北海道の夏
2007/08/12 00:02 登録: えっちな名無しさん
毎年、夏が来るとスポーツが好きな私は高校野球に釘付けになる。夏の甲子園は暑く、そして熱い。高校野球を観戦すると自分の出身の都道府県を応援したくなる。私もそんな一人です。最近では駒大苫小牧の活躍があり、注目される北海道ではあるが、かつては北海道の高校球児達は甲子園において弱者の象徴だった。
昔は、北海道のチームが一つ勝つ事で嬉しくなり、二つ勝てば大喝采。ベスト8、ベスト4などに駒をすすめた時には夢のようで胸がワクワクしたものだ。
雪国のチームは悲しいかな守備が弱い。圧倒的にグランドで練習する機会が少ないからだ。室内練習場がある今でもそれは変わらないと思う。ドーム型のグランドを持つなどという高校がある訳でもない。だから、ひとつのエラーで大崩れして負ける事が多い。目が覚めるような活躍で先制しても逆転されるといつもの弱者に戻ってしまう…そんな光景を何度も見てきた。
北海道のチームが勝ち進んでも、いざ負けると『一年中グランドで練習出来る奴らには勝てないよな』などと自分達の英雄をかばい、そして蔑んだ。
駒大苫小牧が初優勝した時の決勝戦では、先行される展開で点を取るが中々追い付けず苦しい展開だ。かつて私の胸をワクワクさせた英雄達が超えられない壁だった。けれども彼らは挫ける事なく、追い付き、そして逆転。見事栄冠を北海道に持ち帰ってくれた。観戦していて試合中、何度も涙が出た。優勝して栄冠も持ち帰ったことより、あの苦しい展開にめげず、食い下がる姿に涙が出た。『とにかく打った。』、『初優勝する時ってのは勢いがあるもんだ』などと様々な声が上がったが、私は、歴代の北海道球児に申し訳ないが、どんな苦しい展開でも『負けない』あの北海道の球児らしからぬ姿勢に『北海道も強くなった…』と、涙した。
その後、甲子園夏2連覇、3年連続決勝進出で北海道は大いに盛り上がった。私は、個人的には、2回目に優勝したチームが一番強かったと思うが、初優勝した時のチームが一番好きだ。何といっても最後まで胸のワクワクが収まらなかったからだ。駒大苫小牧は色々と問題が取り上げられ、議論となったが、私の英雄には変わりない。
自分の母校でも無い者達にこんな気持ちを抱くなんた、きっと、甲子園優勝常連の都道府県にはわからないだろう。
今年も夏が来て甲子園が始まっている。
昨日は駒大岩見沢が負け、今日、駒大苫小牧が負けた。今年の北海道の夏は終わったが、また、来年には夏が来る。
がんばれ北海道。
きっと私も頑張れる。
出典:オリジナル
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