鈴音の場合

2004/09/10 10:17 登録: えっちな名無しさん

鈴音の場合

一 発端

「あ〜あ、やんなちゃうなぁ」
 新人漫画家、立花鈴音はベッドにドサリと身を投げ出した。
もうそろそろ編集部に次の『コミック・HEAT』用のネームを
入れなければならないのに、ちっとも話が思い浮かばないのだ。
しかも締切を破ってるので後が無いのもつらかった。
「結局は、エッチだけ描いてりゃいいんだろ〜けどねぇ」
 載っけてもらってる雑誌が、いわゆる美少女漫画誌なので、その手のシーン
があればなんとか形にはなる。
でも「形になる」で済ます訳にはいかないのが鈴音の漫画家根性なのだった。
 どんなエッチを描くにしろ、そこに自分なりのストーリーを組み入れねば、あっとゆ〜まに読者に飽きられ忘れ去られてしまう。新人女流漫画家とか大人気好評連載中とかいって、盛りたててもらえるのはほんのわずかの期間なワケだし、それにデビューした以上はガンバラなきゃいけない。
 もっとも、同人誌即売会会場での青田刈りでデビューした自分であるから、何が何でも漫画家になるんだ!といった真剣さが無いのもまた事実ではあったが。
 そんなアンビバレンツに陥っている彼女が、今だにシコシコと漫画を描き続けている理由の一つに、自分を見いだしてくれた編集者との出会いがある。
 高校を卒業して、東京の専門学校に通い始めた半年前のこと。
 とある同人誌即売会で、さほど人気があるわけでは無い自分のサークルの本を手にとってくれ、「うちで漫画家としてデビューしてみないか」と誘ってくれたあの人。
 ページあたり八千円という原稿料に、否応もなく飛び付いてしまった自分が今では恥ずかしいが、当時はとても貧乏だったので、涙が出るほど有り難かったのだ。
 そしてその事がきっかけで、二人は付き合いだし、今では恋人同士なのである。
「そうだ。出来ないよ〜って、ゆうちゃんに泣き付いちゃお♪」
 ゆうちゃんこと藤堂雄一は、鈴音が描いている雑誌の編集長だが、もともとは漫画家志望だったので、ストーリーとかSEX描写とかを“より具体的に”教えてくれる頼れる相談相手なのだ。
 編集部に電話を掛けると、すぐに雄一が受話器を取った。今は午後九時近いので、彼以外のスタッフはみんな帰宅してしまっている。編集部が『修羅場』を迎えるにはまだ一週間ほどの余裕があった。
「や〜鈴音センセじゃないですか。ネームあがったんですか?」
 ちょっと疲れたような口調で、そう雄一は聞いてくる。
 まぁ、疲れてんのも当たり前よね…と鈴音は思う。この半月で、彼はいったい何回家に帰れたんだろう?
「それが…まだなの! どうしても話が思いつかないの!ゆうちゃん、ちょっと助けてよ!」
「はぁ…」
 電話ごしに雄一の大きなため息が聞こえた。
「そんなこったろうとは思ったけどさ…まあいいや、今からそっちに行くよ」
「ほんと! 助かっちゃう。…でも仕事の方はいいの?」
 ここで雄一の声が更に疲れたようになった。無理もないが…。
「誰の為に居残ってるんだと思うのさ。センセがネームを入れてくれれば、ボクは久しぶりに家に帰れて……まぁ…とにかく行って、寝かせずにやらせるから覚悟しとけよ」
「……やだぁ。エッチ♪」
「あほぅ。そんなんじゃないよ」
 そして電話が切れた。となると、彼が家までやってくる40分ほどの間に、お風呂沸かして、ご飯炊いて、おかず作って…と、急に生き生きとしてきた鈴音であった。
 何しろ、彼とゆっくり逢うのは久しぶり、半月ぶりなんだから、少しはサービスしてあげて、そしてたっぷりサービスして貰わなくちゃならないのだ♪

「で、少しは構想あんの?」
 玄関のドアを開けるなり雄一は鈴音に尋ねた。雄一にしてみれば、早いとこネームを受け取って写植屋に流さなければならないので必死である。それに漫画のタイトルを決定して、HEATの今月号の表紙に載せなくてはならない。
「う〜ん。あることはあるんだけど、少しありきたりのやつなの。女のコのお願いで悪魔が出てきて…ってパターンのやつ」
「でも…それを敢えてやってみるのもテじゃないかな?だいたい美少女エロ系の漫画家さん達は一度はこのネタを描きたいみたいだし、今、夏だからホラーっぽいのやるチャンスでもあるし♪」
「わかったわ。このネタでやってみるね。でね、やってみるから……」
 言いつつ鈴音は雄一の顔に唇を近付ける。それに応えて雄一はその唇に優しく自分の唇を重ねた。そして、華奢で小柄な鈴音の身体を抱き抱えてベッドの上に降ろし、そのまま彼女の上に覆いかぶさっていく。
「先に風呂に入ったほうが良かったかな?」
 鈴音の上着を脱がし、ブラジャーを外しながら、雄一はここしばらく風呂に入っていない自分に気がついた。その場の勢いでこうなったけど…さてどうしよう?
