巫女の中の人
2007/09/28 18:48 登録: えっちな名無しさん
653 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 20:45:53 ID:+D9wiZri
このスレッド、面白いですね〜
私もネタを記念にひとつ。。。
まだ過去ログ見終わってないので、既出だったらすみません
3年前まで有名な神社に「花嫁修業」で本職巫女として奉職してました
大きなお宮だったので本職巫女の定員は正社員で30名程度
見習は2〜10名、助勤は時期によって5〜120名と幅があります
大奥みたいな環境で、年功序列が厳しくお休みも少なかったです
本職巫女は旧家の子女がほとんどで、社家(代々神職の家)の子女もいました
18〜25歳までしか勤めないのですが年功序列が厳しく、
先輩後輩の格差は激しく、昔の宝塚音楽学校のようです
後輩が先輩の前を歩くor横切る、先輩より先に扉を開けない、先輩の履物を用意しない、先輩の装束を用意しないor片付けないなどの行為があるとペナルティがあります
巫女に関わるすべては「巫女長」が取り仕切っていて、
この巫女長の扱いも特別でまるでお姫様のように丁重に扱われます
入社して3ヶ月目までは「見習」なので勤務表には乗らず、
立場も巫女として扱われません
この期間に基本的なことは叩き込まれます
ちなみにバイトは助勤と呼ばれ、
格下なので同じ席に座ることも本職と私語を交わすことも許されません
大抵の本職巫女は寿退社していきますが、「お上がり」「卒業」といって、
任期が終わっても嫁いだり実家に戻ったりしない人は勤務を続けたりすることもあります
この場合は緋袴から別の色の袴に変わります
基本的に花嫁修業をかねていますし、実家に財力がないことになるので、
長く巫女でいることはあまり名誉なことではありません
一日の行動を書いてみましたが
既に長文になってしまいましたので控えますね。失礼しました
655 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 20:50:01 ID:iiIK4cpy
まさに大奥って感じですね、巫女さんの世界…。
バイトさんは本職の人と口も聞けないのか。
656 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 20:58:55 ID:+D9wiZri
>>655
仕事の指示や伝達はもちろんありです
ただ、私語が禁止でした
助勤は神前奉仕や舞姫、怜人(雅楽演奏者)などの「花形」部分の仕事はしないし勤務表も別で単純作業しかしてませんでしたね
ちなみに毎朝の潔齋とお祓い、誓詞奏上も本職だけしかしませんし、
朝礼と終礼もなし
本職は終業後5時〜9時までお稽古がありますが助勤にはありません
普段から本職と助勤では職種/業務内容が違う、って感じでした
657 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 21:09:31 ID:IGSuHPpb
>>656
そんだけ年功序列が厳しいと、いじめとかあるんじゃね?
やっぱ本職が一番偉そうにしてるんでしょ?
てめーら見習いは頭がたけーんだよっ!ひれ伏せってw
658 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 21:26:41 ID:+D9wiZri
>>657
確かに小さなお宮だと閉鎖的になってしまいがちで、
後輩いじめがあるっていう話、講習会や外のお祭りなどに出ると割と聞きますね
ただ、私が勤めていたところは大所帯だったのでいじめはなかったです
合わない人はすぐやめてしまうので、いじめとかに発展しません
見習も三ヶ月経てば本職として扱われるので身分がどうこうとかではないし
むしろ業務は体育会系なので連帯感が強く、
同期の結びつきは戦友!みたいなノリでしたよ
毎日お稽古お稽古の連続だし。。。
舞の上手な先輩、琴の上手な先輩は大変尊敬されてました
659 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 21:32:13 ID:o/iogY2Z
>>658
長くてもいいので1日の流れが知りたいです。
660 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 21:59:17 ID:+D9wiZri
>>659
ええと、ほんとに長くなってしまいますが。。。
大祭/中祭がある日以外のありきたりな一日の流れをざっと書きますね
朝6時に下位の者から出勤して女子潔齋所でお湯を浴びて身を清め、装束(襦袢/足袋/赤襟/白衣/緋袴の順)を着裝します
この時、下位の者が上位の者の身支度のお手伝いをし、最後に髪に「かもじ」(和紙と水引でできた髪かざりの俗称)をつけます
7時手水を受け、拝殿にて朝拝に参列、お祓いを受けた後神前誓詞というのをあげます
