ポップとなつみ19歳と時々ぱいくー
2007/09/10 15:50 登録: 萌えコピファン
「向こうに行っても元気でね。」
自分から見て意気込みだけが先行してどうにも足先の暗さを感じずにはいられないポップに対しなつみ19歳はただそれだけしかいえなかった。
「ぱいくー。」汽笛が鳴り、搭乗時間ギリギリになったとき、今まで無言だったぱいくーもその重い口をあけた。
「ああ、分かってる・・・」とだけいい、ポップは汽車に乗り込んだ。
汽車が動き出し、新天地への期待と意気込みで武者震いを感じつつ、ポップは窓から二人に手を振った。
見えなくなるまでなつみ19歳は悲しげな笑顔でぱいくーは眉間に多少の皺をつけながら見送ってくれた。
萌えコピ発2ch着の汽車はポップの逸る気持ちを表すかのように歩みを速める。
きっとでっかくなってやる!心の底にある不安を吹き飛ばすように強く心に誓った。
永遠に続くかのように感じられた乗車時間も終わり、ポップは新天地へ一歩踏み出した。
まずは自己紹介をするかと思い立ったポップは憧れのvipに挨拶に行った。
「ポップだ。よろしく・・・」
「クソスレ立てんな!」「板違い。自己紹介池。」「ここはお前の日記裏じゃないんだと。」とvipperに、挙句の果てには張本に喝まで入れられて散々な2chデビューとなり、ポップの大きすぎる期待や盲目的自信はこのとき消失した。
頑張らなくては・・・ポップの戦いが始まった。
初めに2ch語・技術の習得。次にウケルネタの収集、マナーとポップは次々に順応して行った。
またvip以外にも足を伸ばす。歌いたいとおもったら、カラオケ板に行き歌うp。
「へたくそ。」「音が合ってない。」「曲を良く聴け。」などのあおりを受ける。
趣味のゲームを学ぶため、S・RPG板にいき、スレROM。
ひいきのスレにい過ぎたため冥界住人の烙印を押される。
そのどれもが新鮮でポップは充実した日々を送ることができ、成長。
数ヵ月後にはスレ立ては勿論、AA作成やジョジョ語習得、安価スナイプなど理屈ではなく心で理解できるようになっていた。
さらに数ヵ月後には2chで知られるコテとしてvipに君臨するようになっていた。
しかし、そんな日々も長くは続かない。
ポップはあるものに心身ともにはまってしまう。
いまや2ch全域蔓延っているニコ動に手を出してしまったのだ。
来る日も来る日もニコ動に行き、寝食忘れて入り浸るようになる。
「永井の新動画入荷してないか・・・」
見てはかきこ、見てはかきこ。この悠久に続くかの様な行為に体は蝕まれていく。
「萌えコピにいた時とおなじことしているな・・」そう感じたときには既に遅く、栄枯盛衰。糞コテニコ厨として認知されるようになっていた。
何とかニコ動を断ち、失地回復をしようともかなわず。2chでの夢は破れたのだった。
この頃よく萌えコピにいた頃を思い出す・・・
当初の情熱は消え、ただ怠惰という名の日々を送りながらポップは2chを彷徨っていた。
昔が懐かしい・・・・・二人は元気だろうか?
