あの夏の日の思い出 自由研究編
2007/07/16 20:21 登録: 鈴々虫
もう少しで夏休み。中学生の夏休みといえば楽しいことも多い反面、読書感想文や絵画という宿題の山が後半に圧し掛かってきて必死になった思い出はみんなもあると思う。その中でも自由研究という宿題は厄介で、一朝一夕じゃどうにもならないものだった。そんな訳で自由研究だけは早めに片付けておきたかった私は、何をやろうか思案していると女友達の由香が一緒にやらないかと持ちかけてきた。自由研究は個人でやってもよかったが二、三人でグループでやるのも認められていた。当然一人でやるより何人かとやったほうが、一人当たりの作業量が減るためグループで行うものがほとんどで私も誰かと組もうとは思っていた。しかし、当時由香は大が付くほど馬鹿でテストは毎回下から5番目には入っていた為、足手まといになると思い切り捨てようと思ったが近所のよしみでとりあえず話だけは聞いてみることにした。
私「まぁ〜やること次第だな・・・何か案あるの?」
由香「昨日動物奇想天外みてさ〜・・・OOは見た?いや〜面白くてさ昨日。犬の特集してたんだけどさ〜あとチンパンジーの脳の発達しらべるやつ。サルのくせにすごいよねぇ〜」
私「昨日の動物奇想天外が面白いことはよく分かった。だが正直そんなことどうでもいい。案を出せ案を」
由香「(´・ω・)しょぼ〜ん 」
私「あぁ〜だよな。チンパンジースゲーよな。動物奇想天外さすがだぜ!来週は観よう。うん観よう。」
由香「うんうんそうして♪っで本題、昨日の特集で鮭の産卵っていうのやってたの」
私「うんうんそれで」
由香「それでぇ〜鮭ってメスが卵生んだ後、オスがその上から精子かけて受精させるってやってたのね」
私「あのぉ〜Aさん。仮にも思春期まっただ中の男の子である私の前で精子とか受精とか女の子が軽々しく言っちゃいけないと思うんですよ」
由香「でねぇー私、思ったんだ!!」
私「ってスルーか」
由香「(#`・ω・)うるさいよさっきから。真面目な話してるんだからちゃんと聴いてよ!!」
私「すいません」
由香「じゃ〜もう結論。魚の卵に魚の精子かけて魚になるんだから、人間の精子かければ半魚人ができるんじゃない?だからOO私に協力して」
私は言葉を失った。しかしそれもつかの間、俺は由香の頭をおもいきりチョップした。
由香が何やら文句を言っているが私にその声は良く聞き取れない。外で鳴く蝉の鳴き声が鮮明に聴こえる。夏はまだ始まったばかりだ。
出典:あの夏の日の
リンク:思い出

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