壊れかけの
2007/09/27 19:13 登録: えっちな名無しさん
601 :601:2007/09/27(木) 07:05:25
前置きとして。俺は同僚や後輩たちと昼飯を食べに出るとき「一杯どう?」といかにも仕事あがりに居酒屋にでも行くような口調と仕草で尋ねることがあるんだ。
もちろん本当に居酒屋に行ったり一杯やったりするわけじゃない。ほんのジョークとしてたまに言うだけ。
けどその日は違ったんだ。
前日の夜中に原因不明の腹痛に襲われた俺はろくに睡眠もとれず疲れを引きずったまま出勤した。腹痛は薬でおさえこめたものの眠気はそう簡単に晴れなかった。それでもなんとか昼休みまで仕事をこなしていつものように友人たちの元へ向かったんだ。
そこには新人の女の子2人の姿もあった。
彼女たちと会話をしたことがなかった俺は一発ウケを狙おうと思って言った。
「一緒に一杯どう?」
軽く片手で酒をあおる仕草をしながら。たとえジョークとして通じなくても友人がフォローを入れてくれるはずだ。
そう。はずだった。
602 :601:2007/09/27(木) 07:06:55
「……」
「……」
新人2人の視線が突き刺さる。友人のフォローもなし。それどころか場の空気は明らかに凍りついていた。俺も固まった。
「一杯どう?」
俺はそう言ったはずだった。が、口から出たのは
「おっぱいどう?」
だった。
俺のバカ。そりゃ女の子たちも固まるわ。突然おっぱいの具合を尋ねられてもうまい切り返しなどみつかるはずもない。
2人のうち1人は立派な平面おっぱいだし紳士として失礼なことをした。
そう思いはしてもその後の俺は止まることを知らない回遊魚。ヤケになっておっぱいを連呼した。おそらく腹痛のせいだ。
「何を食べたいおっぱい?」「やっぱりパスタかおっぱい?」「和食もうまいおっぱいよ」
友人の制止もきかずおっぱいおっぱいわめきながらたどり着いたのは行きつけの定食屋。店員のおばさんとは当然顔見知りである。
「ここの生姜焼きは絶品おっぱいよ」
ここでもおっぱい。すこぶるおっぱい。おばさんと他の客の奇っ怪なものをみるような目つきも気にしないほどにおっぱい。
夜の居酒屋でおっぱい連呼するならともかく昼間の定食屋でおっぱいはどうかと思う。
だがこのおっぱい男こと俺はノリノリであったのだった。
「食後にケーキはどうだおっぱい」
「女の子にとってデザートは別腹おっぱい」
もうヤケを通り越して開き直った俺を友人と新人2人は遠巻きに眺めているだけだった。最初浮かべていた苦笑いも何もなくただただ無表情で。
そして俺は僅かに残っていた理性に従ってその日の友人と新人2人の昼食代をすべて払ってやり、翌日会社に辞表をだした。
今になって思うのは“あの日の俺は眠たさでどうかしていた”ということだけおっぱい。
出典:2
リンク:2

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