俺の親友
2007/07/05 08:54 登録: えっちな名無しさん
俺がまだ大学生だった頃の話だけど友達のアパートに 遊びに行った。
そいつは特に変わったこともなく そこいらにいる学生だった。
ただ変わったことといえば最近妙に来客を拒んでいるってこと。
部屋の中に入って適当にゲームしてさて帰ろうかなって思ったとき 、
なんでだろう、ふと押入れが気になってしょうがなくなったんだ。
別に俺は特別霊感があるとか言うわけでもないから本当になんとなく
吸い寄せられるように押入れの戸に手をかけたんだ。 すると友人が
「辞めろ!」
と、それこそそのアパート中に響き 渡るくらいの大声で叫んだんだ。
びっくりして振り返ると友人が鬼のような形相で迫ってくる。
俺は驚きと恐怖で押入れの戸を一気に引き明けたんだ。
すると、奥のほうにだらんと力のない腕が天袋から垂れてたんだ。
血の気が引いて動悸だけが耳の奥で響いてる。友人が何事か叫んでいるけれど
耳の奥のほうで聞こえるだけでよくわからない。
一月ほど前からこの友人の恋人の姿が見えない、という話を思い出した。まさか........ 俺は押さえつけてくる友人を振り払って一気にその 垂れ下がった腕を掴んで引っ張った。
ごとん、という重い音を立てて頭が落ちてきた。
大きく見開かれた目、ぽっかり開いた口、一糸まとわぬ姿に 目が釘付けになった。
鼻を突く異臭に俺は顔をしかめた。
友人が隣で呆然とした顔でそれを見つめている。
「おまえ.......」俺の言葉をさえぎって友人が答えた
「そうさ........ダッチワイフさ」
俺は涙を流して答える友人の肩を静かに叩いた。
あれから五年経つが今でもそいつとは今でも親友だ。
出典:2
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