「い…いいの。そのままで。この汗の匂い、ゆうちゃんの匂い…好きなの♪」
 鈴音は雄一の背中に手を回し、ぎゅ〜っと彼を抱き締めた。彼女の乳房が彼との間でクニュッとひしゃげ、程良いクッションになった。
 鈴音はこの乳房に加わる圧迫感が好きだった。出来ることなら挟み潰してしまいたいくらいだ。そして、雄一も乳房が押しつけられる柔らかな感覚が好きだと言ってくれた。鈴音は、雄一の好きなコトは何でもしてあげたかったし、どんなコトでも好きになれた。
 次に、彼の胸に顔を近付け、舌でペロペロと舐めだした。彼の『味』も鈴音は好きだったのだ。そして、彼の乳首を舌で転がして弄び、チュッと吸いついてみる。
「うひゃあぅ!?」
 このいきなりの攻撃に、雄一はたまらず声をあげた。男なら誰でもそうだろうが、乳首を吸われる事など思ってもいなかったのだ。
「こらぁ〜この変態さん。男の乳首なんかに吸い付いて面白いかい?」
「え〜っ変かなぁ? 女が女のおっぱい吸うよりマトモだと思うけど。そ・れ・に、ゆうちゃんのおっぱいは美味しいんだヨ♪」
 う〜む、このコは…。出会った頃より、格段にエッチになっているぞ…しかも、少し変な風に…。まぁ…それも可愛いと言えば可愛いんだけどさ…。しかし、乳首を吸われ続けるのも何だかシャクだな……。
 雄一は、鈴音の小柄な身体に比べて大きめな、85?のバストをムニュッと鷲掴みにして真ん中に寄せる。そして両の乳首を二つとも口に含み、
「おっぱい吸うってのはこうするんだよ」
 とキュッと強く吸いたてた。すると乳首は見る間に固く尖っていく。そして頃合を見て軽く歯を立て舌でねぶり回すと、たちまち乳房は唾液にまみれ、ぬらぬらと妖しく、淫らに濡れ戯ぼってしまう。
「はあ…。ダメ…そんなに強く吸っちゃ…。乳首、のびちゃう……」
 快感に身悶える鈴音に構わず、チュッチュッと吸い続けると、その度に、
「あっ。はっ…。はぅぅん。あぅ…。あああん♪」
 と切なげな声が鈴音から漏れる。名前通りに可愛らしい、WINDOWSとかのVOICEデータにして売れば、マニアが大喜びしそうな声だった。
 …もっとも雄一に売る気などは毛頭無かった。この男心をくすぐる、テープに吹き込んでエンドレスで聞き続けたくなるような声は、自分だけのモノだった。何が悲しくて、他の男共にこの声を分けてやらねばならんのだ? もっとも、聞かせるだけ聞かせてやって、連中を悔しがらせてやるのも一興だな…ぐらいには思っているのだが。
 このまま続けたら胸だけでイっちゃいそうだな♪ そう思いつつも雄一は乳首をいじるのをやめない。そして更に吸い続けると、乳首が口の中で膨れてくるのがわかった。
「ぷは〜っ。大きくなった大きくなった♪」
 この半年間、執拗にいじくってきたので、乳首は明らかに以前より大きく育っている。その様に雄一は満足していた。
「ゆうちゃんだって変態だよ、こんなのがイイなんて。見てよこれ、みっともない」
 と顔を紅らめて言いつつも、彼女自身、乳首をいじるのが好きになってしまっていたので、百パーセントが雄一の所為というワケでも無かった。
