バイト先に「コイツ」が来やがった 2

2007/08/04 23:20 登録: えっちな名無しさん

多少需要があったので、妄想話の続きを書き込む。
暇な奴だけ、読んで欲しい。



前回、「コイツ」を家に送っていった次の日はバイトが休みだった。
特に何もなかった。
前日、何故俺が「敗北感」に襲われたのか考えたが、よくわからなかった。
翌日はバイトが入っていたが、行くのが少々気まずかった。



翌日は、俺も「コイツ」も普通にバイトに出勤して作業をこなした。
就業中にたまたま空き時間があったので、「コイツ」にレジ打ちを教えてやった。

休憩所に練習用のレジが置いてあるので、それで行う。

俺:「一応、レジ打ちを教えてやる」
コ:「え?でも私が覚えても役に立たないのでは・・・」
俺:「覚える気があるのか?ないのか?」
コ:「教えてもらえるのでしたら、覚えます」

簡単な説明と手順を教えて、俺がお客役になって実践形式で練習開始。

俺:(練習用の商品を数点、無造作にレジの脇に置く)「・・・」
コ:「・・・・・」
俺:「・・・」
  「ここの店員は挨拶もできないのか?店長を呼べ!」
コ:「えぇー!?」
俺:「全然駄目。はじめからやり直し」
コ:「うぅ、わかりました」
俺:(商品を置く)「・・・」
コ:「いらっしゃいませ」(バーコードリーダーでピッピッ、金額と点数の復唱)
俺:「なぁ?」
コ:「はい?」
俺:「この商品、3個じゃなくて2個にしてくれ」
コ:「え?わ?個数のマイナスは・・・」(操作)「2個でよろしいですね?」
俺:「やっぱ3個にする」
コ:「うわ?え?また元に戻すんですか?」
俺:「なんか文句あんのか?上のモン呼べ!」
コ:「えぇー!?」
俺:「全然駄目。続けろ」
コ:「はい。3個でよろしいですね?」
俺:「おう」
コ:「お会計、1,140円になります」
俺:「なぁ?」
コ:「はい?」
俺:「ねえちゃん、かわいいな?」
コ:「え?ありがとうございます」
俺:「釣りはいらないから、俺と付き合え」
コ:「困ります、今就業中ですから」
俺:「はぁ?上司を呼べや!」
コ:「わかりました!」

すると「コイツ」は俺の後ろに走り出し、ことの様子を見ていた部門長に助けを求めていた。
いつから居たんだろ?部門長、なにやらニヤニヤ笑っている。

コ:「このお客様、しつこいんです!」
部:「お客様、何か問題があるようでしたら事務所でお伺いしますよw」(ニヤニヤ)
俺:「・・・いつからそこに?」
部:「ここの店員は挨拶も・・・くらいからw」
  「さっきの、3ヶ月くらい前に来たお客の真似だろ?w」
俺:「まあ、そうですね」
コ:「えっ!?実際にあんなお客さんが来たんですか?」
部:「そんな感じw。でもあそこまで凶悪じゃなかったw」
俺:「・・・レジ打ち練習終了。商品の補充をしてきます」
部:「がんばれよw」

そそくさと休憩室を出る俺と「コイツ」。

俺:「部門長が見ているのを、お前気付いていたな?」
コ:「はい」
俺:「恥をかいた」
コ:「でも面白かったですよ?」
俺:「実際にさっきのをリアルで見たら、面白くない」
コ:「・・・そうですね」
  「ところで私は何を教えてもらったのでしょうか?」
俺:「レジ打ち」
コ:「クレーム対応の練習かと思いました」
俺:「気のせい」



それからは、特に何もなかった。
でもレジ打ち練習から1週間経った頃,退勤後久しぶりに「コイツ」に捕まった。

コ:「少しお話しがあるのですが、よろしいですか?」
俺:「少しって?」(腕時計を見る)
コ:「・・・20分くらいで済みますから」
俺:「どこで?」
コ:「公園でどうでしょうか?」

