ヨメに復讐を誓った (修羅場の話) 200660回

2010/04/19 18:06┃登録者:えっちな名無しさん◆NlqaAP.U┃作者:名無しの作者
最近少し責任のある仕事を任せられるようになり家に帰るのが遅くなることが多かった。
遅いと言っても9時か10時くらい。土曜は時々出勤があったが日曜は家に居てヨメと過ごすことを唯一の安らぎにしてた。
オレはヨメ大好き人間だ。
大学の後輩として入ってきた2つ年下のヨメは小柄で可愛らしくて明るくて一目ぼれだった。
何度断られてもアタックして、いつの間にやら付き合うことになって、ヨメが大学卒業してから2年後にプロポーズ。結婚生活3年目の今まで一度たりともヨメを裏切ったことはない。
それどころか今も昔と変わらず、いや昔以上にヨメ大好きだ。
見た目も中身も平々凡々で、稼ぎも人並みなオレのことを好きと言ってくれる、いつも隣で明るく笑ってくれてるヨメがいるだけでオレは幸せだった。
ヨメがいるからがんばれる。ヨメを幸せにすることだけがオレの人生の目的と言っても過言じゃなかった。

その日も仕事で遅くなり10時過ぎに帰ってみると家中の電気が消えていた。
あれ?寝たのかなと思って寝室を覗いて見ても誰もいない。
それどころか家に人の気配がない。
??と思って着替えながらリビングに入るとテーブルに一言置手紙が・・・
「ごめんなさい。探さないで下さい」

この時のショックをどう言い表せばよいだろうか。
恥ずかしながら読んだ瞬間に涙が洪水のように溢れ出した。
臓腑が急に下腹部へ落下したような感触とともに、まるで誰かに頭を持たれて振り回されたように目の前の世界がゆがみ立ちくらんだ。
何故?何が原因なのか?とりあえずヨメの携帯に電話してみる。
電池が切れているか電波が届かないという無味乾燥な声が聞こえる。
誰に?どこに電話すればいい?パニックだった。
ヨメの両親はすでに他界している。
そうだ、遠縁の親戚か共通の友人だ。
慌てて携帯をいじろうとして手元が狂って床に落としてしまった。

その瞬間クローゼットの扉が開き『エイプリルフール(はぁと)』と書いた手製のプラカードを持った嫁が飛び出てきた。
もう何がなんだかわからなくてとりあえずひざから床に崩れ落ち腰が抜けたような格好になった。
その格好のままヨメを見るとヨメも泣いてた。オンオン泣いてた。
後で聞いたが、勝ち誇った笑顔で出てくるつもりが、必死なオレを見てイタズラをしてしまったことへの後悔の念と、自分への愛情の深さを感じたことで涙が止まらなかったらしい。

その夜オレはヨメに復讐を誓った。
指で、口で、1時間以上失神するまで何度でもヨメをイカセ続けた。
おかげでオレは最後までいたせなかった。
しかしこの復讐劇に味を占めたヨメがまたなにかのイタズラをしかけてくるのではないかと気が気ではない。


出典:修羅場じゃなくてゴメン
リンク:修羅場じゃなくてゴメン
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