１２月の恐怖

私が高校生のときの12月の晩、真冬の怪談というテーマの深夜番組を見ていた。
私はそもそも怖い話が大嫌いなんだけど、ついつい怖いもの見たさで最後まで
視聴。お風呂の中が髪の毛で一杯に！みたいなネタをみて「ひょー怖えぇ・・」
と１人で盛り上がる。

番組も終わり、就寝前の入浴にと風呂場に向かう。家族は既に就寝。ひっそりと
静まり返る廊下。こうなると思い出すのはさっきの番組。風呂は朝にするか・・
とも思ったんだけど、寒かったので寝る前にあったまりたかった。

さっさと済ましてしまおう。まずは頭を洗おうとシャワーを頭から被る。うちの
風呂は水圧が弱いのでショロショロとしか出ない。ショートだったのでそんなに
時間はかからないけど、とにかく１秒でも早く頭を洗ってしまいたかった。

目をつぶると、背後に誰か居るような、不気味な感じに襲われる。頭に浮かぶの
はさっき見た風呂一杯の髪の毛・・。シャンプーで頭をかき回して、シャワーを
・・・しょろしょろと弱く出るシャワー。ダメだ！早く目を開けたい！

手桶を手に取り、目をつぶったまま浴槽に突っ込みお湯を頭から被る。

ざばぁ！　ボコっ　　ボコっボコっ
「クァｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ；＠！！！！！」

何か硬いものが！私絶叫。腰を抜かしてぺたんと尻をついたまま泣き叫んだ。
悲鳴を聞きつけて何事かと風呂場の戸を開ける父と兄。その後ろに母。

その３人が見たものは。ユズの転がった洗い場に尻をつき足を開いて腰を抜かし
て、ガクガク震える素っ裸の女子高生でした。

冬至でした。


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