前回の公園に移動して、お話しとやらを聞くことに。

コ:「実は私、あと数日でアルバイトを辞めます」
俺:「時給が安過ぎたか?」
コ:「それはないですね」
俺:「重作業は辛かったか?」
コ:「ほとんど○○さん(俺)に手伝ってもらいました」
俺:「人間関係に疲れたか?」
コ:「社員の人にも、パートの人にも良くしてもらいました」
  「1ヶ月という約束で、両親にアルバイトを許してもらっていたので」
俺:「店長は知っているのか?」
コ:「父からお話しがついている筈です」
俺:「楽しかったか?」
コ:「はい。色々と学べたと思います」
俺:「そうかい。で、お話しはおしまい?」
コ:「まだあります。実は○○さんのお話しを両親にしたのですが」
  「家に是非お招きしたいと言っているのです。来週、いかがですか?」
俺:「無理」
コ:「そこを何とかお願いします」
俺:「やだ」
コ:「そう言わずに、お願いします」

あまりにもしつこいお誘いだったので、俺も折れてしまった。

俺:「居るのは、お前の家族だけなんだな?」
コ:「はい、その予定です。できれば夕食をご一緒にと」
俺:「土曜日の午後以外は都合がつかない」
コ:「そう言うと思っていました」
俺:「じゃあ、頼む」
コ:「わかりました。両親にも伝えておきます」

ようやく解放してもらえた。その公園で別れて俺はアパートに。
何だかとんでもない約束をさせられた気分だった。



翌週の金曜日に、「コイツ」はバイトを辞めた。
普通バイトが辞めたくらいでは何もイベントはないが、
「コイツ」は丁寧に社員やパートのおばちゃんに挨拶をして廻った。
俺は知らなかったが、「コイツ」は皆にかわいがられていたようだった。
俺のところにも挨拶に来たが、
「明日の午後5時に、○○さんのアパートにお迎えに行きます」としか言わなかった。



土曜日、俺は迎えが来る前にお土産の菓子を用意した。羊羹とか、笑われるかもしれんが。
午後5時になると、「コイツ」が迎えに来た。一人だった。

コ:「お迎えにきました」
俺:「ああ」
コ:「すみません。今日は父が不在で、○○さんとは会えないかもしれません」
俺:「そうなんだ」
コ:「もしかしてお土産ですか?そんなに気を使わなくてもよかったのに」
俺:「気は使っていない。安い羊羹」
コ:「羊羹ですか?」
俺:「芋羊羹。安いやつ」
コ:「羊羹は母が好きです」

で、雑談している間に「コイツ」の家に到着。
前にも書いたが、金持ちの豪邸だ。
すまないが、これから登場人物が増える。だから、

「コイツ」   → K香 又は K
「コイツ」の弟 → I
「コイツ」の母 → 母
「コイツ」の父 → 父

と、させてもらう。

家に入らせてもらう。K香の母親が玄関で待っていた。
K香も背が低いが、母親も150cm台と見えた。というか、高校生の子供を持っている親に見えなかった。
事情を知らなければ、30歳前後にしか見えなかった。童顔なのだろう。

母:「はじめまして、K香の母です。今日は無理を言ってお越しいただいたようで」
俺:「はじめまして、○○といいます」
  「これをどうぞ、羊羹です」
母:「まぁまぁ、気を使っていただいて」
俺:「あとでどうぞ」
母:「はい、いただきます。羊羹は好きですから」
俺:「ついさっき聞きました」

その母親の後ろに小学校高学年くらいの男の子が居た。

俺:「はじめまして、○○です」
I:「・・・はじめまして。弟のIです」
俺:「・・・」
I:「・・・・・」
母:「まぁまぁ、とりあえずあがってください」

玄関も広かったが、居間も広かった。壁には絵とかが飾ってあったが、鹿の頭とかは無かった。
促がされるままにソファーに腰掛ける。ふかふかだった。
ソファーにはおれの対面にK香と母親、少し離れたところにI君が座っていた。
こうやって3人を見ていると、顔立ちがそっくりだった。DNAってすごい。

母:「○○君、K香から話しは聞いています。アルバイト先ではお世話になったそうで」
  「何を教えてもらったとか、何を手伝ってもらったとか。ありがとうございました」
俺:「1ヶ月程度では、教えることも、手伝えることもたかが知れています」
母:「確かに期間は短かったかもしれませんが、K香がお世話になったことは変わりありません」
  「ありがとうございました」
俺:「いえ、そんなに感謝されても困ります」
  「しかし、冬休みとか春休みでもないこの時期にアルバイトは、ちょっと無謀でしたね?」
K:「高校3年生になる前にと、何とか頑張ってみました」
  「さすがに3年生になるとワガママ言えなくなりますから」