「別にいいじゃん。ボク以外の誰に見せるって訳じゃないんだからさ。それとも見せる奴でもいるのかな?」
「そんなの…いないよぅ」
「だろ♪ すー(鈴音の事を雄一はこう呼ぶ)はボクの為にだけエッチに変わってくれればそれでいいのさ。で、ボクはそんなすーが大好きなんだ♪」
「だったら、ネ♪ わたし、もうたまんない…」
 鈴音が雄一の手をとり、自分の股間へ導いた。そこは十分に潤って、男の侵入を待ちわびていた。それは雄一が指を中に入れるとキュッと吸い付いてくるほどだ。と同時に微かに粘気のある愛液もジワジワと沸きだしてくる。
 雄一はその愛液を手のひら一杯に撫で取ると、鈴音の両の乳房に擦り付ける。そしてクニュクニュと揉み込むうちに乳房は愛液でニュルニュルになってしまった。
 そのニュルニュルになった乳房に雄一は顔を埋ずめ、両の乳房に満遍なく頬を磨り寄せる。これが彼の至福の一部であった。
 だが、これでは鈴音がたまらない。
「ねぇ、お願い。早く早くぅ♪」
 両足で雄一の腰を抱え込み、腰を…恥丘を押しあててくる。
「仕方ないなぁ。このエロ娘は♪」
「なによぉ! 高校出たばかりの純真無垢で、いたいけで、可憐な女のコをこんなにしたのはゆうちゃんなんだからね♪」
 そんな可憐な女のコが、ドぎついエロ漫画なんか描くワケねーだろ!? …そう思いつつも雄一はペニスを鈴音のヴァギナにあてがう。その瞬間を待ち焦がれていた鈴音の性器は、愛しい男の性器を飲み込もうと口を拡げ涎を垂れ流したが、どうしたことか彼は彼女の入り口で止まったまま、中に潜り込もうとしてくれないのだ。
 鈴音は腰を突き出して、無理矢理にでも雄一を迎え入れようとしたが、彼は巧妙にそれを逸らしてしまう。
「入れて! 入れてぇ! 半月ぶりなんだよ!犯してくんないと死んじゃうぅっ!」
 我慢の限界にきた鈴音はわざと乱れてみせる。これによって、自分と雄一のテンションを興めようとしたのだ。
「だ〜め。これはネームを仕上げるまでお・あ・ず・け♪」
 だが、確かに自分のテンションは興まったのだが、雄一には通じなかった。しかも、テンションを興めたことが鈴音にとっては薮蛇になってしまった。
「そんなの無理っ!これじゃ欲求不満でどうにかなっちゃう!」
 鈴音は悲鳴をあげた。雄一によって仕込まれた女体は、男欲しさのあまり身悶えした。ほぼ毎日オナニーして紛らわしてはいたけれど、本物のセックスの魅力に勝てるはずが無かった。目の前にそれがあるとなれば尚更だ。腰の奥がどうしようもないほど熱く疼き、いてもたってもいられなくなる。思い切り深く、思い切り激しく犯して欲しかった。その凄まじい肉の欲求に、鈴音はおかしくなってしまいそうだった。
「だから、その欲求不満を漫画にぶつけてみてよ。きっと物凄いのが出来ると思うよ」
 それに…鈴音の気持ちを知ってか知らずか雄一はニヤリと笑った。
「ボクだって本根は我慢できないんだ。今日の為にオナニーすんの止めてたから、溜りに溜まってあそこはもうパンパンのガチガチさ♪ だから、ネームを描きあげたら、今までに無いくらい凄いコトしてやるよ。腰が抜けるほど可愛がってやる。死んだほうがマシなくらい可愛がってあげる♪」