月次祭(月に二回)の後には宮司さんからお話があるときもあります
いったん社務所に戻り、朝礼で伝達事項の連絡をし、その日によって各自巫女長から割り振られた当番に付きます
「舞姫」「怜人(雅楽演奏者のこと)」「雄蝶雌蝶」当番は拝殿にて祭典や結婚式にご奉仕をし、「ご祈祷」「お札場」「接賓」「社務」「お稽古」当番などはそれぞれまた持ち場も仕事内容も違います
2、3人ずつに持ち場が分かれるのですが、これも先輩が「おかしらさん」になって後輩に指示を出します
年末年始や七五三などの繁忙期や、例大祭は特別の当番もあり、季節のお祭りのある日などは特別に分刻みでスケジュールが組まれます
12時に食堂へ行き、お昼ご飯を上位の者から順にとります
この時出されたものは、神前のお供物のお下がりを使っているので残さずすべて食べなくてはいけません
午後もそれぞれ当番仕事をし、五時までに仕事を片付けます
これも年末年始とお祭りの日はまたスケジュールが違います
大抵五時に終礼があり、拝殿前でお参りをし、着替えてから今度はお稽古があります
お稽古は日替わりでお琴、舞、お茶、お華、書道でそれぞれ月に4回程度、講師の先生が外から通っていらっしゃいます
お稽古の時間は大抵2時間程度ですが、休日や早朝などにも自主練習で、先輩にお稽古をつけてもらうのが普通です
また、年に6〜10回程度で神道や宗教、自社の歴史などについて
大学から講師を招いての勉強会もあり、こちらは自由参加です
帰宅は大体早くて9時、遅いと11時を過ぎる感じです
長くなってうまくまとまりきりませんが、大体こんな感じです
661 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 22:08:54 ID:zAFWYSRj
巫女さん=裕福旧家の子女 なのか・・ホント宝塚音楽学校みたいだね。
下世話でスマンが、やはり婚前交渉はNGですよね?
663 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 22:18:23 ID:+D9wiZri
>>661
よく聞かれますが、そういう決まりはないですw
ただ、毎朝復唱する誓詞の中に
「心身ともに日々を清く正しく朗らかに過ごし」という一文があり、
これに添わないことは神様との約束を違えたことになりますし。
上司やお稽古事の先生方からも徹底した「良妻賢母」教育をされます
そもそも温室育ちの子が多いので男性関係に疎い子が多かったです
ただ、婚前交渉が周囲にまるわかりなおつきあいは厳しいお咎めがあります
これは男性と2人でおでかけしたのがわかると教養室に呼ばれて「説諭」、
お泊まりをしたことがわかると勤務上のペナルティありの「懲戒」、
あまり派手な場合は解雇されることもありますよ
ちなみにほとんどの子はお見合いか、親からの紹介で結婚が決まります
私は親の持ってきたお見合いで今の主人と結婚しました
670 :661:2007/09/26(水) 23:05:18 ID:zAFWYSRj
ありがとうございます。本当に知らない生活ですね。説諭とか。京都の祇園祭りのお稚児さんは裕福な旧家の子、というのを思い出しました。
671 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 23:07:56 ID:OiC+JAL8
>>663
出世に家柄が関係したりするんですか?
674 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 23:17:43 ID:+D9wiZri
>>670
いえいえ
>>671
関係するところもあり、しないところもあり。
完全な年功序列なので巫女長は一番上の先輩方の中で生まれの早い者であり
別に個人の能力で決まるものではないので。
ですが、お見合いやその後のお勤め状況(巫女を上がった後、神社で名誉職につけるかどうか)や、現役でも例大祭の舞姫などの大役をもらえるかどうかは家柄が関係していました。
676 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/26(水) 23:53:53 ID:+D9wiZri
>>675
いえ、「元」巫女ですよw
ここらへんは田舎なので、巫女さんやってたっていうと
「きちんとしたお嬢さん」てことでお見合いの引きが多いんです
で、たまたまお見合いの相手が代々医師家系の長男だったんですが
お互い一目惚れしてしまって即結納、相手が大学卒業と同時に結婚しました
まだまだ来年も研修中なので
うちの両親はもっと結婚式は先にしてほしかったようですが、
今ではちゃっかり援助してもらってます
私は今はお華のお稽古に通いながらのんびり普通の主婦してますよ。
712 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 10:30:05 ID:fnv4lKXz
すごい伸びて興味深い話がいっぱいだ!