まぁこの後、母親とK香が食事の支度をしにキッチンに向かった。
どうやらメイドさんがご飯を作ってくれる訳ではないようだ。
俺はI君と居間に二人だけとなった。

俺:「やあ」
I:「・・・」
俺:「春から中学生かい?」
I:「・・・・・高校生になります」
俺:「・・・」
I:「・・・・・」
俺:「悪かった」
I:「気にしてません」
俺:「部屋が散らかっているんだって?」
I:「!?」
俺:「K香ちゃんから全部聞いた」
I:「お姉ちゃん!」(キッチンに向かって叫ぶ)
俺:「嘘だよ」
I:「・・・・・○○さんって、やっぱり変な人なんですね?」
俺:「やっぱり、って何で?」
I:「お姉ちゃんからいろいろ聞きました」
俺:「そうなんだ」
  「I君、今度エロDVD貸してやろうか?」
I:「!?」
俺:「嘘だよ」

その後は、I君とサッカーの話しをしたと思う。

そのうちに夕食の準備が整ったようなので、食事が始まった。
キッチンも十分な広さがあったと思う。食事も豪華だった。
俺の貧困なボキャブラリーではちょっと表現は無理。ただ、美味かった。
食事も終わって、居間に戻ってコーヒー。俺だけ紅茶を出されたのは、ちょっとうれしかった。。
母親はキッチンで片付けをしていた。俺、K香、I君の三人で雑談。

俺:「K香ちゃん、俺のことをどんな風にI君に話しているの?」
K:「いえ、アルバイト先での話くらいですが」
俺:「俺は、I君に変人扱いされた」
K:「I!なんてことを言うの!?」
I:「お姉ちゃんだって、僕の部屋が汚いとか言ってるだろ!?」
K:「違う!○○さんの部屋と比べて散らかっているって言っただけ!」
I:「え?○○さんの部屋に行ったことがあるの?」
K:「違う!ちょっと寄っただけ・・・」
俺:「姉弟ケンカはその辺でやめろ」

騒ぎが気になったのか、片付けの終わった母親も居間に来た。

母:「K香もIも本当にまだまだ子供で」
  「それに比べて○○さんはしっかりしてますね?」
俺:「いえ、ただ顔が老けているだけです」
母:「○○さんは19歳でしたか?」
俺:「つい先日、20歳になりました」
K:「え?そうなんですか?」
I:「嘘!?もっと上かと」
K:「I!」
俺:「それにしても、お母さんはお若く見えますね?」
母:「そんなことはありませんわ」
俺:「いやいや、K香ちゃんとは姉妹に・・・見えなくもないですね?」
母:「お世辞でも嬉しいですわ」

そうすると母親が携帯電話を手にしだした。

母:「せっかくですから、メールアドレスを教えてもらえませんか?」
俺:「えぇ!?・・・まぁ、いいですけど」
K:「私も!」
I:「僕も!」

おかしな流れになってしまい、結局全員とのメルアド交換となってしまった。
しばらく雑談をしていたが、結構遅い時間になっていた。
腹もふくれたし、会話にも飽きてきたのでそろそろ帰ろうとしていた時だった。
家の外で車の音がしたと思っていたら、K香の父親が帰ってきた。

K香の父は、この一家で一番年齢と見た目がマッチしていた。
40歳半ば、身長は170cm台だったが細身だった。
穏やかな口調でにこやかに話すが、ふざけた内容が話せない雰囲気があった。
だからこの父親との会話は割愛する。挨拶と、世間話しかないから。
父親は「また家に来てください」とは言っていた。

で、俺はお礼と挨拶をしてK香の家をあとにした。
アパートに帰り着く時間を見計らって、3通のメールが携帯電話に来ていた。
K香、I君、K香の母親からだった。内容は「また来てください」というような内容だった。



それ以降、K香一家から家に招かれることが何回かあった。
春休みに入ると、K香とI君が俺のアパートに来ることも何回かあった。
春休みが終わると、俺は大学3年生になる。
専門教科の授業も増えるし、そろそろ就職のことも考えなければならない。
でも、バイトは続けていた。




遅筆は許して欲しい。続きは書こうと思う。少し時間を貰いたい。

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