 そう言う雄一の目つきを見て、鈴音は背筋にゾクッとくるものを感じた。恐怖ではなく、期待からくる戦慄といったほうがいいものを。
「本当? ネーム出来たら本当にしてくれるのね?」
「ああ。楽しみにしといで♪」
 雄一はウインクしながら部屋から出ていった。その背中に向って鈴音は
「悪魔…♪」
 とつぶやいていた。
 結局何だかんだ言っても、わたしはあの人にいいようにコントロールされちゃうんだなぁ。イヤじゃ無いから別にいいけど…。ほぅ…と鈴音はため息をついた。
 
 その後、鈴音は朝までかかってネームを描きあげた。そのネームは鈴音の執念と欲望の産物だった。それは一種異様なトランス状態で描きあげたもので、生臭い臭いが漂ってくるようなストーリーであった。特に登場する悪魔には雄一をダブらせているので、一段と念の入ったものになっていた。
 …生命が、魂が、吹き込まれているようですらあった。

 朝の八時になると雄一が姿を現わして、さっそくそのネームのチェックをし始めた。
 彼は、「うひゃ〜」とか「凄いねぇ」とか言いながらページをめくっていく。このネームチェックの時が、漫画家にとって一番心配で、一番恥ずかしい時間なのだ。特に、昨日あんな状態で描いたものだけに、その思いは一段と強かった。
「で、まあその女のコが恋人にフラれるわけなの。で、このコは思い余って悪魔の召喚をしてしまうのよ。ダメでもともとってね。そしたら本当に悪魔が呼ばれて来てこのコに取り憑いちゃうの。
 悪魔は召喚した女の子の望みを叶えないと魔界に帰れないから、望みを叶えてやろうとするんだけど、このコの望みってやつが、徹底的にいじめられてセックスして気持ち良くなることだったの。マゾだったのよね、このコ。だから恋人にフラれちゃったんだけど。
 で、この望みってのは際限無く続く類の望みなのよね。望んでも望んでもキリが無い。だから最終的には気持ち良くなる為に、もう死ぬしかないトコロまで行っちゃうの。『ヘル・レイザー』みたいにね。
 で、死んだ後、ほんとなら女のコの魂は悪魔の物になるわけでしょ。だけど女のコは満足して死んだわけじゃないから契約は不履行になってしまうの。だから悪魔は死んだ女のコとずっとセックスし続けなきゃならないし、女のコは死んでも満足を得るまで悪魔にずっと犯され続けなきゃならないの」
「ふぅ〜。凄まじい話だねぇ。げに恐ろしきは人間の欲望ってヤツだな。よし!今号はこれで行こう! 内容はちょっとハードだけど、うちの読者なら大丈夫だ! で、タイトルは【快楽の代償は?(未定)】でいこう!」
 雄一がポンとネームのコピーを叩いた。
「エッチのシーンも修正なんか気にしないで、激エロに描いてくれよ。必要だったら何でも協力するからさ……でもなんだなぁ。少々身につまされる話ではあるな(笑)」
 ふふ♪ …と鈴音は笑った。そりゃぁそうでしょ。これはわたしとゆうちゃんをモデルにしたような話なんだから。もっとも、ゆうちゃんはこの悪魔みたいなヒドイ事は出来ないでしょうけど。……それとは逆に、わたしはこんなコトされるの望んでるんだろうか?このコみたいにグチャグチャに犯されるの、望んでるのかな?
