〜もしもドラえもんが一切容赦をしない設定だったなら〜 のび太「のどかなお正月だなあ。ことしはいいことがありそうだ」 ガラガラガラッ!! の「すわ、何事?!突然引き出しが――」 ドラえもん「おいのび太か?!お前野比のび太か?!?」 の「はい、わたしです」 ド「よっしゃ分かった、お前今から俺と一緒に源の家に行くぞ。種付けだ種付け」 の「え、たね、えっ?」 ド「オラッ!タイムふろしきだ!!これをチンポに巻きつけろ!!グズグズすんな!!」 の「ちょ、ま、一体何が何やら」 ド「とろとろしてんじゃねーよこのメガネ!!いいかこうやるんだこう!!」 の「イヤッやめて!!ズボンを脱がせるのはやめてっ!!」 ド「何だまだ毛も生えてねえのか。でももう大丈夫、このタイムふろしきをこうしてこうしてこうやると……ハイッ!!ズルムケ!!」 の「……あんまり変わらないけど」 ド「……遺伝子レベルのミスだな」 の「と、とにかく!キミは一体誰なんだ?いきなり僕の部屋にやってきて、それでこんな」 ド「時にお前はジャイ子と結婚したいか?したいのか?」 の「ジャイ子って、あのジャイ子?うーん、あんまりタイプじゃないから、どちらかって言えば僕はしずちゃんの方が」 ド「よっしゃ利害は一致した。さあ源の家に行くぞ」 の「何をしに?」 ド「何ってそりゃお前と源がこれからズッコンバッ婚するために決まってんだろうが種付けだよ!」 の「ママー!!ママー!!ここにキチガイ青狸がい」 ド「シッ!!」 (バチュン!!) の「ギャアー!む、無念……」 ド「安心しろ、峰ショックガンだ。初手からこうしておくべきだったか。おっ、のび太の枕元にあるこれはなんだ?俺の予想するところによるとこれはモチか。とりあえず食べてみよう。うーむ、ウマウマ。こんなもの生まれて初めて食べたぜ。しかしこの『ドラえもんはモチが好き』なんていう設定はこれからの連載において音の速さで無かったことにされるのであるが、そんなことを今の俺は知る由もない」 しずか「のび太さあん」 ド「ムッ、あの声はまさに源のそれ!よもやこうも早く好機が訪れようとは。いざ鎌倉」 ガラガラ ド「やあ源さん。あるいはセワシの高祖母よ。私がドラえもんです」 し「えっ、何あの動く物体?」 ジャイ子「気味が悪いわね」 ド「やや、あれに見えるは剛田の愚娘。クフフ、これは盆と正月が一挙に押し寄せてきおったわ」 し「この際もう何でもいいわ。ねえそこの青、屋根に上った羽子板の羽根を取って頂戴な」 ジ子「これにて一件落着n」 ズドン!! ジ子「ギャーン!!」 し「ジャイ子ちゃん!?ジャイ子ちゃーん!!」 ド「安心しろ、峰空気砲だ。当たり所が良ければ死なないが、あわよくば死ぬ。さて置き、そこの源さん」 し「はい、わたしです」 ド「ちょっとこっちまで来てもらおうか。おっと選択の余地はないぜ。この悪魔のパスポートがあればどんな相手だって俺の言うことには逆らえなくなるのだからゲキョキョキョ」 し「何だか分からないけど、今まさに我が身へと危険が押し迫っている感じがするわ。ここは逃げるがビクトリーよ!」(ダダッ!) ド「おっと、そうはいかんざき。まあどちらにしてもタンマウォッチからは逃れられギャウ!!」 の「し、しずちゃん!!今のうちに逃げるんだ!!」 し「正月早々キチガイに絡まれてしまったものだわ。さっさと家に帰ってお年玉の総額でも数えましょう」 ド「おいのび太、どうして俺の邪魔をする」 の「そんなのって間違っているよ!!確かに僕はしずちゃんのこと好きだけど、そんな乱暴なやり方ってないよ!!」 ド「そのピュアさは嫌いじゃないが、ここでちょっと考えてみよう。君の好きなことはなんだい」 の「昼寝かな」 ド「嫌いなものは」 の「勉強だね」 ド「将来の夢は」 の「一生楽して暮らしたい」 ド「そのためのプランは」 の「まるっきりない」 ド「そんな男を好きになる女は」 の「いるわけない。しまった!!」 ド「残念ながら初手から勝負はついているんだよのび太。いいか?人は平等じゃない。平等じゃないから努力をするかズルをするしかない。これは真理だ。分かるか?」 の「そ、そんな夢も希望もないことを小学生に言っていいのか!」 ド「夢だとか希望だとか、そんなものは薪にくべて燃やしちまえ!!俺たちが見ていいのは、見据えるべきなのは現実、限りない今、ヒリつくようなナウだけなんだよ!やればできるとか、未来は明るいとか、そんなのはJPOPの作り出した幻想だ!聞こえのいい言葉に騙されちゃいけない」 の「不思議なことになんだかそんな気がしてきたよ」 ド「それでいい。