あいつとの夢

2007/08/30 15:58 登録: えっちな名無しさん

17歳のある日、アイツは俺に言った。

カジノやりてーんだ、みんなで日本にラス・ベガス作りてーな


その時は6人だった。酒を飲みながらのたわいのない話し…


みんな夢中だった。あの言葉は今思うと魔法だったのかもしれない。


ガキの癖にアカマルにターキーをロックできめて、やれ女の話しだ、音楽だ、単
車だって


馬鹿だよな、大人になっても、みんなでずっと一緒に居るもんだって思ってた。

続くはずのない夢
いつか終わる事は覚悟していた。


それは唐突に来た。
言い出しっぺのバカヤロウは単車で事故って死んだんだ。


そして年月が過ぎると皆、昔を忘れたかのように妥協して真面目な職についた。


みんなで集まって、酒を酌み交わしながら朝まで話したあの日々



まるでそれはまるで、無かった事のように…


あの日、俺はアイツと一緒に夢を志した。


それは俺の中で変わる事無い事実だ。



葬儀の日に分けて貰ったアイツの骨のカケラを俺は酒で流し込んだ。

魔法の言葉を俺の中で無くならないようにする為に…

アイツが死んでもアイツと約束した夢が無くならないように…


今も俺は一人でアガいている。

たまに昔の仲間に会うと、仕事の話しやカミさんの話しを聞く。

そして別れ際に必ず聞かれる。


まだカジノを諦めてないのか?ってね。


俺の答えは決まってる。


一人位はあの馬鹿にとことん付きあってやっても、いーだろ?

俺の答えはたぶん一生変わらないと思う。



他の奴らも、もしかしたら、俺の変わらない答えを望んでるのかもしれない…



出典:魔法使いの日記
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