「とにかく、約束どおりネーム描きあげたんだから、ネ♪」
 鈴音が雄一に身体を預けてくる。ノーブラの豊かな胸が身体に押しつけられ、発情した牝の臭いが彼の鼻腔を刺激する。先ほど読んだネームのセックス描写の強烈さも手伝い、雄一の男根が痛い程に屹立していく。
「締切破りが何言ってんだか♪ とは言え、昨日『凄いコトしてやる』って約束したからな。覚悟しろよ♪」
 そう言って雄一は持参したスポーツバッグの中から色々なものを取り出した。荷造り用のハーネス、デジタルビデオカメラ、ポラロイド、一眼レフカメラ、バイブレーターといったありふれたものから、首輪、手錠、ギャグ・ボール、変なクリーム、様々なピアス、拘束具、搾乳用の真空ポンプといったSMグッズがあった。
「ふつーなら、これらを一個一個じっくりと楽しむんだろうけど、ボクにはそれほど時間は無いんだ。だからこれらを一度に全部やってみようと思うのさ」
 鈴音が唾を飲み込む音が聞こえた。
「物事には順序ってもんがあるけど、まぁ、この際どーでもイイやね。こんなコト一度にやるのは犯罪的行為なんだけど、オカシクなっちゃうかも知れないらしいんだけど、すーならだいじょぶだろ♪」
 言ってるコトの半分はでまかせである。でも、セックスの下拵えには欠かせないのだ。こうやって少し危機感を煽ってやれば、マゾっ気のある鈴音はゾクゾクしてくるはずだ。見れば既に乳首は固く勃起しているし、腰はモゾモゾと動いている。きっと濡れ出しているのだろう。瞳が期待に輝いているようだ。
「いきなりここまで乱暴なコトしようとは思ってなかったけど、あんな凄い漫画見せられちゃなぁ♪ この欲求不満に応えてやるのは男の務めでしょう(笑)」
 そう言いつつ、全裸にした鈴音を正座させ、膝の少し上を、腿と脛を括るように梱包用ハーネスで締め付ける。プラスチックベルトのハーネスは、いったん締め付けると、カッターなどで無理矢理切り裂かないと解く事は出来ない。
 ハーネスがギュッと腿に食い込む度に、鈴音は「はあっ…」と熱い吐息を洩らした。
 次にまたもハーネスで、今度は脚の付け根近くで腿と足首を括り締め付ける。これで鈴音は立ち上がる事が不可能になってしまった。ここまでで鈴音の女性器は、しとどに愛液を溢れかえさせ、床に小さな泉を作っている。
 ハーネスで固定されるというのは、ロープで縛られるのと違って、『梱包』される感が強く、より一層《モノ》として扱われるみたいで、鈴音の被虐感を興まらせた。
 鈴音は、歩くことも満足に出来なくなった自分の身体を悦しんだ。…そう。もう雄一から…快楽から…逃げることは出来ないのだから……。
「あぁん…足が…痛いよぅ……」
「それがイイんだろ? すーちゃんはさ♪」
 雄一は手錠を二つ取り出すと、鈴音をベッドの上に仰向けに寝かせた。そして腰を上げる様に彼女の身体を折り曲げ、右手は右足、左手は左足と言った具合に、手首と足首を手錠で繋いでしまった。
これで鈴音は女性器を上に突き上げた格好に固定されてしまった事になる。これは自分自身の性器を眺められ、なおかつ性器を隠すことが不可能な不様な姿勢であった。鈴音は更に『梱包』されてしまったのだ。子宮が灼く爛れだしていく。
「どうだい、すー? 自分の濡れ濡れのオマンコ見た感想は?」
「な…なんかヘン。気持ち悪い。でも、凄い。自分のじゃないみたい」
「見ろよ。ピクピク動いて、愛液を垂れ流してるゾ」
 吹き出した愛液が腹の上に滴り、鳩尾まで流れ落ちてそこに溜まっている。そしてそこから溢れた愛液は更に流れて胸の谷間に吸い込まれている。いずれ、そこも決壊してしまうに違いない。
「もっと溢れさせてやろうな」
 雄一は催淫クリームを取り出して、指にたっぷり掬い取ると、クリトリス、大陰唇の内側、小陰唇、膣の中の襞の一枚一枚に丹念に擦り込んでいった。
「これは中毒性のある媚薬でね。これ無しでは生きていけなくなるって奴(ウソ)だけど別にいーよな」
「あぁっ。 それ…ひどい。…ひああっ」
