海で助けた少女と・・・ (エロくない体験談) 15606回

2004/09/14 05:32┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
312 名前:1 投稿日:04/09/12 23:43 ID:YyOFTqnQ メール:sage
先日、北陸の某県にある海水浴場に行ってきました。 
そこは旅行雑誌や観光サイトなどでは 
あまり取り上げられない場所なのですが、ある小さな掲示板で 
「人が来ないだけあって水も砂もとても綺麗」 
という書き込みがあったので、いつか行ってみたいと思っていた場所でした。 

ローカル駅からバスで30分ぐらいの場所なのですが 
結構な田舎のほうで、時刻表によるとその路線は 
1日4本しか運行していないようでした。 
もともと、そういう場所が好きなので、自分的にはかえって好都合に思いました 

休みの日に思い立ってそこへ行ったのはいいのですが 
仕事の疲れか寝過ごしてしまい、家を出るのが遅くなり、また思ったより電車の連絡が悪く 
バスを降りて海水浴場についたのは夕方5時半頃になってしまいました。 


313 名前:2 投稿日:04/09/12 23:46 ID:YyOFTqnQ メール:sage
海水浴場についてみると雲が多く、日差しがあまり無いような状態でした。 
とても気持ちよく泳げそうな雰囲気ではありませんでしたが 
かなりの時間をかけて来たこともあり、少し意地になって海に入ることにしました 
ビーチは思ったよりも波打ち際が長く続いている広いもので、たしかに綺麗でした。 
もともと人が少ないビーチなのでしょうが、時間帯もあり 
若いカップルが一組、砂浜に座っており 
あとは波打ち際で子供を遊ばせている家族がいるだけでした。 

そんなに人がいないビーチでも 
若い男が一人でサーフィンもしないで泳ぐというのは、何やら気恥ずかしい気がして 
ビーチの東端のほうで泳ぐことにし、そちらへ歩いていきました 

すると、やや沖のほうに浮き輪が浮かんでいるのが見えました 
場所的には、ここまで泳げます、という目印のブイが浮いている辺りです。 
自分みたく一人で泳ぎに来た人かな、と思ってよく見ると 
浮き輪で浮かんでいるのは小学校に上がる前ぐらいの小さな女の子でした 
しかも、声は聞こえませんでしたが、かなり泣いているようです 


314 名前:3 投稿日:04/09/12 23:48 ID:YyOFTqnQ メール:sage
あれ、あんな女の子が1人で何であんな場所にいるのだろう、 
親はどこにいるのだろうと思い、辺りを見回したところ 
ビーチからやや離れた場所で、水着の上から白いTシャツを着た若い父母らしき人が 
女の子の方を見ているのに気付きました。 
まだ溺れてはいないとはいえ、 
親だったらあの子供の状況を見て、すぐに助けに行くはずではと思って 
表情を伺ったのですが、2人とも小さく口を開けて 
女の子の方を凝視しているだけです。顔色はやや青ざめているように見えました。 

ただの通りすがりの人かとも思いましたが、他にビーチに親らしき人はいません。 
ひょっとしたら、と思いました。 
この親はあの娘を置き去りにしてそのまま去ってしまうつもりじゃないのか。 
でなければあんなに泣いている女の子を放っておくわけがありません 
しかし、ビーチにいる人が誰も騒いでいないのが変でした。 
とりあえず、1人ぼっちで沖で泣いている女の子をなんとかしなければ、と思いました 
溺れている人を救助した経験などありませんが 
距離的にはそれほど遠くないし、女の子は浮き輪をしています 


315 名前:4 投稿日:04/09/12 23:51 ID:YyOFTqnQ メール:sage
大丈夫だろう、と気持ちを決め、親らしき人たちに向かって 
「早く助けを呼んで下さい!」と言い、海に向かっていきました。 
ひょっとすると本人たちもパニックになってしまって茫然としているだけなのか、 
いや、それにしてもどこかおかしい、などと思いながら海に入りました。 
日差しが出ていないのと、夏とはいえ5時半の海はやはりちょっと冷たかったのですが、 
一刻も早く助けないと、と思い 
水が腿ぐらいの深さになるとクロールで沖へと泳ぎ出しました。 

