ガッツの話
2007/10/21 09:46 登録: えっちな名無しさん
ガッツの話
芸能界に入った時は、オレも1年生。
演技もしたことないし、セリフも覚えたことない。
だからみんな先輩、楽屋では子役のところにも挨拶に行った。
お芝居なら覚えられないセリフも必死で、本番まで覚えたよ。
バラエティならみんなが読まない脚本も読んで、きっちり自分の役割をこなした。
だから、
「ガッツさんちょっとおかしい」
ともいわれたね。
ケーキは顔に塗られるし、馬鹿な役もやらされる。
「チャンピオンも引退したら悲惨だね」
って言われたよ。
でもね、『おしん』というドラマの時にいきなりセリフの多い役で大抜擢された。
聞くと橋田 壽賀子先生じきじきの指名だよ。
「先生、何でボクを選んだの?」
って聞いたの。そしたら
「あんた一生懸命やってるじゃない」
「普通、ボクシングのチャンピオンでこの業界に来ると
みんな天狗で鼻持ちならないのよね」
「あんたはチャンピオンのガッツ石松じゃなくて、役者の、
芸人のガッツとして頑張った。だからこの役はガッツ石松のために用意したのよ。
あんたが一生この業界で食っていけるように」
オレは人目もはばからず泣いたよ。
見てる人は見てるんだって思ってさ…
出典:ガッツ
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