 雄一の指がのたくると、そこからズーンと快感が背骨を駆け昇っていく。それだけで腰がトロトロに蕩けそうだ。
 ダメになっちゃう…ダメにされる……壊される………壊されて、モノに堕ちる…………それは、なんて危険に満ちながらも甘美な思いなのか。
 鈴音はヒィヒィとうめきながら、喜悦に身をガクガクと震わせた。
「これはおまけ」
 催淫クリームを両の手のひらに塗り付け、鈴音の乳房をクニュクニュと揉み込む。
 男の手で粘土細工のように揉まれいじられ、次々に形を変えられる乳房を見て、鈴音の胸はドキンドキンと鼓動を高鳴らせた。
 ああ…肉体をいじられるのを見るって、なんていやらしく、刺激的で、感じてしまうコトなんだろう。しかも、わたしはそれから逃げることが出来ないのだ……。
「きゃあぅっ!」
 突然両の乳首を摘まれクリームを塗り込まれたとき、さすがに鈴音は悲鳴をあげてしまった。
「あぅ…ああっ。やめて…そんなにいじらないでぇ…そこはだめぇ!」
「だめぇ? こんなに固くしてるのに?」
 言いつつ固い乳首をコリコリッと捻くる。
「ひゃああああぁぁぁっ!」
 鈴音はこの攻撃で軽く達してしまった。ヴァギナから吹き出した愛液が彼女の顔にチャパチャパと降り注ぐ。
「さて、ここらで一度写真を取っておこうか。まだ『まとも』だった頃の鈴音ちゃんとゆ〜タイトルでさ♪」
 雄一はポラロイドでいろんな角度から鈴音の痴態を撮りまくった。そして出来た写真を鈴音に見える様に周りにちりばめていく。
 彼の一言一言がグサリと鈴音の心に突きささったが、別に痛くはなかった。それはまともで無くなっていく自分に、歪んだ快感を感じ始めていたからなのかも知れない。心が、雄一の言葉に凌辱され、それを悦んでいるのだ。
 そして、肉体に塗り込められた催淫クリームが猛威を発揮しだしてきた。乳首を中心に腫れぼったい様な熱さが広がって、ジンジンとした足の痺れにも似た感覚が乳房全体を覆い始める。
 また女性器の方は、クリトリス、ラビア、膣腔を問わず、無数の羽虫にたかられたかの様な凄まじい痛痒感に襲われていた。そしてそれは子宮の奥の方にも拡がり、膣をキュッと締め付けさせる。言葉に尽くせぬ快感が彼女の脳髄を侵食していく。
「あっ ひっ ああああっ だめっ いやっ ああああああっ ああああああぁぁっ おっぱいが!あそこが熱いよう! 痒いよぅ! あぁお願い!掻いて! 噛って! メチャメチャにしてえぇぇっっ!」
 生まれて初めての、どうしようもない疼きに、若い鈴音の肉体は翻弄されていた。雄一に押さえ付けられていなければ、暴れて転げ回っているところだ。
 逆に転げ回っていられれば、この狂おしい疼きからいくらかは逃れられたかもしれないが、ベッドの上に押さえ付けられていてはそれも叶わなかった。彼女に出来ることは、悲鳴をあげ、身体を震わせ、汗や涙、愛液を飛び散らせて、ベッドをギシギシ軋ませるくらいだった。
 このどうしようも無く惨めな状態が、鈴音のマゾヒズムに火を着け、煽り立てる。
「ああっ! 死んじゃう! 死んじゃう! 狂っちゃう!助けてたすけてゆうちゃんたすけたすけてゆうちゃああっあああああっ」
 そう叫びながらも、鈴音は喜悦の涙を流す。唇からは涎がダラダラと流れ落ち、異様ななまめかしさを演出している。
 雄一はその様をビデオに収めていた。見てるだけで射精してしまいそうな迫力だ。ファインダーの中で、美少女が芋虫みたいにのたうっている。
「このまま箱詰めにして、すーの実家へ送り着けてやろうか?」
 だが、鈴音は雄一の言葉に耳をかせる状態では無かった。早くなんとかしてもらわねば本当に発狂してしまうかもしれなかった。
 しかし、だからといってペニスを入れてやるほど雄一は甘くなかった。彼は持ってきたピアスを取り出すと、その中から挟み込み式のピアスを幾つか抜き出した。
 そして、これでもかとばかりに勃起し突き出している乳首を、電極付きのピアスに挟み込んでいく。