泳いでみると、ビーチで見ていたより波が高くちょっとビビりましたが 
それでもわりとすぐ女の子のところまで来ました。 
女の子は小さな声で泣いており、顔はかわいそうに鼻水とよだれでぐしゃぐしゃでした。 
あとは体力を使わないよう、平泳ぎで浮き輪を押していけばいいな、と思ったのですが 
ふり返って岸を見て驚きました。 
遠い・・・ 

いつの間にこんなに沖へきたのか、という感じで 
明らかに海水浴場の遊泳区域外に出ているようでした。 
そして、岸を見ると、あの若い夫婦はいませんでした。 


316 名前:5 投稿日:04/09/12 23:50 ID:YyOFTqnQ メール:sage
やられた!と思い、ビーチの遠さに若干パニクりかけましたが 
浮き輪に掴まりながら泳げばなんとかなる、と思い 
女の子に「大丈夫だからね、今からお父さんとお母さんの所に戻るからね」 
と声をかけ、焦りつつ平泳ぎで浮き輪を押し始めました。 
しかし、なかなか岸は近づいてきません。 
女の子は泣き止む様子はなく、本当ならいろいろ声をかけて 
安心させるべきなのでしょうが 

「ひょっとして離岸流というものにつかまってしまったのではないか」 
「自分の身も危ないのではないか」 
「あの夫婦は助けを呼んだだろうか、いや、呼んでいないに違いない」 

など、いろいろな考えが頭に浮かび、自分自身全く余裕がなくなってしまいました。 
とりあえず必死に足だけは動かし、浮き輪を押すのですが 
ビーチが近づいているのかどうかも全く分かりません。 
海の水も冷たく、正直泣きたくなりましたが 
ここで止まったらまずい、時間も遅いしとにかく早くビーチに着くしかない、と思いました。 
いったん心を落ち着かせ、体を休めてから全力で岸に向かうことにし、 
女の子にもう一度「大丈夫だよ、もうすぐだからね」というと力まかせに泳ぎ始めました。 

そうして時間にして30分にも感じたでしょうか、あるとき顔を出してビーチを確認すると 
それまでと違い、はっきりとビーチが近づいているのが分かりました。 
しめた! 
何とかなる!と思いました。 
それからは、あまり頻繁に顔を海面に上げてビーチを見ていてもスピードが 
上がらないと思い、なるべく頭を海中につけたまま、泳ぎ続けました 
そうして、ついに足が海底の砂につく感触がありました。 
その瞬間 
やった、と安堵するとともに、あの両親、何やってたんだ! 
という怒りが込み上げてきましたが、 
とりあえず女の子を何とかしないといけませんでした 


317 名前:6 投稿日:04/09/12 23:51 ID:YyOFTqnQ メール:sage
そこで女の子に「ビーチに着いたよ、怖かったね、もう大丈夫」と声をかけると 
浮き輪の中には誰もいませんでした。 
しまった!浮き輪を押すのに気をとられすぎたか 
女の子はどこかで海に沈んでしまったんじゃ 
と真っ青になりましたが、それは違うことが分かりました。 
浮き輪の空気は半分も入っていなかったのです 
また浮き輪の模様はかなり色褪せてしまっていました 
まるで何年も海を漂っていたかのように 

体から力が抜けるとともに、急激に体の中から寒気が襲ってきました。 
体は、へとへとに疲れていましたが 
もう、ここにはいたくない、早く帰りたい 
そう思う方が強く、シャワーのある場所へと足早に向かいました 
雲はますます厚くなり、暗くなったビーチにはもうだれもいませんでした 

シャワーの水はとても冷たく、歯がガチガチなるほどでした 
そうしてなんとか海パンだけを着替えると 
逃げるようにバス停に向かいました。 


318 名前:7 投稿日:04/09/12 23:52 ID:YyOFTqnQ メール:sage
携帯を見ると、時間は6時半になるところで、 
運良く5分ほどでその日の終バスが停留所にやって来ました。 
誰も乗っていないバスに乗り込むと 
ようやく人心地つき、ほっとすることができました。 

走り出したバスの窓から、上がってきたビーチを見ました。 
真っ暗なビーチに白いTシャツを着た夫婦が沖の方を向いて立っていました。 
沖は、遠くの灯台がかすかに光るほか、暗くて何も見えませんでした。 
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