出来杉君が壊れた日 (アニメキャラの体験談) 59480回

2008/12/02 14:47┃登録者:えっちな名無しさん┃作者:名無しの作者
ある朝両親の部屋で使い込まれたバイブレーターを発見してしまった出来杉少年は、結果として発狂した。彼は普段から優等生として振舞うことを期待され、あるいは強要され、そのストレスは相当なものだったと予想される。そのストレスの糸が両親の愛用するバイブレーターを発見(黒・極太)することにより一気に切れてしまったのだ。

「もう終わりだよ・・何もかも・・・」

そう呟いた出来杉少年はやおらランドセルを背負うと学校に向かった。いくら両親の部屋からバイブレーターが発見されようとも学校は悠久に続いていく。本来ならば『両親のバイブレーター(アナル対応)を発見してしまいました』という一寸の曇りもない論理を盾にして学校を休むことも可能だったのだが、出来杉はそうしなかった。なぜか。そう、復讐するためである。復讐。学校に、そして社会に向かって。

通学路を歩くと、そこには花壇があり土の上には蟻が這っていた。花とか虫とか有無を言わさず殺したい。出来杉はそんな思いを胸に秘めつつ花壇の上に乗り激しく踊りだした。ホイヤサ!オイソッソ!出来杉は叫びながら踊る踊る。それは情熱のサンバ、魂のルフラン。グチャグチャと音を立てて潰れていくパンジー。昨日までの出来杉は花を愛で小さな命を愛する心優しい少年だった。しかし彼は既に壊れてしまっているのである。

ひとしきり汗を流すと出来杉は学校に向かった。ヤツらを恐怖のズンドコに陥れる、それがオレのジャスティス。出来杉の目はやる気に満ち溢れていた。

1時間目。算数。先生が分数についてレクチャーしている。今だ、ここしかない。復讐のテロル、この時まさに惨劇の幕が上がった。



「先生!算数よりも保健体育を教えてください!」

一瞬の静寂が訪れた後、クラスにどよめきが走った。あの出来杉が保健体育だって・・・?ウソだろ・・・!エリートのくせにマンコとかに興味あるの・・・?あいつこの前『コウノトリの偉大さ』を力説してたのに・・・!ざわめきが収まらない教室。しばし唖然としていた先生は、どよめきにようやく我に返った。

「どうしたんだね出来杉くん、今は算数の時間だぞ?」

「先生!クリトリスのことを肉芽って呼んでもいいですか?」

先生は慌てた。あの優等生の出来杉くんがおかしくなってしまった。以前水泳の時間にさりげなくイタズラをしたのを根に持っているのだろうか?それとも彼のたて笛を舐めていたのがバレた?先生は狼狽した。なにせ心当たりがありすぎる。最低の聖職者ではある。余談にはなるが彼は素人童貞だ。

「ちょっと出来杉さん!一体どうしたのよ?」

事態を収束させるべく立ち上がった一人の少女、そう静である。彼女は出来杉にほのかな恋心を寄せていた。彼の実家の資力、財力は静にとって十分に魅力的だったからである。将来性も抜群だ。静は常々駅前のマックで
「やっぱ男は将来性よね。アンタらも先物買いしなきゃダメよ」
と同級生に教えを説いていた。そう、静は「エリートの出来杉」が好きだったのである。だから、彼にはエリートのままでいてもらわなくては困るのだ。

「おい源。脱げよ」

しかし言葉は、想いは届かない。彼は冷徹な目で静に命令を下した。静はショックのあまり尿を漏らしながら気絶した。この後、静のアダ名は終生「尿もれ」となったと伝えれられているが、それはまた別のお話。

「おいいい加減にしろよ出来杉!お前どうにかしてるぞ!」

声を上げたのはガキ大将の剛田。ほのかに恋心を寄せていた静が卒倒したのを見てついにブチ切れたようだ。しかし彼が内心(ガチで脱いでくれたら超ラッキー。帰って速攻シコろう)と思っていたのもまた事実。心底ゲスな奴ではある。

「剛田くんキミの菊門ちょっとゆるいんじゃない?」

そう、剛田はアナニー、すなわちアナルオナニーを生業としていたのである。缶コーヒー程度なら余裕で咥え込む、それが剛田クオリティー。彼の生家は雑貨店を営んでいるが、彼は成人するまでにありとあらゆる雑貨をその尻で味わうこととなる。後に彼はインタビューに対してこう答える。

「やはりアナニーにはサンポールが一番です」

(剛田剛インタビュー『栄光のクロスロード〜破瓜〜』より)

しかしそれはまだ先の話、とにかく剛田は自分の性癖がバレていたことに大きく動揺、ボボオボボボアボボボボウボボボボ!!とワケの分からない奇声を発しながら窓ガラスに飛び込んだ。パリーン。血だるまになりながら校庭に飛び出したその姿はなぜか神々しく、彼らの小学校では赤く染まるその姿を「不死鳥」として終生讃えたという。

クラスの連中は一様に恐怖した。あの天才のことだ、他にもどんな秘密を知っているか分からない。そう、小学生とは言えども大なり小なりスネに傷を持っているものである。普段は絶対にバレようのない秘密であれ、それでも出来杉なら、あの出来杉ならあるいは――クラスの面々は皆疑心暗鬼に陥っていた。例えば出席番号23番の中本くん。彼などは自分のオチンポを股に挟んで「わあ!まるで女の子!」というアホそのものの行為が大好きで、あまつさえその姿をポラロイドに撮ったコレクションがすでにvol.100を超えようとしていた。そんな趣味が露見した日にはどう好意的に受け取っても切腹以外の選択肢はない。その他の面子も内情は異なれど戦々恐々としていた。恐怖がリミットに達していた。

そこから先のことは誰も語りたがらない。クラス全員で出来杉を取り押さえたという説もあれば、笑い声を上げながら教室を出て行き自ら病院に向かったという説もある。真相は闇の中だ。しかし確かに言えるのは誰もがあの日のことを『出来杉が壊れた日』として認識していることだけである。なぜこんな凄惨な出来事が起きてしまったのか。原因を最初の部分まで突き詰めれば、それは両親がちょっと性的なプレイに興味を持ちバイブを所有してしまったがためである。あの日、あの時、あの場所でバイブが発見されなければ出来杉くんもあるいは・・・?僕は今もそう悔やまれてならない。

「あらのび太さん、何を書いているの?」

「いや、ちょっとした手記だよ。さあ出かけようか静」

妻の声に僕はノートを閉じてそっと机の奥にしまった。
机の奥には、かつてドラえもんの道具『雲ねんど』で作ったバイブが転がっていた。あの日、出来杉くんが発見してしまったものと寸分違わぬバイブが転がっていた。


そこに転がっていたのだ。


出典:肉欲企画
リンク:http://2949.seesaa.net/article/21770946.html
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