 同じ様にクリトリスと小陰唇にもピアスを取り付けると、小さな箱に付いているスイッチを入れた。
「きゃあああああああぁぁぁぁっっ!」
 最も敏感な所に電気ショックを受け、鈴音は全身を海老反らせて悲鳴をあげた。それに構わず雄一は何度もスイッチのオンオフを繰り返す。その度に鈴音は身を引きつらせ、悲鳴をあげ、怖くなる程愛液を飛び散らした。しまいには口もきけなくなる有様だった。
 雄一がこの遊びに飽きる頃には、鈴音は口から泡をふいて気を失いかけていた。それを見計らって、真空ポンプに繋がれた搾乳カップを乳首に押しつける。するとキュポッとカップの中にに乳首が吸い寄せられ、見る見るうちに乳首が膨れあがっていく。
「あぅっ! いやあっ! おっぱいはもういやぁぁっ…」
 媚薬と電撃で敏感になってる乳首を無理矢理吸引され、鈴音は乳首が破裂してしまいそうな錯覚を覚えた。
 これら急所への、容赦の無い執拗な責めに、ついに鈴音の意識は奈落の底へと沈み込んでいった。失禁しないのがむしろ不思議であった。
「さて、そろそろいいだろう」
 そう言って雄一は鈴音の股を大きく拡げ、己の熱きり立った肉の凶器を、彼女の熱く沸き立つ肉壷へと一気に突き込んだ。
「あーーーーーーーーーーーー!」
 その一撃で、連続した絶頂による壮絶な苦痛と、激烈な快感によって混濁していた鈴音の意識が一気に覚醒させられた。心臓が爆発し、脳髄が溶けて流れ落ちそうだった。
 身動き出来ぬ自分にのしかかっている男の肉体に、彼女は征服される悦びを感じた。
 そして雄一は突き破れとばかりに、鈴音に身体を押しつけてくる。ぷっくりと膨れあがった大陰唇と小陰唇が極太のペニスに巻き込まれて、膣の中にひっぱり込まれてしまう。肛門付近にピタピタと当たる男の陰嚢が、くすぐったくて妙に気持ち良かった。
 鈴音が意識を取り戻したと判ると、雄一は猛烈に腰を使い始めた。ベッドに鈴音の身体がバスバスと叩きつけられ、スプリングが悲鳴をあげる。二人の体から汗が飛び散る。
「あああっ! いつもより深いの! 熱いの!長いの! 太いの! 一杯なの! ドクドクしてるの!一番奥まで当たってるのっっ!」
 鈴音の口から、雄一を感じたままの言葉が迸り出る。それは単純なだけに、かえって淫らな感じがした。
 奥までブチ込まれたペニスが引き出される度に、まるで子宮から汲み出されるかのように愛液がゴポゴポと溢れてくる。
男根の激しい出入りの為に、女性器は元の形が判らないくらいグチャグチャに引き伸ばされ、掻き回され、歪められている。
「あっ! あっ! ああん! はあっ! はああっ!いいっ! イイの! 凄いのっ!」
 鈴音は直ぐ目前で展開する、ヴァギナとペニスの交わりに魅入られ、痒みを疼きを和らげてくれる猛々しい動きに魅入られ、肉体を押さえ込む痛みに魅入られ、そしてその全てを与えてくれる、愛する男の肉体に魂の底まで魅入られていった。
 そして今、体の奥底で、一番壮絶な原始からの快感が生まれようとしていた。体の奥の奥まで叩き込まれたペニスが一際大きくなったかと思うと、そこで途方も無い爆発を起こしたのだ。灼熱の精液が、敏感になりすぎた子宮に激流の如く注ぎ込まれる。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 あまりの快感に鈴音は完全に気を失った。

 雄一は、満ち足りた表情で眠り続ける鈴音の額に手をやり、汗と愛液でへばりついた髪の毛を払ってあげた。
 彼は今、自己嫌悪に陥っていた。鈴音に対してここまでやる気は無かったのだ。ソフトSM程度のことをやって、彼女と戯れあおうと思っていたのに。
 何故だろう…と雄一は考える。いくら鈴音にそのケが有ったとしても、有りすぎはしなかっただろうか?それに自分も、あそこまでのコトが出来るとは思ってもみなかった。 もしも、鈴音が壊れてしまっていたら…それを考えると背筋が寒くなる。
 いまさらながら鈴音の身体を見てみると、両手首と足首に手錠の痕が、醜い傷となって残っている。
