葬式にて…

2007/10/30 22:28 登録: えっちな名無しさん

先週、結婚を予定している彼女のお祖母さんが亡くなったので、俺も葬儀に参列したんだ。そこでのこと。
式は火葬場を兼ねた斎場で、身内のみで行われたんだが、彼女の両親が離婚しているせいか2人のお姉さんは来ていなかった。(彼女たち姉妹は父方にいる)
焼香が始まり、ここで俺は不思議なことに気がついた。普通、母親が亡くなったら、その子供である彼女の母親や兄弟くらいは泣くだろう!なのに涙を流してるのは彼女とそのお祖父さんだけ。言っとくが、大往生とはとても言いがたい死だったそうなのに、だ。俺は何か違和感を抱えたまま、その日は帰って翌日の告別式に出たんだ。
そして棺を焼く段階に入り、待合室で食事をする移動中、親戚の中でも恐らく力があるであろう不動産屋をしていると言う叔父が俺等に話しかけてきた。
「今日はわざわざありがとうございます。S(彼女)が結婚するって言うから驚きましたけど、これで○○家(母方の姓)も安泰だ」俺等「・・・」でも彼女は意味が解ったみたいで表情が曇った。
叔父は無言な俺に更に「いやぁ、○○家には跡取りがいなくてね。いやいや、君に婿に来いって言ってんじゃないんだよ。2人の子供の1人を養子にもらってもいいしね」…ちょっと待て!子供2人作ることもう決められてんの!?の前に、俺の親の意見なしですか!?俺、長男なんだけど…orz俺、唖然ですわ
更に、コイツはお祖父さんの所にいかに財産があるかまで話し始めた。笑いながらな。その他親戚も笑顔。
ここで、俺の横にいた彼女が口を開いた。苦しげな口調で、見たら泣いてた「やめてよ。こんな所で、初めて会った人にする話じゃないでしょ!それに何?何笑ってんの。」ここで彼女は母親を見た。「後妻で来た母親には何の感情もない訳!?」もう彼女は見ていて痛々しいくらいボロ泣きで、言葉も絞り出してるって感じだった。
「こんな家、どうなろうと知るか!」そう言うと彼女は足早に斎場から出て行った。母親や、親族はやや青ざめてた。おれは「失礼します」とだけ言って、彼女の後を追った。
斎場から駅までは、まともに歩いたら1時間はかかるから車に飛び乗って急いで後追ったけど、彼女は100メートル位先の初めの曲がり角でしゃがみこんで泣いていた。
後になって彼女が話してくれたんだけど、亡くなったお祖母さんは母親が中学生くらいのときに来た後妻さんで、難しい年頃だった母親は特に馴染めなかったんだそうだ。で、叔父さんがしていた養子云々の話は、元々はお姉さん達にしていた話だったそうで、今回も式に出たら結果は火を見るより明らかだったから、来なかったらしい。彼女もお姉さんに説得されたそうだが、血は繋がってなくても昔から可愛がってくれて、やさしく接してくれたって言う記憶しかないから、最後のお別れはちゃんとしたかったと言ってた。
この週末は、お姉さん達と一緒にお墓参りに行ってきます。なぜか運転手は俺だそうですが…。


出典:この親戚は
リンク:地獄に堕ちる

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