>>653の元巫女さんの収入が知りたいな。
見習い期間は出ないのかしら。
正社員の方はいくらくらいもらえるもんなのかな。
713 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 10:52:54 ID:hUcrgS3P
>>712
あくまで「御奉仕」であって「仕事」ではないのでお給料は少ないです
また、就職の面接の際に金銭の質問をすると100%落とされます
お金がめあての方をさけるため、初任給まで給料の額を知らされません
温室育ちの子が多いので、聞こうとすら思わなかった人も多いようです
ちなみに私の場合、大卒初年度の給与で額面が18万5千円。
ボーナス年に3回(夏/冬/年度末)、特別手当有り(出張手当など)
時間外手当有り、交通費とクリーニング代支給、社会保険/厚生年金制度有りでした
昇給は年に一度、巫女長になると役職手当が付きます
ほとんどの子がいいお家の子なのでお金に構わない生活をしています
基本的に肌着(襦袢)などは自腹だし、個人でそろえるものも多いです
お稽古事はお月謝だけは神社持ちですが、
お水屋料やお花代、お道具は個人負担だったり、
いろいろと毎月の出費が大きいので割には合いませんね
714 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 11:09:11 ID:hUcrgS3P
>>712
あ、書き忘れましたが、「見習」も正職員の枠なのでお給料は出ます
ただし時間外手当や職務手当は出ませんから
一般企業で言うところの試用期間ってやつですね
715 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 11:53:27 ID:6ctaN+T6
>>676
すみません、
お勤め内容の「舞姫」「怜人(雅楽演奏者のこと)」「雄蝶雌蝶」〜「ご祈祷」「お札場」「接賓」「社務」「お稽古」まで
よければ内容を教えていただけますか?
本当に知らない生活なんで○○の時のアレをやってる人とか、噛み砕いていただけるとうれしいです。
おみくじ売りの人は助勤さん?
716 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 12:06:59 ID:jaoU/mGy
大卒初年度で18万というと、平均よりちょっと少ないかなくらいだと思いますが
(>>676で田舎と書かれていたので余計にそうかも?)
自己負担の経費が結構かかりそうですから実際にはもっと少なそうですね。
しかも基本的にいいとこのお嬢さんが6時出勤9〜11時帰宅でそのお給料となると、自宅じゃないと勤まらさそうですね。
でも聞けば聞くほど花嫁修業にはうってつけな気がしてきましたw
それで思い出したけど、ちょっと前にお金持ちの家で良家のお嬢さんが家事見習いとして使用人をする話がありましたが
そういう経験のある方はいらっしゃいませんか?
717 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 12:16:49 ID:hUcrgS3P
>>715
「舞姫」
祭典等の巫女舞を奏上します
それぞれ一臈(ろう)さん、二臈さんなどと呼ばれ、2人舞と4人舞でパートが別れています
舞の種類は祭典の内容や結婚式、ご祈祷などにより細かく定められています
私の勤め先では6種類の舞がありました
舞姫に当てられる日は大祭なら十二単の着付けから始まり
二座(舞は〜座と数えます)くらいですが練習は3か月前から始まります
ご祈祷の舞や結婚式の舞の当番だと一日5〜15座くらいを舞います
それぞれの舞に応じて装束は十二単から千早までさまざまで、かんざしの種類も違います
華麗な仕事に見えますが、かなり重労働ですし、お稽古も厳しいです
「怜人」
雅楽の奏上を奉仕します
雅楽の演奏は基本的に怜人と呼ばれる専門職の方がいますが、
お琴は巫女が演奏します
お琴には二種類あり、「楽箏」と「和琴」。
怜人当番の日は千早を来て祭典、結婚式やご祈祷の演奏をこなします
「雄蝶雌蝶」
結婚式に奉仕する当番です
「雄蝶」と「雌蝶」は三三九度のお神酒を注ぐ道具の名前から来ていて
2人一組でペアをくんで一日3〜10組の結婚式に奉仕します
神主の補佐、玉串を渡したり、お神酒をつぐ、などの式中の仕事に加え
結婚式に使う道具全般の管理と準備をします
718 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 12:27:51 ID:hUcrgS3P
>>715
「ご祈祷」当番
ご祈祷にいらっしゃるお客様の受付、ご案内をします
撤下品という、お客様がお持ち帰りになるおみやげの用意や管理もします