だから平等なスタートに立っていないお前は基本的に努力をするほかないのだけれど、ハッキリ言ってそんなのは無駄だからその選択肢は捨てろ」 の「どうして?」 ド「マイナスに正の値をかけてもマイナスだからだ」 の「君はいつも正論を吐くよね」 ド「褒めるなよ。つまり君はいま絶望の淵にいる。未来は暗く、楽しいことなんて何ひとつありゃしない。安い給料で働き、安いメシを食い、安い酒で酔い、安い女を抱く。死ぬ時にゃきっと無縁仏さ。それでもいいのか?野比さん」 の「そんなのは いやだ!!」 ド「やなせたかしは止めろ!いや、今それはどうでもいい。お前の願いは確かに受け取った。大丈夫、このドラえもんが来たからにはもう安心、お前の未来は恐ろしいほどバラ色に染まる」 の「ぐ、具体的には」 ド「ラーメン屋に入った時、迷いもなくチャーシューメンを頼めるようになる」 の「そんなことって!!そんなことって!!」 ド「ギョーザだって付けるさ」 の「僕はもうどうにかなってしまいそうだよ」 ド「どの未来を選ぶかはお前次第だ。地面を這って土の味を知る道を歩いてもいいだろう。それも人生、俺は何も言わん。しかし俺の指し示す道を歩むのであれば」 の「オーケー、Dさん。僕はアンタについていくね」 ド「いい子だ。じゃあ行くぞ」 の「どこに?」 ド「種付けだ種付け」 の「それはちょっと早くないかなあ。もっとこう、段階を踏みたいっていうか、もののあはれを感じたいっていうか。やっぱり最終的には愛じゃん?愛」 ド「お前はまだそんな世迷言を……よし分かった。お前の言う "愛" なる概念がどれだけ儚いものかその目に焼き付けてやろう。来な、チェリー」 の「あっ、どこへ?」 ド「いやあどうもあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」 パパ「おや、この動く何かはママの知り合いかな?」 ママ「知らないわ、こんな青。どなたかしら」 ド「そうです私がドラえもんです」 の「ごめんねパパママこいつってば頭が不自由で」 ド「時にママさん、あなたはこのパパを愛しておいでか?」 マ「もちろんそうよ。ねえパパ?」 パ「ああ、死ぬまで愛してるよママ」 ド「その言葉が聞きたかった。悪魔のパスポート!ママよ、俺を愛せ!!」(ズキューーーーン!!) マ「ドラさん抱いて!!即座にここで抱いて頂戴!!」 パ「マ、ママ?!ママーーッ!!」 マ「うるさいこの豆タンク!!あんたとの婚姻関係は今日を以て終了よ!!ドラさん!!ドラーーーッ!!」 ド「ざっとこんなもんさ、のび太。愛、それはかくも儚きものなんだぜ」 の「僕は醒めない夢でも見てるつもりだったらしい」 ド「それが若さだ。さあ行くぞ」 マ「それで、別れてからの生活費なんですけど」 パ「月々7万はきついなあ。せめて5万に」 ド「どこでもドアー!僕たちは今まさに源の家へと」 の「これで全てが終わるんだね」 ド「違うね、まだ何も始まっちゃいない」 の「君といると何でもできそうな気がするよ」 ド「できるさ、お前となら、世界の全てだって。さあいざなえ!源静の所へと!!」(ガチャ) し「ルルンルルンルルルン。やっぱ正月の昼風呂はサイコーね。あら、突然何もない空間からドアが現れ、そして今その扉が開かれようとしているわよ」 ド「毎度!僕です」 の「さあ種を」 し「キャー! ドラえもん のび太の住居不法侵入!!」 静父「どうした静?!おお、静もこんなに発育して。時の流れとはしばしば残酷なものだ」 静母「そんなことより今は警察を」 の「サツはマズイ!」 ド「正直、どちらにしても君の人生は真っ暗だから今さら警察に怯える必要はない。100億の負債が101億になるようなものさね」 の「君はいつだって正論ばかりよ」 静父「変態たち、五体満足にここから出られると思うな」 ド「いやっ、出るね。悪魔のパスポート!お前たち夫婦は全力で我々を見逃せ!!」(ズキューーン!!) 静父「母さん、静も色を知る歳だ」 静母「そうね、私もちょうど静くらいの歳に隣の家のお兄さんと」 静父「えっ」 ド「これで邪魔者は消えた」 の「さあ種だ、種祭りだ」 し「い、いやっ!!いやよそんなの!!私の初めてはパークハイアットのスイートで新宿の摩天楼を臨みながら優しく時に大胆に、それでいてムーディーなスタイルで…って決めているのだから!!」 ド「ゴチャゴチャうるさい女だ。ここはもう一度悪魔のパスポートで」 の「ドラえもんやめるんだ!!」 ド「何だと?!