父 と ユミ
2007/07/24 12:33 登録: えっちな名無しさん
午後八時。リビングで家族でテレビを見ていると
「なぁ、ユミ。久しぶりに一緒にお風呂に入らないか?」
父親はそう言ってニヤニヤと笑った。
冗談じゃない!わたしはもう六年生だ。
]おっぱいだって膨らんできてるし、体も丸みを帯びている。
体毛だって……。なのに、わたしとお風呂に入りたいなんて!
スケベ!変態!ああ、鳥肌が立つ!
「いや!何考えてんのよ!不潔!」
わたしはそう吐き捨てながら立ち上がり
リビングを駆け出て、二階の自分の部屋にもどった。
「不潔!」わたしは最近よくこの言葉を言う。
父親の色々なところが気持ち悪い。
お風呂上がりに下着姿でうろうろするところ。
指で鼻毛を抜いてくしゃみをするところ。
食後、爪楊枝をつかってシーシーと音を立てて
歯をいじっているところ。
そして特に嫌なのは、エッチなところ!
エロビデオを見るし!(ラベルの張っていない
ビデオテープを何かなと思って再生してみたら
"それ"だった…男の人の…を女の人が嬉しそうな顔して、
しゃぶってた…うう、気持ち悪い)
馴れ馴れしくわたしの肩に手を置くし!
それから一番嫌なのは、最近わたしの体をジロジロ見ている。
ああ、不潔!
その日、わたしはもう父と顔を合わせたくなかったから
そのまま床についた。
夜中に目を覚まし、何か飲み物が飲みたくなって、一階におりると
リビングから、かすかな明かりが漏れていた。小さな声も聞こえた。
わたしはそっとリビングをのぞいた。
リビングには父親がいた。テレビの前に座り込んで
その顔を画面からの明かりが照らしている。
画面に映っているのは…父親と…わたし?間違いない。
これは三歳くらいのわたしだ。こんなビデオを撮っていたんだ。
わたしは画面を凝視して、耳をすました。
画面の中の父親は、疲れているのか、悩みでもあるのか
顔色が悪く、やつれているように見える。
三歳のわたしはその父親の膝の上にのって絵本を読んでもらっていた。
かすかに記憶に残っている大好きだった仲がよい親子のアヒルのお話だ。
絵本を読み終わると、わたしは振り向いて、父親の顔を覗き込むように見て
父親と目が合うと、照れくさそうにして少し黙って
それから、にっこり微笑んで
「おとーさん、だーいすきっ。
あたしね、大きくなったらお父さんのお嫁さんになるっ」
三歳のわたしは、そういって父親に抱きついた。
父親は目を細くして
「ありがとう。でも、お父さんのお嫁さんはお母さんだからね。
ユミちゃんには、きっと素敵な王子さまがあらわれるよ。
――だけど、ユミちゃんが「お嫁さんになりたい」って言ってくれて
お父さん、ほんとうに嬉しいよ…涙がでそう…嬉しい…大好きだよ…
世界中の何よりもお前のことが大切だ…
…お前はお父さんのたからものだよ…大好きだよ…」
父親…お父さんはそう言って、三歳のわたしを抱きしめ
わたしの後ろ頭に手をやって、そのまま胸へと抱き寄せて
ポロポロ涙をこぼした。
三歳のわたしは、お父さんの胸に顔をうずめながら
「だめ!あたしがお父さんのお嫁さんになるの!」と言った。
お父さんは、いっそう大泣きして、いっそう強く抱きしめて
「ありがとう…大好きだよ…お前のためなら、死んでもいい」
と言った。それを聞いた三歳のわたしは「いや、死んだら、いや」と言った。
お父さんは、もっと泣いた。顔中くしゃくしゃにして
鼻水まで流して、おんおんと泣いていた。
お父さんは、ビデオを止めて右手で顔を覆っていた。
お父さんの頬をつたう涙が見えた。
お父さんの肩は小刻みに震えていた。
「うう」と、噎び泣く声が聞こえた。
……お父さん。ごめんなさい。
一緒にお風呂は無理だけど、明日から、もう少し優しくします。
出典:2ch
リンク:2ch

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