんかのためにあの時クリームシチューをつくってくれたことはほんとに忘れない思い出になりました。
おじいちゃん、ありがとう。
出典:忘れました
リンク:忘れました
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