ハーネスで締め付けられた腿と脛が赤く変色している。乳首は勃起したまま元に戻っておらず、乳房に搾乳カップの痕がくっきり残っている。ヴァギナは開ききって中身がはみ出してしまっている。膣もポッカリと穴を開けたままだ。体中に飛び散った愛液と精液はいまだ乾き切ってはいない。
 心を申し訳無さで一杯にして、雄一は鈴音の頬に手を添え、汚れを拭ってやる。
 すると鈴音が目を覚ました。雄一と目が合うと彼女はにっこりと微笑んだ。
「ゆうちゃん…すごかったよ♪ 死んじゃうかと思った。まだ余韻、残ってる♪」
 鈴音は上半身を起そうとするが、叶わずベッドに倒れこんでしまった。
「あは。腰がふにゃふにゃだよぅ」
クスクスッと鈴音が笑った。
「これじゃ、今日仕事できないや」
「いや〜悪かった。ここまでやる気は無かったんだけどさ」
雄一が謝った
「もうこんなことしな…」
 鈴音の人差し指が、彼の唇を塞いだ。
「謝ることなんてないよ。スゴク気持ち良かったんだもん。それに…」
 じっと雄一の瞳を見ながら、それでもちょっと恥ずかしそうに鈴音はささやいた。
「また……してほしいから…ネ………ゆうちゃん、愛してる♪」
 この言葉を聞いたとき、雄一の身体を電撃が駆け抜けた。それは射精よりも強烈な衝撃で、彼の心を灼いた。
「そうか! そんなら、これを着けてくれるかい?」
 あれ…ボクは何を言ってるんだ? 何をしようとしてるんだ?だが雄一のその思いはすぐに消失した。
「この首輪。着けれるときだけ着けてくれりゃあイイからさ」
 雄一が手にした首輪は、動物用の物ではなく、ちゃんと人間用に作られた、その筋の人御用達のしっかりしたライトチタン製の逸品だ。
 そして、ネームプレート部分には、『ゆうちゃんの肉奴隷』と刻み込まれている。
 …こんな物、持って来たつもりは無かったが…。
「まあ、最近流行のファッションの一つさ。特に同人誌即売会の会場あたりじゃ違和感無いだろうなぁ♪」
「じゃあ、ちょっと着けてみるね」
 そう言って鈴音は首輪を装着した。首の後で止め金をカチッと掛け、鍵穴に鍵を差し込んで回してロックを掛ける。こうして首輪は簡単には外せなくなった。
 この鈍く光る立派な首輪は、スカーフやマフラーなどでは隠しきれそうもない。つまり、わたしはゆうちゃんの奴隷…違った…『ゆうちゃんの肉奴隷』だとゆーことを隠す事は出来ないのだ。そう思ったとき、鈴音の身体の奥が再び熱く燃えあがった。
「はい。鍵を渡しとくよ」
 雄一が鍵を手渡そうとするが、鈴音はそれを受け取ることに抵抗を感じた。
「いいの。ゆうちゃんが持ってて」
「それじゃ後で困るでしょ。表に出るときとかどうすんだい?」
「うん…そう…だよね」
 渋々ながら鈴音は鍵を受け取る。
「それにしても、すー、お前その首輪似合うよなぁ」
 惚れ惚れとした顔で雄一が賛辞の声をあげ、カメラのシャッターを押しまくる。
「えへ♪ じゃあ、こんなのはどう?」
 鈴音はササッと雄一の足元に立て膝をつき、お祈りをする様に顔を上げて
「お願いです…ご主人様。この卑しい肉奴隷めにどうかお情けを…もっと…もっと…もっと非道いコトをしてくださいませ!」と瞳を潤ませながら懇願した。
 これは効いた。ズキンときた。雄一の心が黯い炎で灼き尽くされそうだった。
「よおぉしっっ!」
 雄一は鈴音を床に押し倒すと、乱暴に彼女の中に入り込んでいった。余計な事は一切考えなかった。ただ、がむしゃらに彼女が欲しかった。
鈴音も喜んで雄一を迎え入れた。体は度重なる絶頂にくたくたになっていたが、こちらもただひたすらに彼が欲しかった。
 そして、部屋のなかに淫靡な音と臭いと歓喜の声が満ち溢れていく。
 結局その日は、二人とも精も根も尽き果てるまで交わったまま終わった。

(・∀・): 32 | (・A・): 35

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