お前まさかこの後の及んで愛だの恋だのと」 の「この際僕は嫌がる相手と無理やりしたい。嫌がる顔を涙で飾りたい」 ド「天下無比のゴミ野郎だよ、アンタ」 の「まっさらな雪道は踏み荒らしたくなるのさ。ゲギョギョ」 し「もうおしまいなのね、何もかも」 ド「はーい源さん、目線こっちにくださーい」 の「Dさん何してんの?」 ド「撮影さね。ビデオに収めて売りだせばその筋から高く買ってもらえるでしょ。粗利で800万は堅い」 の「たまげたなあ」 し「お願い(チラッ)、もうこんなことは(チラッ)もうやめてちょうだい!(チラッ)」 ド「アァーーっすっごい!すっごい刺激的な目線だよォ!ここで思いっきり寄って……はいここでパン!!パンした!!いまパンしたよォ!!」 ※パン=映像の撮影技法の一つ。固定したカメラの向きを「振る」こと。 し「ダメェ!(パカッ)そんなに見ちゃいやっ!(ビラッ)あたしもう生きていけないわぁー(ビラビラッ)」 ド「ナイスッ!ナイスビラッ!!良いよっ!ディ・モールト良いッ!!」 の「あの……Dさん……」 ド「何やってんのォ?!ホラッ早くっ!!早く絡んでェ!!女優さん待ってるんだよォ!!」 し「く、悔しい……でもっ!!(ビクビクッ!!)」 ド「エクセレーンッ!!グッドイナフ!!もっ最高!!ナイスビクビクッ!サイコーでしたよ源さぁーん!!」 し「カントクぅ、絵、チェックしてもいいかしら?」 ド「ロンモチっすよ。いやー、申し分のない映像が撮れたなァ」 の「あの……えっと……」 し「シッ!大事なところだから。うーん、やっぱりここのキメがちょっと甘かったかしらね」 ド「そんなことありませんって!!もうビンビンッ!!これで世の男どもは皆イチコロっすよォ〜!!なあ汁太!!」 の「え?あ、うん……」 し「80%ってとこかしら。次で頑張るしかないわね。とりあえずお疲れ様。私は上がるわね」 ド「お疲れっしたー!!よし、撤収すっぞ。ちゃんと現場綺麗にしとけよ。陰毛の機動力は異常だからな」 の「あの、あの僕は」 ド「これからぶっ通しで編集作業だ。タイトルは、そうだな……『風呂場でビクビク!!静のシズカはちっとも静かじゃない事変 〜世阿弥〜 』でキメだな。粗利で1000万は堅いぞ」 の「いやそういうことじゃなくてですね、その」 ド「ゴシャゴシャうるさいな!!オラ、帰った帰った」 の「もうやだこの青」 ――こうして夜を徹してドラえもんとのび太は動画を編集し、完成するや否やドラえもんはタイムパトロールに捕縛されることとなった。逮捕されたD氏は『この映像に登場する女性はどれだけ幼く見えても全部18歳以上なんです本当ですただ公転周期が180日位の星で生まれ育っただけで』という言葉を残したとされる。 の「結局なにしに来たんだよ……」 パ「月々53000円。これ以上はいかんともしがたい」 マ「55000円。ここが最終防衛ラインよ」 の「どうすんだよコレ」 (おしまい) ■□次回の容赦ないえもんは□■ のび太「Dさん!!ジャイアンにいじめられたよ!!」 振りかざされる暴力、そして暴力。 力無き者は涙を流して圧制に耐えてきた。 だが―― ドラえもん「エリミネート(排除)だ」 王を、刺す。 反逆の狼煙は22世紀の技術と共に上がる。 ジャイアン「骨川の財力を以てすれば、あるいは……!」 策謀に次ぐ策謀、交錯するそれぞれの思惑。 「こんなとこ……ろで……」 「はる夫?!はる夫ぉーーーー!!」 乾いた空き地に轟く咆哮。 脆弱な者たちはただ叫ぶことしか出来なくて。 出木杉「解析終了……これで勝つる!!」 スネオ「金は何も教えちゃくれない。でも金は逃げない。金は虚、あるいは、実。俺は信じる、俺の帝王学を」 静「私は三番目だから(クパァ)」 セワシ「アカシックレコード?まさか……!」 誰が敵で、誰が味方か。 常識と非常識の彼我が決壊した頃、全てのロゴスはカオスへと転じる。終わりの始まり、始まりの終わり、そして。 ドラミ「兄様――私が全てを、破壊する」 次回、容赦ないえもん第二話! 『まんじゅうこわい』 ・ ・ ・ キーンコーン カーンコーン 先生「おーい、席に着けー」 「やべっ、先生だ!」 ジ「のび太、今日放課後に野球しようぜ!!」 の「もちろんさっ!!」 ――全ては、何気ない日常から始まったんだ 出典:肉欲企画 リンク:http://2949.seesaa.net/article/108191162.html |
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