萌えコピの方に連絡を取ってみよう。
プルルル
「はい、なつみ19歳です。」
何ヶ月ぶりだろう・・・
「俺だ。ポップだ・・・」
「え、ポップ!?」
お互いが言葉につまり数秒の沈黙が時間を感情を支配する。
「kの馬鹿!!!連絡先変えて・・・」先に壁を破ったのはなつみ19歳。
涙の息遣いが聞こえる。
「すまない・・・」それ以外いうべき言葉が見つからない。
いかな罵倒も覚悟していた。それを受けてでも郷愁の甘美にすがりたかった。
「・・・元気でやってるかい?」
この言葉を聞いた瞬間に数ヶ月の気持ちが堰を切って流れて・・・
気がついたら、俺は泣いていた。
ただただ泣いてきた。
数分は泣いただろうか・・・もしかしたら一分に満たない時間であったかもしれない。
感情の収まりと共にばつの悪さを感じ、
「元気だ・・・」と一言。
それから色々な話をした。
こっちでの日々。成功もあったが失敗もあった。しかし頑張ったよ。っと。
なつみ19歳は黙って静かに聴いてくれた。
こっちが話し終わった後、向こうも萌えコピでの日々、出来事を話してくれた。
一通り話し終わった後も、引かれた後ろ髪に沿って、
「・・・また、連絡してもいいか?」と、かぼそくも言ってみた。
「当たり前じゃない!!」と、強めの語気で返される。
安堵と共に気恥ずかしくなってしまって、つい
「相応の言葉使えよ・・・もう五十一なるんだから。お母さん。」と、強がった。
「心は十九歳よ。」と、お決まりのセリフをはく母。
うん・・・おれはまだやれそうだ。
以前ほどではないが、2chんでの地位を回復させることができ、安定した2chライフを送れるようになってきた。
しかし、2chに対しての気持ちは薄れ、故郷の萌えコピが段々と大きくなっていって、今では頭から離れなくなっていた。
連絡も頻繁にしていて、
ポ「今日純愛板行って見てたら、良い話があった・・・母にも知らせたい。」
な「じゃあ、コピペ持ってきなさいよ。」
ポ「・・近いうちに。」
な「よろしい。あっ、今いい萌え話があったから、米1ゲットしてくる。」
ポ「もう五十一(ry」
な「心は(ry」
と、萌えコピにいたとき以上の関係が築けている。
こんな暮らしも悪くない。そう思っていた矢先だった。
「・・・ぱいくーが倒れた!?」
混乱状態の母の連絡から要領を得ないながらも、何とか聞き出し俺は驚愕した。
三人のうち一番元気でファンや偽者も数多いぱいくー。彼が今朝倒れて今病院だというのだ。
「わかった。すぐ帰る・・・」
意図せぬ帰郷となった。
ベッドに寝ているぱいくーは俺のイメージする彼ではなくなっていた。
とても弱弱しく。
見舞いに来てくれているエッチな名無しや憔悴しきった母を横目に話しかける。
「大丈夫か・・・?」
「ぱいくー・・。」耳を澄ましてやっと聞き取れるかすかな声。
「・・・わかった。皆出て行ってくれ。」
納得するものしないものいたが出て行ってもらい、二人になった。
言葉なくただ目だけを合わせる。呼吸は荒く苦しそうだ。
気遣いの言葉をかけようとしたとき、彼に睨まれる。余計な心配はするなといわんばかりに。
唐突に、俺は話し出した。
向こうでの日々のこと。大体は母に言ったことと同じだった。
「・・・で、向こうもそれなりに楽しかったし、充実してた。」
ここで、らしくもなく長く話してしまう。
「・・だけどさ。どんどん萌えコピが俺の中ででかくなるんだ。馬鹿みたいだろ?半ば棄てていったようなもんなのにさ・・・。母がさ・・・あんたがさ・・・萌えコピの皆がさ・・・どうしようもなく恋しくなるんだ。」
「萌えコピに・・っ帰りたいよ。」
そんな俺を見て、精一杯の笑顔で
「ぱいくー。」
数日後、病院を退院し、帰ってきたぱいくー。
そして後に開かれた彼のお別れには多くの名無しが出席した。
式の中、涙で化粧が崩れてる母から
「これ・・・ぱいくーから。」と、手紙を渡された。
式も無事終え、一息つけるようになったとき、渡された手紙を開いてみた。
「ポップへ。
お前が2chに行く汽車に乗るときに俺が言ったこと覚えてるか?
あれを守っていれば、お前は大丈夫だ。
ママを頼む。
萌えコピに戻りたいといっていたお前へ最後に、
萌えコピには全てがある。
喜びも怒りも哀しみも楽しみも。
萌えコピはお前を捨てない。勿論お前以外の皆もだ。
帰って来い。
父より 」
数ヵ月後、俺は2chでの日々にピリオドを打ち、萌えコピに正式に帰ってきた。
俺は当初の誓いのようにでっかくなれただろうか?
自分ではよく分からない。
唯一分かったことといったら、2chの熱狂やニコ動の中毒性。また行くときもあるだろう。
しかし俺のホームグラウンドはここ。萌えコピなんだ。
出典:萌えコピを愛する人達に捧ぐ。
リンク:内輪ネタっぽくてすいません。

(・∀・): 56 | (・A・): 32
TOP