「お札場」当番
神札神符授与所のことをお札場といいます
そこでお守りやお札の頒布の管理や御朱印(手書き毛筆)をします
助勤さんがいるときはその監督となります
「接賓」当番
社務所や会館にて接客をする当番です
お祭りのときにこられるお客様をお迎えしたり、裃や装束の着付けもします
貴賓(高貴なお客様)がいらっしゃるときにはお茶室でお茶を点てて接待します
「社務」当番
社務所で庶務や事務の仕事をします
PCを使った業務などもありますが、手作業でしなければならない細かい仕事もいくつかこなします
各自担当(巫女一人一人に担当があります)の部門の仕事をこなす日でもあります
「お稽古」当番
他の当番に付け加えられる回り持ちの当番で、
出欠を取り、お稽古の準備やお稽古を付けてくださる先生をお迎えします
例えばお琴のお稽古当番ならお琴の調弦をすませておく、
お茶なら炭を点ててお釜をしつらえておく、お菓子の用意をする、など。
長くなってしまいましたが、こんなところです。
ちなみに助勤さんはお守りの頒布とおみくじの頒布、それと宝物殿のもぎりなど、神殿に上がらず、また訓練の必要のないご奉仕をしています
ただし、助勤さんにも3日間の研修はあります(着付け、作法、神道講座など)
719 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 12:47:40 ID:6ctaN+T6
>>717-718
うわー、すごく丁寧にありがとうございます。
中の様子が俗世界底辺の自分にもわかりやすかったです。
日本の伝統の芸事やなんやが出来ないと勤まらないんですね。
なるほど良家できちんとベースを作られた人じゃないと厳しそうです。
すごく面白かったです、ありがとうございました。
720 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 13:16:03 ID:hUcrgS3P
>>714
そうですね
お稽古ごとの行事で一気に3〜5万円くらい出費があったりしますし、
先生へのお中元やお歳暮などの出費も馬鹿になりません
入社一日目までに用意する支度に30万程度かかりました
他に何着かスーツも必要です
大抵、見習の支度は親御さんがするようです
そう考えるとほとんど見習の間のお給料は吹っ飛んでたんですねw
>>719
どういたしまして。でも底辺とか俗世界なんて自分で仰らないでくださいね
私も大した人間ではないので自慢をしたようで恥ずかしくなってしまいました
長文のうえ、居着いてしまいましたがそろそろ失礼しますね
721 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 13:39:05 ID:x5s1GA61
本当に育ちがいい人は奥ゆかしいんだね。
しらない世界を教えてくださって、ありがとうございました。
旦那さんにもがんばってくださいとお伝えください。
できれば、小児科医か産科医になっていただけると
日本の役に立ちます
722 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 13:55:50 ID:AZjp/qEU
元巫女の人、文章分かりやすいです。聞けば聞くほど、裕福ないいとこのお嬢さんでしか出来ない仕事ですね。
724 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 14:28:56 ID:NHXoQOE8
私も質問させてください。
先にでていた「出張」という項目の詳細を教えてください。
730 :おさかなくわえた名無しさん:2007/09/27(木) 15:56:43 ID:hUcrgS3P
>>722
私宛じゃなかったらごめんなさい
出張の内容を少し書きます。
舞のできる本職巫女がいない他の神社から
お祭りや記念行事などの際に依頼されて舞を奉奏しに行くことがあり、
これを本職巫女の間で「外祭」と呼びならわし(厳密な意味では違います)、
神社から少しですが、出張手当が出ます
この時は白衣の上から道行を着てタクシーで移動、
舞装束には現地についてから着替えます
私が知っている一番遠方への本職巫女の出張はハワイの神宮ですが、
このときはさすがに私服で移動していました
また稀ですが、大きなビルや地域開発などの地鎮祭に巫女が同行して
神職の補佐をすることもあり、これも出張扱いです
最後に、神前奉仕ではなくなりますが、神楽舞や雅楽の文化振興事業で
巫女舞を舞ったり、他の神社や会議、雅楽の会などに招待されて行く場合も
出張扱いになります
そろそろ失礼しますね
出典:2
リンク:2

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